学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今回は少しキツめかもです。
雪乃、結衣、小町好きな方はバックした方が良いかもです。

では、どうぞ。


本当の粛清

 

 

八幡side

 

 

陽乃さんと別れて数十分くらい経っただろうか、俺は今新開発エリア南東にある廃ホテル『レイモンド』に向かってるところだ。そう、俺の目的は因縁の奴らと会うことだ。

 

始末はオーフェリアに任せたが、大元の原因の俺がケツ拭かないと後味悪いからな。オーフェリアに渡したアクセサリーはそれなりの位置も分かる仕組みになってる。それ以前にホテルの名前も由比ヶ浜から聞いてたからな、場所はすぐに分かる。

 

 

ーーーレイモンドーーー

 

 

八幡「此処だな。まだいるといいんだがな……決勝から今まで3時間は経ってる。居てくれたら手間も省けて良いんだがな。」

 

 

まぁ、贅沢は言ってらんねぇな。

 

 

八幡「居なかったら居なかったでいいけどな、行きますか。」

 

 

ーーー最下層・B5ーーー

 

 

地下こんなにあったのかよ……どんだけ人寄せるつもりだったんだここのオーナー?

 

まぁいい。それよりもあいつらもういねぇのかな?ならそれでいいんだけど……

 

 

八咫烏『主よ、この先に誰かいるようだ。数は3人……女であるな。何故か分からぬが、2人は寝ているようだが……』

 

 

………………居たんだ。そして寝てるんじゃなくて気絶してるんだと思う。

 

 

八幡『そうか、ありがとな。』

 

八咫烏『拙僧はこれくらいしか出来んからな。これでよければいつでも役に立とう。』

 

 

いや、めっちゃ役に立ちますぜ?

 

 

そして八幡は奥へと進み、目的の人物の正面で止まる。

 

 

八幡「よぉ、直で会うのは半年……いや、およそ1年ぶりか?雪ノ下。」

 

雪乃「…………比企……谷…くん?」

 

八幡「随分生気の無い顔色してんな。オーフェリアのあれは仕方ないにしろ、母親から何を言われたんだ?」

 

雪乃「……貴方の仕業だったのね……全部仕組んでたのね?」

 

八幡「あぁ、そうだ。」

 

雪乃「よくもやってくれたわね………貴方のせいで私はっ!!」

 

八幡「俺はお前のやり方を模倣したまでだ。【目には目を、歯には歯を。】それがお前のやり方だろ?」

 

八幡「それにお前の母親、マジで良い人だな。普通なら許すはずもない事を見逃してるんだからよ。その事を感謝しとけよ?会うことはないだろうが。」

 

雪乃「貴方、私を弄んでそんなに楽しいのかしら?」

 

八幡「弄ぶ?俺は本心を言ったまでだ。分かってんのか?本来ならお前は牢獄行きなんだぞ?誰のおかげでここにいられると思ってる?」

 

雪乃「………」

 

八幡「……まぁいい、話が逸れたな。それで?そこで寝てる2人はずっとそのままなのか?オーフェリアに気圧されてからずっとか?」

 

雪乃「…………えぇ。」

 

八幡「そうかい、んじゃ……」

 

 

こんな奴らに能力は使いたくねぇが、まぁ仕方ないな。

 

八幡は自身の影から影を伸ばし、由比ヶ浜と小町に向かわせた。

 

 

雪乃「何をする気!?」

 

八幡「安心しろ、殺しはしない。少し耳を引っ張るだけだ。」

 

 

だって起こすにはこれがいいだろ。女の身体を踏む訳にはいかねぇからな。

 

 

ギューーーー!

