皆様、いつもいつもありがとうございます!
シルヴィアside
はぁ……さっきは恥ずかしい思いしちゃったなー。店内であんな大声で叫んじゃったし、しかも彼には……かか、可愛いなんて言われちゃったし……言われ慣れてる筈なのに、どうしてだろう?
八幡「……大丈夫か?落ち着けたならいいんだが……」
でも、やっぱり根は優しいみたい。みんな彼のこの眼に騙されてるんだろうね。
八幡「その、悪かったな。お前は有名みたいだが、最近とかはテレビとかあんま見てなくてな。」
シルヴィア「ううん、気にしないで。」
八幡「良い店教えてくれてありがとな。じゃあ俺はまだ用事があるから、此処でお別れだ。」
シルヴィア「その用事って?」
八幡「洗面用具とボディソープ買おうと思っててな。あるにはあったが、もう空になりそうだったんだ。」
シルヴィア「へぇ〜そうだったんだ。なんかゴメンね?邪魔しちゃったみたいで。」
八幡「別にお前が謝る事じゃないだろ。それに、あれは俺が目障りだからやったまでだ。お前の為じゃねーよ。」
シルヴィア「素直じゃないなー。別に恥ずかしがらなくてもいいのに。」
八幡「べ、別にそんなんじゃねーよ。」
あ、噛んだっ!ふふっ、かぁ〜わい〜♪なんか意外とからかい甲斐があるなぁ。
シルヴィア「じゃあ、その洗面用具の買い物も手伝ってあげるよ。」
八幡「は?普通にいやだけど。」
シルヴィア「即答なんてひどいなー。いいじゃない別にー。」
八幡「さっきのでもう十分だ。」
シルヴィア「むぅ〜分かった。じゃあ、勝手について行くからね。」
八幡「ついて行くって、お前なぁ……」
シルヴィア「後、そのお前って呼ぶのやめてよ。私の事はシルヴィって呼んで。」ジトォ-
八幡「……なんであだ名?」
シルヴィア「親しい人にはそう呼ばれてるからね。いい?」
八幡「いや、別にリューネハイムでも良くねぇか?今日初めて会ったのにあだ名呼びとか……」
シルヴィア「親しくなるのに初対面も何もないでしょ?私も八幡くんって呼んでるんだから。これから私のことはシルヴィって呼んで!」ニコニコ
八幡「……まぁそのう「シルヴィ。」ち………」
八幡「……リューネハ「シルヴィ。」」
八幡(どうしても呼ばせるつもりか?コイ「シルヴィッテイッテルヨネ?」……心の中まで読まないでほしい。それより今、メチャメチャ声低くかった上に目が笑ってない……怖いんだけど。)
八幡「分かったよ……シ、シルヴィ。」
シルヴィア「よろしい!それじゃ、行こっか!八幡くんっ!」
よーし!仕返ししてやるぞー。今度は私のターンなんだから♪
ーーー店内ーーー
シルヴィア「八幡くんって普段はどういうの使うの?体質とか何かある?」
八幡「体質は特に何もねぇな。それに特にこれというものもないし、家にあるのを使ってただけだから分からんな。」
シルヴィア「うーん、それじゃ分からないなー。じゃあせめて、こういう香りが良いとかない?」
八幡「そうだな……まぁ、柑橘系だな。でも、あんまり高いのは無しだぞ。」
シルヴィア「はーい………それじゃ、これはどうかな?私も前まで使ってたんだー。」
八幡「ここサンプルとかはないのか?」キョロキョロ
シルヴィア「あるけど、シャンプーとかが多いかな。ボディーソープはあんまり見た事ないかな。」
八幡「そうなのか。じゃあ、これにするわ。」
決めるの早いなぁ……もっと何かないのかなぁ?これじゃからかえないよぉ〜………
シルヴィア「口を挟んで悪いけど、そんなに簡単に決めちゃっていいの?」
八幡「今は金がねぇからな。あんま贅沢できねぇんだよ。」
シルヴィア「そうなんだ……あっ、じゃあさ、シャンプーは私が買ってもいいかな?ほら、今はあってもそんなに量ないんでしょ?だったら、今買っておいてストックしておけばいいんじゃない?」
八幡「俺としてはありがたいが、いいのか?そんな事してもらって。」
シルヴィア「いいのいいの!私がしたいんだから!」
八幡「……ありがとな。」
シルヴィア「どういたしまして♪次はシャンプーを選ぶけど、何かリクエストある?」
八幡「同じ柑橘系でいい。」
シルヴィア「八幡くんって香りとか気にしないタイプなの?」
八幡「いや、そういう訳じゃないが、一々悩んでもしょうがねぇからな。それなら同じ匂いで統一しても構わないと思ってな。」
あっ!閃いちゃった! よーし!これならいけるっ!
シルヴィア「じゃあさ、私の今使ってるのはどう?ちょっと嗅いでみてよ。」
八幡「……え?サンプルはないのか?」
シルヴィア「あるけど、使用者の直接嗅いだ方が信憑性が沸くんじゃないかな?」
まぁ、嘘だけどね♪
八幡「そ、そういうもんなのか?でも、直接匂い嗅ぐのは結構抵抗あるんだが……」
シルヴィア「そんなのいいから!男は度胸だぞ!すぐやれば済むんだから!」
八幡「……わ、分かった。じゃあ、失礼して嗅がせてもらうぞ?」
シルヴィア「はーい、どうぞー。」
ふふふっ。さーて、彼がどんな反応するのか楽しみだなぁ。
…………スッ(肩に手をやる)
お、中々大胆だね〜。
八幡「じゃ、じゃあいくぞ?」
シルヴィア「うん、いいよ。」グイッ
おっと、どうする気かな?
