かなり良い感じに出来た気がします!
では、どうぞ!
八幡side
オーフェリアとの対面から少し時間が経ち、今は界龍の門の前まで来ている。目の前には門番の2人が居るが、俺が明鏡止水を使っているから見えてはいない。
ここに来てからというものの、悪戯心が出来てしまったな。まぁ、歩きながら解除していくか。
そして俺は近づくにつれて少しずつ星辰力の放出を止め、姿を現していく。
門番1「そ、尊師!!?いつの間に!?」
門番2「い、いつからそこに!?」
八幡「此処には3分くらいいた。姿を消していたし、気配も殺していたからな。星露か暁彗くらいしか気づかないだろうな。」
門番1「お、お見事でした……」
門番2「流石は尊師……」
八幡「んじゃ、俺は行くな。お前らも早く来い。そう言われてんだろ?」
ずっと此処で門番されてたら可哀想だしな。俺の良心が痛む。
門番1「は、はい!では、ご一緒させて頂きます!」
門番2「こうして尊師の横に立てるなんて夢のようです!」
………そんなに嬉しいか?
ーーー廊下ーーー
門番2「そういえば尊師、今更ではありますが、《鳳凰星武祭》優勝おめでとうございます!私たちも観戦していましたが、実に素晴らしい試合でした!」
八幡「あぁ、ありがとな。俺も決勝では本気を出すと決めていたからな、そうでなけりゃ、決勝まで勝ち進んで来たあの2人にも失礼だからな。」
門番1「尊師がいつも仰られている『拳のぶつけ合いは気持ちのぶつけ合い』というものですね?何だか分かる気がします。」
なんか俺って此処に来てからも厨二病っぽい発言ってあるよな。こういうの改めて聞くと恥ずい。
八幡「まぁそうだな。お互いに勝ちたいって気持ちは一緒だからな。ていうか、よく覚えてんな?言ったの大分前じゃなかったか?」
門番1「覚えているも何も、私たち尊師に教示を受けている者は、皆全て覚えていますよ?」
………マジ?
八幡「俺、そんなに良い事言ってるか?思った事を言ってるだけなんだが……」
門番2「何を言われますか!?尊師のお言葉は名言と呼ぶのも烏滸がましいくらい素晴らしいのですよ!?」
門番1「その通りです!尊師無くしてあの言葉は生まれていません!!」
それは流石にないだろ……
門番1「そうしている間に着きましたね!八天門場に。」
門番2「中には師父をはじめ、界龍全生徒がお待ちです。扉を開けるのが私たちの役目ですので、準備が出来ましたら、お願いします。」
八幡「準備なんていらねぇよ。そんなのやっても時間がなくなるだけだからな。」
門番2「……今の録音しておいたか?」
門番1「はい!バッチリです!!」
おい……まさかとは思うが、お前らそんな方法で覚えてんじゃねぇだろうな?
門番1「気を取り直して……んんっ!師父っ!!師兄方っ!!比企谷八幡尊師がご帰還なされました!!」
星露『うむっ!通すがよい!』
声出てんなぁ……
門番1「はっ!では、比企谷八幡尊師、中へお入り下さい!」
そう言って門番の2人は、無駄に大きい門を取っ手を掴んで開いた。
ワアァァァァァ!!!!!
そしてその瞬間、中から凄まじい熱気と拍手が俺を襲った。
星武祭勝っただけでこんなにお祭り騒ぎになるのか?だったらヤバイじゃん。発狂し過ぎじゃん。
星露「八幡よ、前にある席まで来て座るがよい。」
俺は此処で口を開いたらムードが台無しだと思ったため、何も言わずに前に歩き、中央にある円卓の一番奥にある空いている席に座った。
中央に居たのは俺をはじめ、陽乃さん、宋、羅、銀梅、永成、沈雲、沈華がいた。
星露「揃ったようじゃの。皆、わかっているとは思うが、ここにいる8名は、我が界龍第七学院の強さを他の学園に知らしめ、史上初の一学園準決勝独占の快挙を成し遂げた立役者たちじゃ。皆もこの者たちを見習い、これからの精進を期待しておるぞ。」
パチパチパチパチッ!!
やっぱこういう時は会長らしいというか、普段らしい威厳を持ってるよな。
星露「そして、中央の2人、雪ノ下陽乃と比企谷八幡は今回の《鳳凰星武祭》で優勝した。この2人には今宵、最高の夜を送ってやるのじゃ!」
今度は大歓声……しかも今度はオラオラ系みたいな感じでた。まぁ、俺は別にそれでもいいけど。
星露「皆の者!杯を持てい!行くぞ!鳳凰星武祭優勝、そして界龍準決勝独占の快挙に乾杯じゃ!!」
全生徒『かんぱーいっ!!!』
こうして、界龍生徒による大胆な祝勝会が開かれた。
女生徒1「尊師っ!《鳳凰星武祭優勝》おめでとうございます!」
女生徒2「私、尊師の最後の技、感動致しました!」
女生徒3「私たちもより一層の鍛錬に励みます!」
界龍は学園の規模が六花学園でも最大なだけあって生徒数も最高の人数を誇っている。だから、結構同じ事を言われる。
陽乃「あ〜あ、一応私も一緒に優勝したんだけどなぁ。まぁ尊師に比べたら見劣りはするだろうけどさ〜、もう少しは来てくれてもいいと思うんだけどなー。」
八幡「来て欲しいんですか?俺はもう疲れましたよ。」
陽乃「幸せな疲れだね!この贅沢者め!」
陽乃さん、そんな楽しそうな顔で言わんでください。実際本当にしんどいっす。
陽乃「まぁ仕方ないよねぇ〜。皆の憧れなんだから!仕方ないよねぇ〜。」
八幡「……今度からクッキーを煎餅、紅茶を緑茶にしておきますね。」
陽乃「やめて!私まだおばあちゃんじゃないからやめて!!」
別にいいだろ、合うんだし。
生徒による祝いの言葉や雑談もひと段落して食事をしながら落ち着いた頃だった。
星露「さて、皆の者。待ちに待ったこの時がやって来たぞい。」
ん?何だ?まだなんかあんのか?
