学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今日は夜の当番なので朝投稿です。

ではどうぞ!




学園祭 アルルカント編②

 

 

八幡side

 

 

校内も割と普通な感じだった。少し暗い感じはするが、それを除けば勧誘などの紙が貼ってある掲示板や過去に賞を取った展示物、アルルカントらしい一面だった。

 

しかし分かってはいたが、此処でも派閥争いみたいなのがあるんだな。《獅子派(フェロヴィアス)》が一番多いみたいだが、他の派閥も食いさがってるからな。賞やトロフィーの多さを見れば、最近は《彫刻派(ピグマリオン)》か。

 

 

州馬「おや?比企谷さん、それにリューネハイムさんも。アルルカント・アカデミー最大派閥の《獅子派》へようこそ。」

 

八幡「左近か……お前って《獅子派》だったんだな。てっきり俺は《思想派(メトセラ)》か《超人派(テノーリオ)》だと思った。」

 

州馬「あはは……一応僕の姉は《思想派》所属の代表でした。」

 

 

マジで?ていうかマジでって言ったけど、よく分かんないんだよな、ここの派閥が何してんのか。《獅子派》は煌式武装の開発、《彫刻派》は自律式擬形体(パペット)の開発、それくらいしか分からん。興味もそんなになかったし。

 

 

州馬「それでどうしましたか?こういっては失礼ですが、比企谷さんとリューネハイムさんがアルルカントに興味を持たれるとは思えないのですが………」

 

シルヴィア「まぁ確かに私たちはメカニックではないからね。」

 

八幡「少し見てもらいたい奴がいてな。俺の式なんだが、構わないか?」

 

州馬「えぇどうぞ。中にはパレートさんもいらっしゃいますので。」

 

 

ーーー《獅子派》研究所ーーー

 

 

中に入ると、煌式武装が沢山あった。試作中の物や作成中の物、完成した物など様々たったが、流石は最大派閥というだけあって人の数も多い。

 

 

州馬「パレートさん。少しお相手をしてはもらえないでしょうか?界龍からの人でして。」

 

カミラ「界龍の?………あぁ、君か。久しぶりだね。」

 

八幡「久しぶりだな。あの時は……悪かったな。」

 

カミラ「武装は無事だったから私からは別に何もないよ。」

 

シルヴィア「どういう事?」

 

八幡「《鳳凰星武祭》で俺と陽乃さんが予選2回戦で自律式擬形体を一撃で倒したのは知ってるな?」

 

シルヴィア「うん。あの時の八幡くんも陽乃さん、結構エゲツなかったよ。」

 

八幡「ハッキリ言うな……それでだ。その時に作られた自律式擬形体を修復不可能にまでやっちまってな。パレートの作った武装は何もなかったけど。」

 

カミラ「私もアルディの防御がいとも簡単に破ってしまうとは思わなかったよ。」

 

シルヴィア「そっかぁ……それで。」

 

八幡「あぁ。」

 

カミラ「それで、私に何か用だったかな?」

 

八幡「あぁ。実はこいつの武装なんだが、見てくれないか?急急如律令。」

 

 

俺は呪符を取り出して式を出した。アルディと接戦したからか、周りの《獅子派》の奴らはシオンを囲み、あっという間にもみくちゃにされていた。

 

 

「おぉ!!この子は《鳳凰星武祭》のっ!」

 

「でも小さくない?なんか可愛い!」

 

「背が高いとカッコ良かったけど、低いと可愛いわね!」

 

「むむ?この右腕の義手からいろんな武器が格納されているのか?」

 

 

ワーワーキャーキャー

 

 

………シオンが見えない。身長が低い分動けないんだろうな。

 

 

カミラ「はぁ……申し訳ない、ご覧の通り皆彼の戦い方を見てから、彼の武装に興味津々でね。いつ来るかいつ来るかと待ち望んでいた者もいるくらいだったんだ。」

 

八幡「いや、俺は別に構わないんだが……」

 

シオン「八兄……助けて………」

 

八幡「……そろそろどかしてやってくんない?あいつじゃあこの人数を振り切るの無理だから。」

 

カミラ「………了解した。」

 

 

パレートの一言でシオンを囲んでいた連中は引っ込んだが、未だにシオンを見ていた。多分だけど、《彫刻派》も興味持ちそうだよな。シオン右腕機械だし。

 

 

カミラ「さて、君の武装を見てくれとのことだったが……《鳳凰星武祭》で出した技が全てでないのは分かっている。その上で何を見て欲しいんだ?」

 

シオン「出来れば銃を煌式武装に変えたいと思っていた。俺は実銃しか扱ったことがないから興味があった。」

 

カミラ「それは分かったが、君の銃は?」

 

 

そう言われるとシオンは、義手を口径15cmの大砲型に変形したり、口径5mmのガトリング型に変形したりした。この程度では《獅子派》には技術の進歩にすらならないと思うがな。

 

 

「す、すげぇ!!」

 

「義手が銃に!?どんなカラクリなんだ!?」

 

「弾はどうやって!?それにあれだけの複雑な構造なのにどうやったらあんなにスムーズな切り替えが……」

 

 

えぇ……まさかの想像してなかった?結構ありそうだったけど?義手の方に武器をつけるとかって。

 

 

カミラ「………成る程、君の腕の仕組みはよく分からないが、2種類の銃が使えるんだね?」

 

シオン「あぁ。出来そうか?」

 

カミラ「努力はしてみる。けど、他の武装の事を考えると時間がかかりすぎるかもしれないが、それでも構わないかい?」

 

シオン「構わない、頼む。」

 

カミラ「分かった、では余程の事がない限りは君の義手製作に取り組む事にするよ。」

 

シオン「それとこれは俺の義手の設計図だ。活用してくれ。」

 

カミラ「設計図があったのか!それは助かる!」

 

 

ゾロゾロ……

 

 

設計図があるのが分かった途端、連中が食い入るようにマジマジと見ていた。そんなに珍しいかね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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