学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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ごめんなさい、昨日も書いてたんですけど、寝落ちしてしまいました。




惚気と勧誘と脱出大作戦

 

八幡side

 

 

会見が終了した後、俺たちはすぐ帰る予定だったのだが、その予定は変更せざるを得ない状況になってしまった。

 

その理由は、シルヴィが俺の身体に抱き着いて離してくれないからだ。しかもその顔は真っ赤になっていて、目も潤んでいた。

 

俺ってそんなに悪い事したか?

 

 

八幡「………シルヴィ、そろそろ離してくれないか?」

 

シルヴィア「………//////////」(ウルウル)

 

ペトラ「仕方ないわよ八幡くん。貴方があんな事を言うんだもの。シルヴィアがこうなるのも無理ないわ。」

 

八幡「そんなに悪い事言いました?」

 

ペトラ「逆よ逆、嬉し過ぎるのよ。私からしてみれば、今のシルヴィアが凄く可愛く見えるもの。」

 

 

えぇ〜そこまで?

 

 

八幡「………ペトラさんの言ってる事って本当か?」

 

シルヴィア「………//////////」(コクッ)

 

ペトラ「当たり前じゃない。交際の事だけじゃなく、結婚の事も話すんだから。私もシルヴィアから相談は受けていたけど、貴方もここまで本気だとは思わなかったわ。」

 

八幡「まぁ、今までの経験上、真に信じられる人は1人もいませんでしたから。今ではシルヴィを1番に信じてます。」

 

シルヴィア「〜〜っ!!/////」(ギューーッ!)

 

 

するとシルヴィが抱き締める強さを強めた。

 

 

シルヴィア「……八幡くん、それ以上は止めて/////」

 

八幡「ん?何をだ?」

 

シルヴィア「い、いいから止めて!私もう耐えられないよ!/////」

 

 

?本当に何の事だ?

 

 

ペトラ「ふふふ、若いわねぇ。」

 

 

ーーー30分後ーーー

 

 

シルヴィも大分落ち着いてきた。それでも腕にはしがみついてるが。

 

 

ペトラ「シルヴィア、そろそろ出るわよ?」

 

シルヴィア「う、うん///」

 

八幡「もうこのまま行きます?下手に行動隠すのも意味無いですし。」

 

シルヴィア「そ、それはダメッ!恥ずかしいから……/////」

 

ペトラ「なら早く八幡くんから離れなさい?貴方たちの家に帰ったら、幾らでも抱き着いたらいいじゃない。」

 

 

ペトラさん、それ逆効果です。

 

 

シルヴィア「うぅ〜……//////」

 

ペトラ「はぁ……本当に凄いわね。この子の貴方に対する惚れ込みようは。こんな風になる事なんて今まで一度も無かったのに。」

 

八幡「まぁ、俺も人を、というより異性を好きになるって感情が出来たのは去年の王竜星武祭でしたから。」

 

ペトラ「好きになった時は違えど、愛は同じくらい深いってわけね。ご馳走様、もうお腹いっぱいよ。」

 

 

別にそんなつもりはないんですが……

 

 

ーーー10分後ーーー

 

 

シルヴィア「ご、ごめん八幡くん、もう大丈夫。だけど、さっきの事あんまりとか言わないでね?」

 

八幡「さっきの事?結婚の事とかか?」

 

シルヴィア「う、うん…///」

 

八幡「そんなおいそれと他人にぶちまけるような事しねぇよ。」

 

シルヴィア「あ、ありかとう///」

 

ペトラ「シルヴィア、準備が出来たのはいいけど、その乙女な顔を早く何とかしなさい。その顔で出るつもり?」

 

シルヴィア「そういう事も言わないでください!したくてしてる訳じゃないんですから!///」

 

 

ーーーTV局入口前ーーー

 

 

ペトラ「……大勢いるわね。マスコミだけでなく一般人もいるわね。」

 

シルヴィア「うぅ〜ごめんなさい……」

 

八幡「いや、シルヴィは悪くないだろう。悪いのは上手い餌に集る蝿みたいな奴らが悪い。」

 

ペトラ「八幡くん、随分容赦のない事言うのね。」

 

シルヴィア「でも、ペトラさんも鳳凰星武祭のVIPルームで、同じような事言ってましたよ?」

 

ペトラ「そうだったかしら?まぁ言っていたとしても訂正はしないわ。本当の事だもの。」

 

 

うわぁ、容赦ねぇな。庇護するつもりはないけど。

 

 

???「どうも。先程の会見、お疲れ様でした。」

 

ペトラ「?………貴方は確か……○○社の人ね?」

 

○○社「はい。こうして会うのは2度目ですが、挨拶をしていなかったので改めて。」

 

ペトラ「そう。シルヴィアから聞いてるわ。その時私もいたけど、貴方は私情の込めた質問をしないのね?」

 

