学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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鳳凰星武祭なのになんでこんな事に?


君と歩みたいから

 

八幡side

 

 

飯も食い終わるとのんびりしたくなる。“飯を食い終わったら、横になる”という言葉がある。俺も今のんびりしているが横にはなっていない。いや、正確には横になれないでいた。

 

その理由は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シルヴィア「♪〜」

 

 

隣にいる俺の恋人、シルヴィア・リューネハイムが俺の手を握り、肩に頭を乗せながら鼻唄を歌っているからだ。

 

因みに余談だが、俺は界龍で飯を食った後に伽耶梟で空を散歩しながらシルヴィの家に向かっていた。

 

 

シルヴィア「♪〜………やっぱり八幡くんといる時間は凄く幸せだな〜。」

 

八幡「それはお互い様だ。俺もシルヴィといる時間は幸せだ。」

 

シルヴィア「ふふっ、八幡くーんっ♪」ダキッ

 

 

シルヴィは嬉しい事があると、俺に抱きつく癖がついてしまった。俺的には役得だからいいんだけどな。

 

 

シルヴィア「そういえば八幡くん、星武祭のお願い事決まったの?この前はまだ決まってないって言ってたけど……」

 

八幡「まぁ一応な。今までにあったかどうかは分からんが、まぁ俺的には満足できると思う。」

 

シルヴィア「そっか。なら安心だよ。」

 

八幡「何でお前が安心するんだ?」

 

シルヴィア「だって、本当になかったらどうするのかなーって思ってたから。」

 

 

確かにどうしてたんだろうな。

 

 

シルヴィア「でも、今回の《鳳凰星武祭》は凄いね。準々決勝だけでもう界龍が殆どだし、冒頭の十二人でもないペアが残ってるからね。」

 

八幡「その点では星導館も同じだと思うが、一応元序列1位って感じだからな。注目は違ってくるか。」

 

シルヴィア「そうだよ。しかもそのペアの全員、そして界龍の生徒全員がとある男の子から指導を受けただけで急に強くなっちゃうんだからね。」

 

八幡「それ絶対俺に言ってんだろ?まぁ半年くらいやってたら伸びるもんだと思うがな。元々界龍にいる奴らはかなり素質のある奴が多いからな。」

 

 

今いる中で1番冒頭の十二人に近いのは宋で、続くのが羅、序列では少し離れてるが永成と銀梅もそれに近いレベルだからな。

 

ていうか既に13位から30位はそれに近いレベルなんだけどな。他の学園に行ったら間違いなく序列入りするだろうな。

 

 

シルヴィア「でも凄く早いよ。半年って言うけど、本当にあっという間だから。」

 

八幡「無意識に過ごしていると、いつの間にかそんな時期になっていたって感じなのかもな。俺にはよく分からんな。」

 

シルヴィア「あはは、八幡くんって教師に向いてるかもね。」

 

八幡「俺がか?ンなわけねぇだろ?あっても外部コーチだ。俺が教師になっても教えられることなんて何もねぇよ。」

 

シルヴィア「そう?八幡くんなら技術以外にも、礼儀とか教えてそうだけどなー。」

 

八幡「教えてはいるが、そこまで欠陥している奴もいないからな。もしそんな奴がいたら本気(マジ)で殴ってる。」

 

 

普段はあんま気にしてないが、礼儀を欠く奴って俺結構嫌いだから。

 

 

八幡「それに、教師もやって生徒の指導も面倒するとなると、シルヴィと過ごす時間が減るからお断りだ。」

 

シルヴィア「っ!……そ、そっか///なら仕方ないね!///」ダキッ

 

 

あからさまに誤魔化している。照れながら抱きついている時点でもうバレバレだ。

 

 

そして暫くしてから離してくれる。

 

 

八幡「しかし将来か……此処に来てから考えた事なかったな。シルヴィはあるのか?このままアイドルを続けるとか、なんか他にやりたいこととかって。」

 