星露「虎峰、頼んだぞ。」
虎峰「はい、師父。八幡、貴方に質問したい事が山程ありますが、先ずは簡単なこの質問から行きます。」
八幡「お、おう?」
虎峰「八幡……………
シルヴィア・リューネハイムさんとお付き合いしているのは本当のことなのですかぁ〜!!!!????正直に偽りなく答えて下さい!!!!」
虎峰が豹変したと言ってもいいくらいの大声で俺に質問してきた。それに続いて道場の中にいる殆どの生徒が発狂レベルで騒いでいた。まぁ当然だよな、あれだけの事を朝にして、試合後にはカメラの前で実際に言ったからな。
八幡「あぁ、事実だ。去年の《王竜星武祭》の夜に付き合った。」
今度は白ける会場。ていうか虎峰、お前に至っては固まってんじゃねぇか。そんなに意外だったのか?
虎峰「でで、出会いのきっかけは?」
八幡「それを言うつもりはない。これはシルヴィのプライバシーもある。俺がホイホイ言っていいような事じゃない。」
虎峰「…………」
おい……本当に大丈夫か?
虎峰「八幡……シルヴィアさんを不幸にしたら許しませんからね?」
八幡「んな当たり前な事言うな。今度は画面からじゃなく目の前で言ってやるよ。俺はシルヴィを愛している。あいつに手を出そうもんなら、俺が全力で叩き潰す。たとえ同じ学院の奴でもだ。俺の女に手を出すんなら、相応の覚悟しとけよ?まぁお前らならしないと思うが。」
………………………
パチパチパチパチッ!!
女生徒2「尊師〜!カッコいいです!!」
女生徒3「お幸せに〜!!」
男生徒1「尊師なら納得です!!」
なんか段々後になるにつれて結婚しましたみたいな感じになってるが、まだ結婚してないからな?
八幡「というより、俺は界龍やお前らも……その……好きだ。俺の居場所であり家族だからな。今の俺がいるのは、お前らのおかげでもある。だから………ありがとな///」
………やっぱ無理だ。こういうのは似合わん。俺じゃない。
ワアァァァァ!!!!!
女生徒1「尊師〜!!私も好きです〜!!」
女生徒2「感動しました!!本当に感動しました!!」
男生徒1「ありがとうございます!!ありがとうございます!!」
男生徒2「俺、尊師にもっと憧れました!!」
白けるかと思った場は、超がついてもおかしくないくらい大歓声になっていた。照れる奴、笑う奴、涙ぐむ奴、泣く奴と様々だったが、俺をバカにするような奴は1人もいなかった。
星露「嬉しい事を言ってくれるのう。妾たちを家族か……八幡らしいのう。」
暁彗「……………家族……一度失ったが、卿が言うならそうかもしれないな。」
冬香「八幡さんは………とんだ女泣かせですね。」
陽乃「ホントだよ。八幡くんは本当にしょうがない子だなぁ。」
セシリー「もー最高だよ八幡ー!私も八幡好きだよー!!」
虎峰「これでは質問どころではないですね。やっぱり八幡には敵いません。」
沈雲「………彼がこんな事を言うなんてね……少し気恥ずかしいよ///」
沈華「………そうね。私たちの事を家族だなんて……物好きにも程があるわよ///」
ザワザワと騒ぎ立てる騒音も、今では気持ちよく聞こえる。
照れ臭いが、全く悪い気分じゃない。
八幡「………途中で悪いが、俺は行くところがある。今の流れなら分かるだろ?邪魔はしないでくれよ?」
星露「今のお主の言葉を聞いてそんな事をする不粋な輩など此処には居らぬ!!行くがよい!!」
ありがとよ!今度特大青椒肉絲作ってやるよ!!
そして俺は道場を出て、校門前まで来て止まった。
すると横から声がした。
朱雀『旦那よぉ、俺も今まで旦那の中で視ては来たが、此処の奴らって最高に良い奴らだな!!』
索冥『そうですね。八幡様に対する憧憬、尊敬、畏敬、様々なプラスのエネルギーを感じました。邪な念は一切感じませんでした。』
八咫烏『拙僧の見た眼からも嘘偽りのない事を証言する。主人よ、この学院には主人を裏切るような者はおりませぬ。私の眼、索冥殿の感受性、朱雀殿の勘全てで保証する。』
八幡「………あぁ、そうだな。俺もそう思っているところだ。
八幡はその後、伽耶梟を呼び出し、空を飛びながらシルヴィアの家へと向かっていた。その途中で空からは八幡の顔の辺りから飛び散った透明な水が月に照らされて輝いていた。
この終わり方、ラストでやるべきでしたかね?