○○社「私はあくまでも中立的な立場でいたいので。それに、私情な質問は必ず返答してくるとは思えませんし。何よりも、質疑応答して下さっている方々に失礼ですので。前回、今回の△△社さんが良い例ですね。」

 

ペトラ「……成る程。確かに貴方はどの立場の人でも中立な事が出来そうな人ね。何よりも人柄にも好感が持てるわ。あの会見の場で結婚の事を聞くだけの度胸もある。」

 

○○社「恐縮です。」

 

シルヴィア「それに愛想も良いから、質問される私からしても悪い気分にはならないし、礼儀も凄く良い人なんだよ!」

 

ペトラ「そうみたいね。シルヴィアの言っていた事も本当みたいだし、そうしようかしら。」

 

○○社「……と、言いますと?」

 

ペトラ「この子と八幡くんから聞いて、少し考えていたのだけど、貴方、私の事務所の専属記者になる気はかしら?」

 

○○社「せ、専属ですか!?」

 

ペトラ「えぇ。○○社ではなくて、○○社の『貴方』を推薦しているわ。2度目の取材でも態度を変えなかった貴方には私でも好感を持てるわ。それに、シルヴィアからも強く推されているみたいだし。どうかしら?」

 

○○社「私個人としては喜んで受諾しますが、1人では決め兼ねますので、社の方で相談を受けてから後日改めてご連絡させて頂いてもよろしいでしょうか?」

 

ペトラ「えぇ、それでいいわ。でも、覚えておいて。私はあくまでも貴方に専属になって欲しいわけで、それ以外は望んでいないわ。そこをちゃんと説明して頂戴ね。」

 

○○社「はい!貴重なお話ありがとうございました!このお話、前向きに検討させて頂きます。本日はお疲れ様でした。」

 

 

そして○○社は出口とは反対側の方に走って行った。

 

 

八幡「どうでした?」

 

ペトラ「中々良い人材ね。貴方からも聞いておいて良かったわ。」

 

シルヴィア「あの人が専属なら、私も安心出来るかな。」

 

八幡「専属になれるといいな。さて、話を戻すが、正面から行きます?」

 

ペトラ「嫌だけどそれしかないわ。」

 

八幡「それなら俺に1つ方法があるのですが、どうします?」

 

シルヴィア「八幡くん、それって?」

 

八幡「簡単だ。それはーーー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「俺たちが見えなければいいんだ。」

 

2人「………え?」

 

ペトラ「八幡くん?貴方何を言ってるの?」

 

シルヴィア「そうだよ。そんな事出来ないよ。」

 

八幡「ペトラさんは仕方ないとしても、俺はシルヴィにはやった事あるぞ?明鏡止水って技。」

 

シルヴィア「明鏡止水………あっ!!もしかしてあれ!?」

 

八幡「あぁ。」

 

ペトラ「……何の事かしら?」

 

シルヴィア「鳳凰星武祭の時にVIPルームに入る直前、ちょっとだけ八幡くんに抱き締めてもらいまして……///」(テレテレ)

 

八幡「人前でするのもアレですから、俺が明鏡止水で姿を見えなくさせたんですよ。まぁ、どっちみち人前ですけど。」

 

ペトラ「つまり貴方のその技を使えば、辺りの人は私たちが見えなくなるってことかしら?」

 

八幡「そんな感じです。」

 

シルヴィア「でもどうするの?私たちが見えなくなったとしても、自動ドアがいきなり開くのは不自然だよ。」

 

八幡「そこはこうすればいい。」

 

 

俺は影から自分の分身を作り出し、TV局内の1人に化けた。

 

 

2人「おぉ!」

 

 

八幡「これならバレずにいけるでしょう。んじゃ、車までの道はお前が先頭な。」

 

八幡(分身)「おう、任しとけ。」

 

八幡「口調口調。」

 

八幡(分身)「おっと、分かりました。」

 

 

そして俺たちは明鏡止水で姿を消して、分身についていった。

 

 

「まだか?シルヴィアと【夢幻月影】は?」

 

「もう1時間経つぞ?取材は終わったんじゃないのか?」

 

「もしかして、裏の出口から出て行ったのか?」

 

「馬鹿言うな。此処は2つしか出口が無いんだぞ?そうなったら間違いなくあっち側から出て行ってる筈だ。」

 

 

………すいません。もう目の前にいます。

 

 

そして俺たちは何事も無かったかのように車に乗り込み、TV局を去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

脱出成功!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ーーーおまけーーー


「すみません。あの3人はまだ出てこないんですか?もう1時間経ってますけど?」

「はい?あの3人ならもうお帰りになりましたよ?」

「「「「え?」」」」

「え?」





記者全員「「「え?」」」


とまぁ、八幡たちが去った後はこんな風になりました。

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