学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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予選最終試合②

 

八幡&クローディアside

 

 

八幡「それで、俺たちはどうする?戦ってもいいが、自分の校章が切られた時点でチームの負けになるが?」

 

クローディア「私としては戦いたくないのですが、チームを引っ張る者がそれでは誰もついてきませんからね。お相手させて頂きます。」

 

 

クローディアは自身の純星煌式武装《パン=ドラ》を展開した。赤と緑の刃が現れ、中心のウルム=マナダイトが不気味に光っていた。

 

 

八幡「そうか。なら俺もリーダーとして、つまらん事は出来ないな。」

 

 

八幡も鞘から祢々切丸を抜刀した。

 

 

クローディア「では、参ります。」

 

八幡「あぁ。」

 

 

八幡&クローディアsideout

 

陽乃&ユリスside

 

 

陽乃「炎の星仙術使いかぁ……私ってそんなイメージなの?」

 

ユリス「……私が見た中では、紗夜と戦ったあの場面が特に色濃く残っていてな。炎を操るイメージが強い。」

 

陽乃「そう?色々使えるけど君が希望するなら炎の戦いにしても良いんだよ?」

 

ユリス「ハンデを与えているつもりではないんだろうが、遠慮しておく。それで勝ったとしても勝った気にはなれないからな。情けは無用だ。」

 

 

陽乃(へぇ……まぁ確かに今のは情けみたいな感じだったかな。)

 

 

陽乃「分かったよ。それじゃあやろっか。」

 

陽乃「金剛たる鉄身もって災悪を防がん。急急如律令」

 

 

4枚の呪符を持って唱えると、陽乃の手足が鉛色になった。

 

 

ユリス(あの能力、体の一部を硬化させるものだったな。《鳳凰星武祭》準決勝で見たが、厄介には違いないな。接近戦は無理か……)

 

 

 

ユリス「咲き誇れ!六弁の爆焔花(アマリリス)!」

 

陽乃「5個かぁ……何個かはズラしちゃうけどいっか!風流し。」

 

 

陽乃は右脚と両手に星辰力を纏わせてその場で踊っているかのように回転しながら、襲い掛かってきた火炎球をコントロールしていた。陽乃は3つコントロール出来たが、残りの2つはというと……

 

 

陽乃「セシリー!そっちに炎の球飛んで行ったから〜!」

 

 

ユリス(【魔将天閣】……それは押し付けにも過ぎるぞ。)

 

 

陽乃&ユリスsideout

 

セシリー&紗夜side

 

 

セシリー(うわー陽姐ってば私に押し付けてきたよー。しかも今戦いの真っ最中なのにー。)

 

紗夜(っ!好機!)

 

 

紗夜「バースト。」

 

セシリー「えぇ!?今ァー!?ちょっとーもうちょっと待ってよー!」

 

紗夜「待たない。これも勝負。」

 

 

セシリー(だよねー。)

 

 

左から炎の球、右からは波動砲と挟まれていた。

 

 

梁瀬『おおっとぉ、ウォン選手が火炎の球と波動砲に迫られています!!これはピンチです!!』

 

チャム『空中には逃げ場はないから、これを避けるのは難しいんじゃないかな。』

 

 

セシリー(………あたしの雷戟じゃ炎は防げても、あれは無理かなー。あーあー……これはやられちゃったかなー。空中にはにげばないしねー。)

 

 

セシリー「カッコ悪い負け方だなー………」

 

 

ドガアァァァァァン!!!

 

 

炎と波動砲のぶつかり合いにより、大きな爆発が起きた。

 

 

梁瀬『こ、これは凄まじい爆発です!ウォン選手、流石に戦闘不能か!?』

 

 

すると、爆発の中から勢い良く黒い人影が現れた。よく見ると、人を抱き抱えているようにも見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリー「は、八幡……」

 

 

セシリーは八幡に助けられていた。

 

しかも八幡の姿は変わっていて、八咫烏の憑霊を纏わせていた。

 

 

梁瀬『おおっとぉ!!ウォン選手、比企谷選手に抱えられ、窮地を脱しました!!比企谷選手、これは超ファインプレーです!!!』

 

チャム『あの中に飛び込んでいくのにも相当な勇気がいるのに、迷いがなかったっスね。」

 

 

セシリー「は、八幡!どうして!?自分の相手は!?」

 

八幡(分身)「それは俺の本体がやってる。俺は影で作られた分身、影分身だ。あっち見ろ。」

 

 

そこには八幡とクローディアが戦っている光景が映っていた。

 

 

セシリー「で、でもあたし、助けてなんて言ってないのにどうやって……それに作戦じゃあ八幡とあたしは……」

 

八幡(分身)「同じ場所で仲間として戦ってんだから問題ないだろ。それに、仲間を助けるのに理由とか作戦とか必要なのか?」

 

八幡(分身)「俺が助けたかった、それだけだ。」

 

セシリー「っ!///」

 

 

八幡(分身)「取り敢えず、今は戦いに集中しろ。陽乃さんには後で叱っとけ。俺も手伝ってやるから。」

 

セシリー「う、うん///」

 

八幡「それと、口調に伸びが無いぞ。余裕がない時のお前ってそんな感じなんだな。」

 

セシリー「か、からかうなー!」

 

八幡「よし、それなら大丈夫だ。頼んだぞ。」

 

 

そう言って八幡は黒い靄になって消えた。

 

 

セシリー(……助けたかった、かぁー。虎峰の時と助けられた感覚が大分違うなー。)

 

 

セシリーはそう思いつつも自分の頬を叩き、再び紗夜の方へ向かって歩いた。

 

 

セシリー「よぉーし!さっき不意打ちされた分は高く値くんだからねー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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