良い服あるかな?
オーフェリアside
………ユリスと連絡をしてから私も商業エリアの噴水近くまで来た。商業エリアは星導館寄りだから、きっともういるわね。
………っ!あの髪飾りがついたピンク色の髪、ユリスね。それに……やっぱりおシャレな服を着てるわね。あんな服を着こなせるなんて羨ましいわ。これ以上待たせるのも悪いから、早く行きましょうか。
オーフェリア「………お待たせユリス。それと、久しぶりね。」
ユリス「っ!!……オーフェリア。」
やっぱりこの反応よね。なんとなく予想は出来てたわ。
ユリス「……オーフェリア、本当に身体は平気なのか?辛くないのか?」
オーフェリア「………大丈夫よ。もう半年くらいはこの状態だから。問題なく過ごせてるし、寮に花も置いてるわ。」
ユリス「……そうか……良かった、本当に良かった。」
オーフェリア「………やめて頂戴。私は別に泣かせにきたわけじゃないのよ?」
ユリス「わ、分かっている!」
………やっぱりユリスは真面目なのね。私は一応冗談のつもりだったのだけど。
ユリス「んんっ!よしっ!行くぞオーフェリア!やるからには全力で取りかからねば!」
オーフェリア「………全力?服装選びはそんなに大変な事なのかしら?」
ユリス「女にとっては髪と同じくらい大事だと思うぞ?服装だけでもイメージは違ってくるからな。」
………初めて知ったわ。
オーフェリア「………今の私の服装だと、絶対に良い風には見なれそうにはないわね。」
ユリス「まぁレヴォルフの制服だからな。殆どの連中は良い顔をしないだろうな。」
オーフェリア「………なら、ユリス。服装選び、手伝ってもらえるかしら?」
ユリス「このくらいお安い御用だ!」
ーーー洋服店ーーー
オーフェリア「………因みに聞きたいのだけど、ユリスから見て私はどんな色の服が似合うと思うかしら?」
ユリス「ふむ、そうだな……まずは白、黒は似合うだろうな。髪の色と見比べても相性は良さそうだからな。後は……青系統も似合いそうだな。水色は少し違うかもしれないが、普通の青から濃い青は似合うと思うぞ。後はお前のイメージカラーの紫だな。」
………色々あるのね。
ユリス「そうだな……まずはこれとこれを着てみたらどうだ?無難な感じだと思うが。」
オーフェリア「………分かったわ。」
その後も色々と試したのだけど、結局ユリスがアレンジしたのを試着してみたのだけど、どうも印象とイメージが噛み合わず、1時間近く洋服とにらめっこをしている状態が続いているわ。
ユリス「むむぅ〜どうしたものか……」
オーフェリア「………中々難しいのね、服装選びというのは。」
………難しく考えるから上手くいかないのかしら?もう少し単純に考えて、手に取ったものてこれっというものを試してみようかしら?
ーーー数分後ーーー
ユリス「すまないオーフェリア、私の方にはめぼしいものはなかった。そっちはどうだ?」
オーフェリア「………取り敢えず良いと思えたのを見つけて来たわ。だからこれを着てみるわ。」
でもこんな格好、私に似合うかしら?
まぁいいわ。まずは着てみましょう。
オーフェリア「………お待たせユリス。こんな感じだけど、どうかしら?」
ユリス「……………」
………ユリスは私から目を離さないまま、固まっているわ。そんなに変かしら?
………私が選んできたのは、上下セットの服。上の方は黒主体のポロシャツに袖を通すところが白生地になっていて襟部分には赤主体の黒と緑のチェック柄、下はスカートでこれも襟部分と同じ色のチェック柄で、黒のニーソックスを履いた感じになっているわ。全体的に黒ね。
ユリス「………」
オーフェリア「………ユリス、そろそろ感想を言ってもらえると嬉しいのだけど……」
ユリス「………オーフェリア、何故私に服装の相談をしたのだ?」
オーフェリア「………え?」
ユリス「これでは私が来た意味がないではないか!?むしろ何故呼んだのだ!?」
オーフェリア「………その……つまり、どういう事かしら?似合っているのかしら?」
ユリス「私が着ている服よりも遥かに似合ってるではないか!」
………比較がよく分からないのだけど、取り敢えずは合格点のようね。
ユリス「それにしろ!いや、それにするしかないと思え!」
オーフェリア「………わ、分かったわ。」
………キャラがブレているわ。
………そして何故か分からないけど、服を脱ごうとした時に店員に止められて、そのまま写真を撮らされたわ。
………何に使うのかしら?
ーーー商業エリア・噴水付近ーーー
オーフェリア「………ユリス、今日は助かったわ。ありがとう。」
ユリス「気にするな。しかし、お前がここまでする程なのか?その恩人とやらは?」
オーフェリア「………えぇ。私にとって彼は必要不可欠な存在なの。この人生を歩んで行く上で。」
勿論【戦律の魔女】から奪うつもりは無いわ。八幡が彼女に絶対的な信頼を託しているのは、私でも分かるから。
ユリス「そうか……私も会ってみたいものだな。」
オーフェリア「………案外会っていたかもしれないわよ?貴女が気づいていないだけで。」
ユリス「そうかもな。オーフェリア、服は揃えたが他は大丈夫か?バッグとかなら貸すが……どうする?」
オーフェリア「………大丈夫よ。そのくらいなら持ってるから。」
ユリス「そうか。じゃあ明日は楽しんでこい。では、またな!」
………そう言ってユリスは行ってしまったけど、私の心は満足感で満ちていた。
ーーーオーフェリアの寮室ーーー
………私は改めて今日買った服を寮で着てみた。改めて見ると、これまでの人生でこういう格好に無縁だったと心からそう思えるわね。
………八幡、似合ってるって言ってくれるかしら?言ってくれたら嬉しいわ。
オーフェリアの買った服装についてですが、モデルはインフィニット・ストラトスのヒロイン、シャルロット・デュノアがOVA『恋に焦がれる六重奏』で着ている服にニーソックスを加えた感じです。