学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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昨日はすみません。やっぱり無理でした。




のんびり静かな時間

 

 

八幡side

 

 

喫茶店で軽く昼食(?)を済ませ、サインや握手などのサービスを提供した後、俺たちは次の目的地を何処にするか悩んでいた。

 

実際俺たちが考えたプランは、行きたい所や買いたい物がある所にしか絞っていない為、あまり突っ込んだ所までは考えていなかった。

 

 

シルヴィア「次はどうしよっか?」

 

八幡「そうだなぁ……俺は思いつかん。和めそうな所ならあるが、どうする?」

 

シルヴィア「そんな場所があるの?東京に?」

 

八幡「あぁ。どうだ?」

 

シルヴィア「……そこってのんびり出来るのかな?」

 

八幡「あるかどうかは分からんが、多分あるんじゃないか?」

 

シルヴィア「……なら行きたいな。そこでものんびりしたい。」

 

八幡「なんかライブの時以外のんびりし過ぎてないか?」

 

シルヴィア「だって先月とか忙しかったでしょ?会見とかの影響で。八幡くんのところはどうか分からないけど、クインヴェールではTV局とかホントにうるさかったんだから。」

 

 

あぁ〜それか。確かに界龍でもメチャメチャうるさかった。その度に門番が追い返してたけど。それでも懲りない時は星露が出てたっけな。怒りのオーラが出てたからよく覚えてる。

 

え?星露が自らそんな事する奴じゃないって?簡単だ。『動いてくれないならもう飯は無しだ。』ってお願いしたら行ってくれた。お願いってやっぱ大事だよな。

 

 

八幡「確かに俺のところもうるさかったな。俺もイライラしてたからよく覚えている。雑誌とかはどうだ?」

 

シルヴィア「根も葉もない事書かれてた。『真実語らず』とか『会見後はだんまりの彼と彼女』とかって好き放題。その度にペトラさんが会社の事調べて汚職とか不正の事を調べてその会社のトップに証拠を突きつけてた。」

 

 

こ、怖ぇ……ペトラさん本気出し過ぎじゃないですかね?容赦ねぇ……

 

 

シルヴィア「あっ、これペトラさんに聞いたんだけど、これはペトラさん自身とかじゃなくて、クインヴェールの運営母体のW(ウォーレン)&(アンド)W(ウォーレン)の総意とかでやったんだって。」

 

 

………ペトラさんもクインヴェール怖過ぎね?生徒1人の為に頑張り過ぎですよ?いや、2人か?俺は含まれてるのか?

 

 

八幡「……ヤバくね?シルヴィんとこの学園。俺絶対ペトラさん怒らせるのやめよ。」

 

シルヴィア「そうした方がいいよ。ペトラさんの説教って凄く長い上に精神凄く削って来るから。八幡くんの学校は?界龍って凄いんでしょ?」

 

 

……うん、絶対敵にしない。俺の学院だったら絶対に動いてくれなさそうだな……いや、界龍だったらあり得るか?アレマさんいるからな〜。でも、どっちも怖いな。

 

 

八幡「……確かに過激さで知られてはいるが、手を貸してくれるかって聞かれたら、分からんな。戦闘沙汰なら大歓迎されるだろうが。」

 

シルヴィア「そこは否定して欲しかったよ……」

 

八幡「出来ると思うか?界龍の情報工作機関の怖さ知ってて。」

 

シルヴィア「………無理だね。」

 

 

うん、俺もそう思うから大丈夫。今に始まった事でもないから大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー六義園ーーー

 

 

シルヴィア「わぁ〜!綺麗な所だね〜!」

 

八幡「昨日の夜、東京の名所って調べてたら、たまたまこの場所を見つけてな。咄嗟に思いついたんだ。」

 

シルヴィア「ねぇ!早く見て回ろっ!ほら早く早く!」(グイッ)

 

八幡「お、おい、あんまり引っ張るなよ……」

 

シルヴィア「この時間は有限なんだから楽しまないとっ!」

 

 

シルヴィは俺の手を引っ張って奥へと進んで行く。のんびりしたいって言ってた奴が何はしゃいでんだか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「あっ、ベンチあった。八幡くん、ここに座ろっ!」

 

八幡「あぁ。」

 

 

俺たちは大きい池が正面に見える腰掛け椅子を見つけてそこに座った。上を見ると、緑や黄色、橙に紅くなったばかりの紅葉が沢山あった。

 

 

シルヴィア「……此処ならのんびり出来るね。」

 

八幡「満足してくれたか?」

 

シルヴィア「うん、勿論♪」

 

 

シルヴィは嬉しそうにそう言うと、俺の腕に抱き着き手を握ってきた。

 

 

八幡「……それも良いが、今は俺からのサービスをしてやる。」

 

シルヴィア「え?……あっ///」

 

 

俺は抱き着かれている左腕を外してシルヴィの肩の方まで伸ばしてから、自身の方まで引き寄せた。

 

 

八幡「こっちはどうだ?」

 

シルヴィア「……うん、こっちの方が君を感じていられる。」

 

八幡「なら良かった。」

 

 

ゆっくり出来るのは今くらいだからな。これからはお互いに忙しくなる。会えなくなるわけじゃないが、こういう時間は冬休みまでは無いだろう。

 

 

シルヴィア「ねぇ八幡くん、寝てもいいかな?」

 

八幡「……あぁ、いいぞ。先月は俺がした会見で迷惑掛けたからな。これくらいはしないとな。」

 

シルヴィア「そんな事気にしなくていいのに。でもありがとう。少し寝るね……おやすみ。」

 

 

そしてシルヴィは俺の肩に頭を預けてすぐに寝てしまった。

 

 

八幡「3時になったら起こすか。それまでは寝かしといてやるか。」

 

 

俺はシルヴィの額に口づけをしてから、六義園の風景を静かに眺めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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