学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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案内? 前編

 

八幡side

 

 

雪ノ下さんに連れ出されて数十分後……俺達は界龍の校門前まで来て、いつの間にか学院外の案内もする事になって、出掛ける事になっていた。外まで来たのはいいんだけどよ、これからどうするつもりなんだこの人?

 

 

陽乃「よーし!それじゃ、何処から行こっか?比企谷くん何処か行きたい場所ってある?お姉さんが案内してあげよう!」

 

八幡「あの、俺来たばっかなんで、右も左も分からないんですけど……」

 

陽乃「そうだよ?だから案内するんじゃない。」

 

八幡「そんな事言われても昨日の今日ですし、この場所に何があって何が無いのかなんて俺には分かりませんよ。」

 

陽乃「うーん、それもそっか。じゃあ適当に歩きながら話してくねー。」テクテク

 

八幡「何か一気に不安になって来た………」

 

 

ノープランだったのかよ。いやまぁ雪ノ下さんは歩きながら話してくれるそうだが、それで上手く説明できるのだろうか?いや、この人の事だから説明するのは上手いとは思うが……

 

 

陽乃「じゃあ最初に六学園について教えておくね?比企谷くんの事だから何にも知らないで此処に来ちゃったんでしょ?」

 

八幡「ぐっ……事実だから何も言い返せねぇ。来るって決めたのは2週間前だったんで概要も何も知らんです。」

 

陽乃「やっぱりね~そんな事だろうと思った……コホンッ、この水上学戦都市六花(アスタリスク)、アスタリスクを漢字で書いたら六つの花と書いて六花っていうんだよ。それで分かるように六角形になっていて、その一角ずつに学校があるの。私達が所属している界龍、その他にアルルカント、レヴォルフ、クインヴェール、星導館、そしてガラードワースの5つ。この6つが合わさったのが六学園って呼ばれてるんだよ。」

 

 

ストンッと雪ノ下さんが設置されていたベンチに座ったのを倣って、俺も横に座った。それからも雪ノ下さんは図面を出しながら丁寧に話を進める。

 

 

八幡「界龍の他にもまだ学校があったんですね。」

 

陽乃「船に乗ってる時は他の場所は分かりづらいからね〜。まぁ取り敢えずは界龍の他にも同じような学校が後5つあるって事!界龍は説明を受けてるだろうしもう分かってるとは思うけど、この六学園の中で1番大きい学院ね。才能さえあれば学年や年齢問わず誰でも入学が出来る学院で、官僚主義と放任主義が混ざり合って結構混沌としてるけどね。」

 

八幡「まぁ、要するに学院といよりかは組織みたいなモンですね。」

 

陽乃「まぁね。次、アルルカント・アカデミーにいくよ。アルルカントは開発・研究が主流の学校だよ。新型煌式武装や自律式擬形体(パペット)の開発をしてるんだ。アルルカントにも界龍の水派や木派と同じ派閥みたいなのがあってね、細かい説明は省くけど、全部で5つあるんだ。獅子派(フェロヴィアス)彫刻派(ピグマリオンズ)黒夫人派(ソネット)思想派(メセトラ)超人派(テノーリオ)の5つに分けられてるんだよ。比企谷くん、テストには出ないけど覚えといてね♪」

 

八幡「覚えきれませんよ……っていうか雪ノ下さんはよくそんなのを覚えようとしましたね。俺はそんな気にはなれません。」

 

陽乃「まぁ界龍に入学する前に勉強してたからね。それからこれは一般常識レベルだから覚えておいた方が良いからね?比企谷くん、勉強は大事なんだぞ〜?」

 

八幡「………分かってますよ。」

 

陽乃「どうだかぁー?まぁいいや!次はレヴォルフね、正式名称レヴォルフ黒学院。ぶっちゃけ言うと駄校だね!六花一の不良校!」

 

八幡「………清々するくらいドストレートに言うんですね。そんなに悪いんですか?そのレヴォルフって学校は。」

 

陽乃「うん。校則は無いに等しくて、路上の決闘(デュエル)や乱闘は当たり前な挙句、素行も悪くて一般人にも当たる事もあるんだよね~。けどあそこの冒頭の十二人(ページワン)の実力は相当高いんだ。その辺りは他校の私達でも認めてるとこかなぁ。その証拠に個人戦の星武祭では断トツに勝率が高いからね~。」

 

八幡「そうなんですか……なんかすげぇ以外です、このアスタリスクにもそういう学校ってあるんスね。」

 

陽乃「完全にほぼ悪目立ちしてるような感じだけどね。」

 

 

俺がレヴォルフに行ってたら即リンチに遭ってボコボコにされそうだな。出会った人が小苑さんで転校したのが界龍でマジで良かった!!

 

 

陽乃「んー!ずっと座りながら説明するのも疲れちゃうし、少し移動しようよ。そろそろお昼時でお腹も空いてきたしね。比企谷くんもそう思わない?」

 

八幡「そうですね、少し空いてました……じゃあ雪ノ下さんのオススメの店とかってあるんスか?」

 

陽乃「うん、続きはそこに行ってから話そうよ。そのお店に着くまでは、学園の話じゃなくて街の中央区について話すからね〜。今ちょうどその街に居る事だしね。」

 

八幡「1度にそんなに覚えられるかね、俺………」

 

 

そうして俺達は再び歩き出し、雪ノ下さんが言うオススメの店へと向かった。

 

 

 

 

 

 


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