 

 

由比ヶ浜「いいいたいいたい!何!?」

 

小町「いたたたたっ!!ちょっ、誰こんな事する人は!?」

 

八幡「俺だ。」

 

2人「っ!!?」

 

 

2人揃ってすげぇアホ面だな。

 

 

由比ヶ浜「ヒッキー!!?」

 

小町「ゴミィちゃん!!?」

 

 

小町、お前はもう兄とすら呼んでくれないようだな。ま、いいけどな。

 

 

八幡「よぉ、ざっと一年ぶりだな。随分な目に合ったようだが、同情はしないぞ?」

 

 

したところで意味も無いしな。

 

 

由比ヶ浜「ヒッキー!!何で来てくれなかったし!?おかげで私たち酷い目にあったんだから!!」

 

小町「そうだよ!ゴミィちゃんが来てくれたら助かってたのに!!」

 

八幡「ふーん、そっかー。(棒読み)」

 

由比ヶ浜「何他人事みたいに言ってるのさ!?」

 

 

いや、だってどうでもいいから。

 

 

雪乃「由比ヶ浜さん、小町さん無駄よ。この男は全て知っていたのよ。それも私たちを騙して陥れる算段までつけて。」

 

八幡「心外だな。陥れた覚えはないぞ。お前らが勝手に落ちていっただけだ。」

 

由比ヶ浜「こんな時まで嘘言わないでよ!私たちをこんな目にあわせておいて!」

 

小町「少しは雪乃さんたちの気持ちも考えなよ!このゴミィちゃん!!」

 

 

 

 

 

 

………つける薬が無いとはこの事だな。なら、俺の気持ちも考えてくれるよな?

 

 

八幡「……無駄話もここまでにして本題に入るか。お前ら、俺を恨んでるって事でいいんだよな?」

 

雪乃「えぇ、そうね。今すぐ土下座して額を地面に擦り付けても許してあげるつもりはないわ。」

 

由比ヶ浜「当たり前だよ!」

 

八幡「小町は俺を恨む理由がないと思っていたんだが、お前もか?」

 

小町「どう考えてもゴミィちゃんが悪いよ!あれはやり過ぎ!あんな事されたら聞いてた私も恨みたくなるよ!小町も同じ気持ちだよ!」

 

 

………満場一致か、これなら都合も良い。

 

 

八幡「なら、俺の気持ちも考えてくれないか?雪ノ下、由比ヶ浜。」

 

八幡「由比ヶ浜、お前去年の修学旅行の時、俺に言ったよな?もっと人の気持ちを考えろって。なら理解出来るよな?俺がどんな思いであんな事したのか?ノートを見たなら分かるはずだが?」

 

由比ヶ浜「はぁ?分かるわけないじゃん。」

 

八幡「………なら教えてやるよ。戸部と海老名との依頼だが、あんなの不可能だ。絶対フラれない告白のしかた?告白の阻止?んなもん出来るか。絶対にフラれない告白なんて存在しねぇし、告白の阻止も成功したとしてもいつかはするもんだ。まぁ、海老名の依頼は俺がやったからお前に押し付けるつもりはねぇよ。だがよ、修学旅行の時お前は何をした?何をしてやれたんだ?」

 

由比ヶ浜「そ、それは……」

 

八幡「結局のところ、お前は後先考えずに依頼を受け、挙げ句の果てには気持ちを考えろ?だったら俺の気持ちも理解出来るよな?あの時、3つの依頼を全部やった時の俺の気持ちも?」

 

由比ヶ浜「う、うぅ……」(ポロポロ)

 

八幡「都合が悪くなったら泣くのか?それで状況が良くなるとでも思ってるのか?」

 

由比ヶ浜「……ご、ごめん。」(ポロポロ)

 

八幡「……今更謝んなよ、気持ち悪い。俺が悪いみたいになっちまうだろ。」

 

八幡「後1つだけ言っておくとだな、戸部と海老名は俺に謝りに来たぞ?しかもお前と違って俺を恨まずにだ。その意味が分かるか?まぁ、分からんだろうがな。」

 

小町「ちょっとゴミィちゃん!幾ら何でも言い過「黙れ、お前と話しはしてねぇんだよ。」っ!!」

 

 

前もあった気がするな、俺が饒舌になったの。だが、今はどうでもいい。

 

 

雪乃「貴方、少し言い過ぎではないのかしら?」

 

八幡「まだまだ言いたい事はあるんだが、それも言うか?」

 

雪乃「………」

 

