学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今日から12月ですね!一年も後一月です。




甘いお菓子と甘い2人

 

 

八幡side

 

 

席に着いてから俺たちは、談笑し合ったり互いのスイーツを交換したりして、その場で出来るコミュニケーションと親睦(と書いて愛情)を深め合っている。この際周りにいる他の客は気にしないことにしようと思っている。

 

20〜30〜40代の主婦やらの人たちからの視線は物凄く期待の篭った眼差しが俺たちに向けられていて、50〜60代のマダム方からは、さも微笑ましいものを見ているかのような視線だった。

 

どっちもどっちだが、それは店員さんもである。あの店員、俺たちが席に座ってのんびりした頃、奥の方で事務作業をしていたのか分からんが、店長を連れてきやがった。今はまだ何もないが、多分店出る頃には何か言われるだろうな。

 

 

シルヴィア「八幡くん?どうかした?」

 

八幡「ん?あぁ、いや、何でもない。シルヴィ、良かったらもう一回ショコラ食べるか?」

 

シルヴィア「良いの!?やったぁ♪もう一回食べたかったんだ〜!」

 

八幡「どの部分がいい?やっぱチョコクリームが多いところか?」

 

シルヴィア「そうだね。八幡くんがいいなら。」

 

八幡「分かった。」

 

 

この部分ならクリームも多く入ってるから大丈夫だな。俺も後でアンヂェラス一口貰うか。

 

 

シルヴィア「あ〜ん♪」

 

八幡「あーん。」

 

 

チョンッ

 

 

俺はシルヴィの鼻先にクリームが付いてる部分を少しだけつけた。

 

 

シルヴィア「あぁ〜!八幡くんイタズラした〜!」

 

八幡「すまん。なんかやりたくなってつい、な。」

 

シルヴィア「むぅ〜!」(プク〜)

 

八幡「そう怒るなよ。次はちゃんと食べさせるから。」

 

シルヴィア「………それだけ?」

 

 

うぅむ……どうやらこのお嬢様はもっと上のものをご所望らしい。

 

 

八幡「……許してくれるなら、俺からの頭ナデナデと抱き締める。帰ってからの一緒に寝るのと、無期限で甘えていい権限を与えよう。」

 

シルヴィア「うむ!許す!良きに計らえ!」

 

八幡「ありがたき幸せ〜。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「……ぷっ」

 

八幡「………ふっ」

 

2人「あはははっ!」

 

 

こんな何でもないやり取りでも愛おしく感じる。たったこれだけの事でも笑う事が出来る。こんな下らない事が幸せに思える。

 

 

シルヴィア「ふふふ……あぁ〜笑った。じゃあ八幡くん、今の条件で許してあげる。だから今はこのデートを楽しみましょう♪」

 

八幡「了解です、お嬢様。」

 

 

シルヴィは鼻についてるクリームを指で取った後に舐めて、俺の方を向いて改めて『あ〜ん』と言いながら口を開けた。

 

 

シルヴィア「……ねぇ、隣に行ってもいい?」

 

八幡「別に構わんが、どうした?」

 

シルヴィア「寄り掛かりたくなっちゃった♪」

 

八幡「そんな事か……いつでもしてやるよ。ほら、来いよ。」

 

シルヴィア「うん。」

 

 

俺は廊下側に座っていたから隣の壁側にズレて、シルヴィを座らせた。シルヴィは座った後、すぐに俺の肩に頭を乗せて楽な態勢を取っていた。

 

 

シルヴィア「……やっぱり安心感が違うなぁ。君が正面にいるのと隣にいるのとではまるで違う。触れられる距離にいる隣の方が凄く安心できるよ。」

 

八幡「……そうだな、それは俺も一緒だ。シルヴィと一緒にいるだけで安心できる。こうしてくっついてると尚更な。」

 

シルヴィア「えへへ♪」

 

 

こうしてのんびりするのも良いがシルヴィ、まだスイーツ残ってるぞ。

 

 

八幡「シルヴィ、スイーツどうすんだ?」

 

シルヴィア「………あ〜ん♡」

 

八幡「可愛い声出しながら言いやがって……この嬢さんは全く。」

 

 

そう言いながらも俺は、シルヴィの座っていたところの前にあった菓子の乗ってる容器を俺の方までもってきて、ちょうどいい大きさに切り分けてからシルヴィの口へと持っていった。

 

 

八幡「ほい、あーん。」

 

シルヴィア「あ〜ん♪」

 

 

もう何なのこの可愛い生物。口モキュモキュさせて可愛過ぎんだろ。

 

 

八幡「シルヴィ、眠いのか?」

 

シルヴィア「そういうわけじゃないよ。ただこうしてたいの。ダメかな?」

 

八幡「ンなわけないだろ。好きなだけこうしてればいい。時間の許す限りはな。」

 

シルヴィア「……ありがとう、八幡くん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『良いわねぇあの子も。彼氏くんの肩なんて貸してもらっちゃって。』

 

『そうねぇ。しかも2人ともあんなに幸せそう。新婚さんかしら?』

 

『でもまだ学生じゃないかしら?』

 

 

………どうやらこの人たちは俺たちの事を知らないらしい。多分日頃から忙しいんだろう。

 

 

『おやおや、お嬢ちゃんったらあんなに甘えちゃって可愛いねぇ。』

 

『彼も紳士的だねぇ。お嬢ちゃんの意見を通してあげるなんて。』

 

『最近の夫婦は進んでるのねぇ。』

 

『そうねぇ。』

 

 

………俺たちの行動ってそんなに夫婦っぽさが出てるのか?

 

 

ーーー20分後ーーー

 

 

時間を掛けてスイーツを食べて、シルヴィも充分にリラックス出来たところで、そろそろお暇する事にした。

 

 

シルヴィア「美味しかったね♪」

 

八幡「あぁ、またこっち(日本)に来れたら、此処に来るか。」

 

シルヴィア「賛成〜♪」

 

 

よし、デートの続k「あの、少しお時間を取らせて頂いてもよろしいでしょうか?」……ん?

 

 

シルヴィア「何でしょう?」

 

店長「すみません、突然お呼びしてしまって。私、当店の店長をしている者です。よろしければお願いがあるのですが、お話してもいいでしょうか?」

 

八幡「いいですよ。な?シルヴィ。」

 

シルヴィア「勿論。」

 

店長「ありがとうございます。簡単な事なのですが……こちらの色紙にお二人のサインをお願いしたいのです。後、よろしければ写真の方も撮らせて頂けたら幸いなのですが……どうでしょう?」

 

 

シルヴィア「私は構いませんよ。八幡くんは?」

 

八幡「俺も構わない。協力しましょう。」

 

店長「おぉ!ありがとうございます!では早速お願いします!」

 

 

その後、色紙にサインをした後に写真を何枚か撮って終わったと思ったが、俺たちが六花の有名人だと知った途端にさっきまでお茶をしていた若い女性3人組もサインと握手をねだってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




良い時間を過ごせた2人でしたね。

ここで少し明日の投稿についてです。
明日は朝から夜まで仕事の為、投稿の方をお休みしてしまうかもしれません。夜は9時半迄なのですが、あまり出来は良くないと思うので、今の内にと思ってお知らせしておこうと思いました。

余裕があれば投稿しますが、あまり期待はしないでください。

今回もご拝読、ありがとうございました!


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