学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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設定よりも物語の方がスムーズに感じるのは僕だけでしょうか?

では、どぞ!!


目覚めと選択

八幡side

 

 

八幡「ん……」

 

俺は目が覚めると、あの夕暮れのことを思い出した。溜まりに溜まった負の感情。それがあの時、全部出て来たんだよな……俺でも分かる。あの時聴こえた声がそういうものだという事ぐらい。だが、まず俺が言いたいのは………

 

 

八幡「ここ………何処?」

 

 

俺でも分かる。ここは来たこともなければ、見たこともない。そして、何と言っても中華街風の建物の中だった。

 

え?何?俺中国まで来ちゃったの?拉致られちゃったの?このまま売り飛ばされちゃうの?

 

そう思った矢先、扉が開いて女性が入って来た。

 

 

???「おぉ、起きたのかえ?」

 

 

目の前に中華服を着た女性が立っていた。見た目からして20代だろうか。そう思ってふと気が付いた。彼女は日本語を話していた。それもかなり流暢に。

 

 

八幡「あ、えと、はい。」

 

???「随分と苦しんでいたようじゃが、大丈夫かえ?」

 

八幡「まぁ、はい。」

 

???「そうかそうか、それは良いことを聞いた。ほれ、ワカメとシソの実の和え物じゃ。少しは不安が消えるじゃろう。食べるがよい。」

 

八幡「は、はぁ、どうも。」

 

 

久しぶりな気がする、こんなに親切にされたのは。そう思いながら一口食べてみると、不思議な事に身体が軽くなった気がする。驚きながら一切手を止める事はなかった。

 

 

八幡「あの、ありがとうございます。」

 

???「礼には及ばん、当たり前の事をしただけじゃ。」

 

八幡「それで、あの……ここは何処なんですか?」

 

???「む?何故そんな事を聞く?」

 

八幡「いや、此処って中国の何処かですよね?」

 

 

俺は至極当たり前の事を聞いたと思う。だが、帰ってきた答えは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「お主も変な事を聞くのう。此処は日本じゃぞ?」

 

八幡「え?いや、でも、この建物見た感じ中華っぽかったんで……」

 

???「ふむ、それもそうか。安心せい、ここは日本の横浜にある中華街の中じゃ。中国ではない。」

 

八幡「横浜っ!?どうやって運んだんですか?」

 

???「おぶったに決まっておろう。」

 

八幡「あ、そうっすか。」

 

 

なんだか少し複雑な気分だったが、ひとまず安心した。本当に中国だったらどうしようかと思った。よし、次の疑問だ。

 

 

八幡「あの、貴方は誰なんすか?」

 

???「人の名を尋ねる前に自分からと教わらなかったか?」

 

 

あっ、それもそうだよな。

 

 

八幡「……すみません、比企谷八幡です。」

 

???「八幡か、良い名じゃのう。儂は汪小苑(ワン・シャオエン)じゃ。好きに呼ぶかよい。」

 

八幡「じ、じゃあ小苑さんと……」

 

小苑「うむ、儂も八幡と呼ぶぞ。」

 

 

こうして自己紹介も終わった事だし、そろそろ行くか。いつまでもここにいる訳にはいかない。

 

 

八幡「色々とどうも。もう大丈夫なんで、それじゃ。」

 

小苑「おい、何処に行く気じゃ。話は終わっとらんぞ。」

 

八幡「え?」

 

小苑「『え?』ではないわい。お主、何があったのじゃ?儂に話してみよ。」

 

八幡「いや、でm「話すのじゃ。そのまま抱え込んだままでは身体がいくつあっても持たんぞ。」………はい。」

 

 

妙な威圧感に抗えず、俺は最初の作文の事から修学旅行の事、今まで起こってきた事を全て話した。

 

 

小苑「そうか……お主も大変じゃったのう。」

 

八幡「……あの、嘘だとか思わないんですか?」

 

小苑「逆に聞くが、お主は儂に嘘を吐くのか?」

 

八幡「…………」

 

 

何も言わなかった。いや、言えなかった。俺の事を全て見透かしているような眼をしていた。

 

 

小苑「今のお主に嘘は吐けまい。そのような状態で嘘が吐けるとは、到底思えんからのう。」

 

八幡「は、はぁ……」

 

小苑「……お主、もうこんな生活は嫌か?」

 

八幡「……そりゃ嫌ですよ。でもどうしようもないですよ。あと2年頑張っていくしかないですよ。」

 

小苑「お主が望むなら、1つだけ方法があるぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………え?

 

 

八幡「………………え?」

 

小苑「どうじゃ?聞くか?」

 

 

俺は少し考えた後に………決めた。

 

 

八幡「聞かせてください、その方法を。」

 

小苑「うむ、良い返事じゃ。では説明するとしよう。八幡よ。お主、アスタリスクは知っておるか?」

 

八幡「アスタリスク……学戦都市アスタリスクの事ですか?」

 

小苑「そうじゃ。儂はそこの界龍第七学院の卒業生でのう、序列も上の方じゃったから、今でも割と融通が効くんじゃよ。」

 

八幡「は、はぁ……」

 

小苑「そこでじゃ、お主を儂のいた界龍第七学院に特待生として転入させてやろうという訳じゃ。どうじゃ?悪くない提案であろう。」

 

八幡「で、ですが、俺なんかが行っても意味無いんじゃ……何も出来ませんし。」

 

小苑「お主、忘れたとは言わせんぞ?儂も見ておるんじゃからな。お主の力を。」

 

八幡「…………」

 

小苑「あれだけの星辰力(プラーナ)を出しておいてよく言うわ、普通ではないのじゃぞ?あの量は。」

 

八幡「………星辰力?」

 

小苑「む?まさか知らんのか?」

 

八幡「は、はい。俺も初めて聞きました。」

 

小苑「呆れた奴じゃのう。初めてであれ程とは……まぁ良い。それで、お主はどうする?行くか?行かぬか?」

 

八幡「……………」

 

 

おそらく、俺は今選択をしろと言われたのだろう。ここに残って、暗い人生を送っていくか……アスタリスクに行き、新しい人生を歩むかさ……まぁ答えは決まっているけどな。

 

 

 

 

 

 

 

八幡「俺は………」

 

 

 

 

 




同一人物らしいですけど、この作品では別キャラとして出してます。
汪小苑の喋り方なんて分からないので、一応星露と同じにしてみました。感想待ってます。

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