八幡「………」スゥ……
シルヴィア「!」ビクッ
八幡「お、おい、大丈夫か?」
シルヴィア「う、うん!大丈夫だよ!?つ、続けて!」
八幡「お、おう。」スゥ……
ううぅ!!八幡くん大胆すぎるよぉ〜。これじゃ抱き寄せてるようにしか見えないよぉ〜/////
も、もしかして分かっててやってるのかな?何にしても、またやられちゃったよ〜/////
シルヴィア「うぅ……/////八幡くん、まだ終わりそうにない?」チラ…
八幡「あ、あぁ悪い。ちょっと長引かせちまったな。顔赤いが大丈夫か?」
シルヴィア「……
八幡(いや大丈夫じゃねえだろ、呂律回ってねぇぞ。でも、メッチャ良い匂いだった。ずっと嗅いでいたいくらいだった。」
ななな、なんて事を平気な顔で言うのさ!!?そんな事言われたら顔なんて見られないよぉ!!/////
シルヴィア「………そ、それじゃあ、この香りにするの?」
八幡「あ、あぁ………気に入った。」
シルヴィア「……じゃあ、早く買って早く出よう。」
八幡「お、おう。そうだな。」
八幡(なんかスゲェ不機嫌になってないか?顔も赤ぇし何よりこっちを見てくれない。ま、まぁ流石に嫌だよな、こんな奴に髪の匂い嗅がれるなんて………あれ、さっきから目の前が滲んで見えるのは気のせいか?)
男店員「いらっしゃい、お嬢さん。いつもありがとね。でも、店内でああいうのはちょっと控えてくれないかな?彼氏に勧めたいのは分かるけど、他のお客さんもいるから、ね?」
シルヴィア「〜!!/////」コクッ
男店員「彼氏くんも、そこはよろしくね?」
八幡「え、あ、はい。」
八幡(『はい。』じゃねぇよ、彼氏でもねぇよ。なんなら今日会ったばかりだよ!)
ーーー店舗前ーーー
八幡「そ、その、悪かった。ちょっと夢中になり過ぎた。」
シルヴィア「………」コクッ
八幡(参ったな……さっきから首を縦横に振るだけで、何も喋ってくれねぇ。これはいよいよどうすりゃいいか分からん。)
八幡「なぁ、一回なんでも言う事聞いてやるから許してくれねぇか?」
シルヴィア「………なんでも?」ピクッ
八幡「お、おう!なんでもだ!」
八幡(この際、もう玉砕覚悟だ!なんでも来やがれってんだ!)
シルヴィア「……じゃあ、近いうちにまたデートして。それなら許してあげる。」
八幡「……え?デート?」
シルヴィア「うん、デート。」
八幡「き、今日のも……デ、デートなのか?」
シルヴィア「うん。」
八幡「お、おう、そうか。じゃあ今度また出かけるか。」
シルヴィア「お出かけじゃないよ。【デート】なんだからね。」
八幡(やたらとデートを強調してくるな。)
八幡「わ、分かった。」
シルヴィア「そ、それじゃこれ、私のアドレス!いつでも連絡して!」
シルヴィア「約束…だからね?///」ウワメヅカイ
八幡「!お、おう……///」
………………………………
シルヴィア「そ、それじゃあまたね!私の名前の事は誰にも言わないでね〜!」
タッタッタッ
八幡「………行っちまったな。」
ーーークインヴェール女学園校門前ーーー
シルヴィア「はぁ……はぁ……はぁ〜疲れた。」
こんなに走ったのはいつ振りだろう。でも悪い感じではない。むしろ良い気分だった。
でもなんだか今までにない感情だった。心臓の鼓動が早い上に身体中熱い。走ったからかな?身体も自分の思う以上に動いてた気がする。
シルヴィア「………」
彼がいたから?一緒に行動していたから?
……ううん、そんな訳ない。だって彼とは今日初めてあったんだから、そんな運命的なことなんてあるわけないよ。
でも、もしかしたら…………
シルヴィア「………また、会いたいな。」
???「誰に会いたいのかしら?」
シルヴィア「っ!?」
???「貴方が周りに気を配らないなんて珍しいわね。何かあった?」
シルヴィア「………ペトラさん。」
ペトラ・キヴィレフト。クインヴェールの理事長であり、私やルサールカのプロデューサー。
ペトラ「息抜きしてくるって行ったきり、4時間も連絡はないし、どうかしたの?」
シルヴィア「い、いえ、別になんでもありません。」
ペトラ「何でもない子が、そんな乙女な顔するわけないでしょ。」
シルヴィア「え!?///」
ペトラ「はぁ、良い男でも見つけたの?貴女がそんな風に緩んだ顔をするなんて驚いたわ………それよりも、しっかりしなさい。もう《
シルヴィア「………うん、分かってる。」
八幡くん、今度はいつ会えるか分からないけど、電話くらいちょうだいね?私はいつでも待ってるからね。
シルヴィアがチョロくなってる!?