八幡「次はお前だ雪ノ下。お前も俺に任せるって言ってくれたよな?なのになんで俺は、お前からやり方を否定されなきゃいけないんだ?」

 

雪乃「貴方があんなやり方をするとは思わなかったからよ。」

 

八幡「ならお前ならどうした?俺と同じ立場だったら?」

 

雪乃「………」

 

八幡「何も思いつかないだろうな。対極である2つの依頼、時間の無さ、そんな中でとれる普通の行動なんてねぇよ。出来るとしたら、2つの依頼のどっちか捨てるくらいしかな。」

 

八幡「やり方が嫌いだと言ったな?あの状況でやり方を選ぶ余裕があったと思うか?出来たなら俺もやってる。端的に言うとだな、テメェの考えを俺に押し付けんじゃねぇよ。お前に何が出来た?」

 

雪乃「………」

 

八幡「何もしねぇんならこんな依頼なんぞ、友達の勢いなんかで受けてんじゃねぇよ!」

 

雪乃「………」

 

八幡「俺がいなくなった後の総武の事は聞いた。酷かったらしいな。だが、そんなのはもう経験済みなんだよ。お前らが受けてきた事なんて、俺が先に受けてんだよ。それが鸚鵡返しになっただけだ。」

 

八幡「俺もお前らの今回のやり方で言いたい事がある。『お前らのやり方、嫌いだ。』『もっと俺の気持ちを考えろ。』後もう1つ、俺はお前らが大嫌いだ。反吐が出る。」

 

 

小苑さんといた時からずっと思っていた事をやっと言えた。この2人、完全に放心してるな。まぁどうでもいいが。

 

 

小町「ちょっと、幾ら何でもそれはダメだよ。2人に謝ってよ!!」

 

八幡「あ?」

 

小町「大嫌いってないよ!そんなの好きな人から言われたらああなるよ!謝ってよ!嘘だって言ってよ!」

 

八幡「あれが俺の本心だからな。訂正するつもりはない。それに、お前にも伝えたい事がある。」

 

小町「え?」

 

八幡「俺は今日この時間を以って、お前と兄妹の縁を切る!」

 

小町「………え?」

 

 

さて、そろそろ出るか。やっと終わったしな。

 

 

小町「ま、待ってよ!嘘だよね?嘘なんだよね!?」

 

八幡「嘘言ってどうする?今までの話の流れ聞いて嘘だと思えるのか?おめでたい頭をしてるな。」

 

小町「待ってよお兄ちゃん!小町はただお兄ちゃんに2人に謝って欲しかっただけだよ!お兄ちゃんを恨んでなんかないよ!」

 

八幡「そうか?俺にははっきりと『恨みたくなる、同じ気持ちだ』って聞こえたがな?お前も知ってるだろ?俺が記憶力良いって事を。」

 

小町「やだよ……待ってよ!謝るから!小町が謝るからお兄ちゃんでいてよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「お断りだ。身内よりも他人を取る奴を信用なんて出来るか。」

 

小町「そ……そん……な……」(ポロポロ)

 

八幡「お前らに言っておくが、2度と俺に関わろうなんて思うなよ?その時は俺も容赦しねぇぞ?じゃあな。」

 

 

そして八幡は3人の前から去り、『レイモンド』から出た。

 

 

ーーーレイモンド入り口前ーーー

 

 

八幡「………言う事は言った。後は奴ら次第だ。」

 

 

pi……pi……pi

 

 

pipipi…pipi

 

 

オーフェリア『………八幡。』

 

八幡「……よぉ、今から会えるか?」

 

 

やっぱ元気ねぇな。もしかしなくても俺が原因だよな。

 

 

オーフェリア『………えぇ。場所は何処?』

 

八幡「花畑でいい。お前もその方が良いだろ?」

 

オーフェリア『………えぇ。』

 

八幡「よし、じゃあ後でな。」

 

 

よし、じゃあ行きますか。

 

 

 

 

 

 

 

 





如何でしたか?

結構辻褄が合ってないところ、あるかもしれないのでそれがありましたら報告よろしくお願いします。


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