シルヴィ「そうだなぁ……私の希望としては来年の8月8日になったら婚姻届を書いてから20歳まで待って、そして結婚かなぁ。アイドルは高校卒業と同時に引退しようかなって思ってて、今ペトラさんと相談中。やりたい事が八幡くんのお嫁さんだし!」

 

八幡「8月8日って俺の誕生日じゃねぇか。しかもこの3年の計画性がすげぇな。」

 

シルヴィア「そんな事ないよ。本当なら18歳になったと同時に結婚したいんだから!でもそれだとあんまり計画性がないってペトラさんに怒られちゃった……」

 

 

うん、俺も少し反対だよ?君少し気が早すぎるからね?そんなに急がなくても俺は逃げないから。

 

 

八幡「卒業っつっても学園には大学部として残るんだろ?」

 

シルヴィア「うん。アイドル引退したとしても就職出来ないわけじゃないから、何処かにバイトしようとは思ってるけどね。」

 

八幡「変装してか?」

 

シルヴィア「それは難しいかな。此処ってそういうの厳しいから。」

 

 

………そんじゃ来年も出るか。

 

 

八幡「んじゃ、未来の嫁さんが此処まで言ってんだ。俺も手助けしないとな。」

 

シルヴィア「い、いいよ!八幡くんにも悪いし大丈夫だよ!」

 

八幡「いや、シルヴィがそこまで本気なら俺も本気だ。今年はもう願い決まってるから変えないとしても来年ならまだ間に合うよな?」

 

シルヴィア「……まさか《獅鷲星武祭(グリプス)》に出るなんて言わないよね?」

 

八幡「ん?願いを叶えるならそれしかないだろ?他に何があるんだ?」

 

シルヴィア「ダメだよ!八幡くん自身のためなら分かるけど、私のお願い事のために出るなんて!」

 

八幡「何でだ?」

 

シルヴィア「だって!そんなの八幡くんに悪いし、叶えるなら私があと1回の《王竜星武祭》で優勝すればいいし、それにーーー」

 

八幡「勝てなかったらどうするんだ?そのための俺だろ?」

 

シルヴィア「で、でも!」

 

八幡「シルヴィが俺との将来を考えてくれてるなら、俺も中途半端じゃいられねぇんだよ。そんな時のために俺がいるだろ?」

 

八幡「それに、お願いは多ければ多いほどいいだろ?それを叶えてくれるんだからいいじゃねぇか。」

 

八幡「困った時はお互い様だ。それでよ、どんな職場にする?」

 

シルヴィア「……どうして?私の事情なのにどうして……」

 

 

そんなの決まってんだろ。

 

 

八幡「お前を愛してるからに決まってるだろ。それ以外に何がある?それ以外に理由がいるのか?」

 

八幡「まぁ、俺としては他の男の近くに行って欲しくないってのもあるんだけどな。『お前は俺の側にいろ。』いいな?」ギュッ

 

シルヴィア「………じゃあ、お願いしてもいいの……かな?」

 

八幡「任せとけ。今のうちにでもいいからどんな店で働きたいか考えておけ。」

 

シルヴィア「………ねぇ八幡くん。先に言っておくね、ゴメン!」

 

八幡「んむっ!?」

 

 

シルヴィは突然キスをしてきた。何もないただのキスだが、シルヴィからは凄い愛情が伝わって来た。

 

それを10分くらい刻み刻みでやっていたが、何時間もしていたように感じる。

 

 

シルヴィア「んっ……ゴメンね突然。でも凄く嬉しくて。我慢出来なかった。」

 

八幡「……構わねぇよ。帰って以来してなかったからな。」

 

八幡「………なぁ。こんな事このタイミングで言うのもアレだが、少し物足りない。もう少しいいか?」

 

シルヴィア「うん、私ももっと八幡くんとキスしたい。」

 

 

それから2人は口付けを続けた。最初は唇をついばむようなキスだったが、徐々にお互いの舌を交わり合うという情熱的な口付けを1時間も交わしていた。

 

 

 

 

 

 




最初は良かったのに、中間ヘビーで最後甘々、なんて忙しい話なんだ!

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