八幡side
………戸塚の奴、今なんて言った?影星に入った?どういう事だ?
八幡「……おい、そりゃどういう事だ?俺は戸塚の能力を知らんから強くは言えんが、エンフィールドの薦めで入ったって何だ?理由がさっぱりだ。」
シルヴィア「私としても、何でそれを此処で言ったのかも分からないよ。」
戸塚「2人の疑問も尤もだね。順を追って話すよ。」
八幡sideout
戸塚side
僕が星導館学園の諜報工作機関『影星』に入る前のクローディアさんとの会話。
ーーー星導館2年某組ーーー
戸塚「落星工学って意外と難しいんだなぁ。まだまだ復習が必要かもね。」
海老名「私が此処で生き残っていくには、絶対に学ばないといけない事だから頭が煮え繰りそうだよ。」
マナダイトは万応素が結晶化した物で、煌式武装を作るために必要な鉱物で、ウルム=マナダイトが純度が高くて純星煌式武装を作るのに必要な鉱物で、凄く少ないんだったね。
そして純星煌式武装は2つと同じものが存在しないんだったね。
あとは………
クローディア「失礼します。戸塚さんはいらっしゃいますか?」
……ん?会長さん?
戸塚「どうかしたの?会長さん?」
クローディア「クローディアで構いませんよ。少しお話があるのですが、お時間を頂いてもよろしいでしょうか?」
戸塚「うん、いいけど何を話すの?」
クローディア「少し内密な話なのでここでは言えません。生徒会室まで来てはくださらないでしょうか?」
戸塚「うん、いいよ。」
クローディア「ありがとうございます。では案内致します。」
ーーー生徒会室ーーー
クローディア「こちらが生徒会室になります。どうぞかけてください。」
戸塚「う、うん。」
なんか変な緊張感あるなぁ。
クローディア「さて、戸塚さん。貴方を此処にお呼びしたのは、貴方にしてもらいたい事があるからです。」
クローディア「比企谷さんの事に関係しているのですが、受けるか受けないかは戸塚さん次第です。」
戸塚「八幡が?」
クローディア「はい。ですので貴方が適任だと思いました。私から推薦します、我が学園の諜報工作機関『影星』の密偵監察官になっては頂けないでしょうか?」
僕が……影星に?
クローディア「そうですね。理由は戸塚さんたちが入学する前のお話になります。」
そしてクローディアさんは、僕が来る前に四学園で話し合った事を説明してくれた。
※107話「会議終了と新しい先生?」ですが、詳しい話はされてません。
クローディア「……以上が我が星導館、ガラードワース、クインヴェール、そして界龍の代表で話し合った内容です。」
………八幡も警戒していたんだ。星導館学園と聖ガラードワース学園は分かったけど、何でクインヴェール女学園が協力するんだろう?まぁ今はいいや。
クローディア「疑問は多々あるとは思いますが、今は収めておいてください。そして私が貴方を指名した理由ですが………」
………
クローディア「1つは学年の違いです。これだけでも見張りや監視を行うにはかなりの限度があります。その点では戸塚さんだけでなくとも、海老名さんや戸部さんでも有効ですが、あと2つの理由で貴方を推薦しました。」
戸塚「……聞かせてくれるかな?」
クローディア「はい。1つ目は雪ノ下さんたちとの距離の近さです。戸塚さんの長所ともいえる分け隔てない優しさは、私たち1年の間でも広く伝わっています。彼女たちに怪しまれずに近づいたりする事が出来るのは今のところ戸塚さんだけですから。」
よく考えてるんだなぁ。こんなに理詰めで言われたのって初めてかも。
クローディア「もう1つの理由は簡単です。比企谷さんを救いたいという思いです。それだけでも推薦するには充分な理由です。」
クローディア「どうでしょう?引き受けては頂けないでしょうか?」
………八幡を救いたい思い……そうだったね。八幡には助けられてばかりだったから、今度は僕が助けなきゃ!
戸塚「クローディアさん、密偵監察官の件、受けるよ。これで八幡の役に立つなら喜んで受けるよ!」
クローディア「ありがとうございます。戸塚さんには影星に入って頂きましたが、『雪ノ下雪乃、由比ヶ浜結衣、比企谷小町の学外での監視』の任務を義務付けていますので、他の任務は無視して頂いて結構ですので、ご安心ください。」
なんか1人だけサボってるようにしか見えない気もするんだけど?
戸塚「分かったよ。学園の外に出たら、見張りに行けばいいんだね?」
クローディア「はい。苦労をお掛けして申し訳ありません。」
戸塚「そんな事ないよ。僕、一度スパイみたいな事やってみたかったんだ!」
クローディア「………戸塚さんも中々、腹が見えないお方ですね。」
これが、僕とクローディアさんとの話の内容で、影星に入った理由。
戸塚sideout
八幡side
戸塚「これで全部だよ。」
八幡「…………」
シルヴィア「…………」
海老名「私たちも戸塚くんに協力してるんだ。1人じゃ大変だからね。」
戸部「それに、比企谷くんに恩返しすんにはちょうどいいべ!」
八幡「……なんかすまない、俺のためにそこまでやってくれて。」
星導館では、こいつらにこんな事をさせていたのか。だが、未だに驚きだ。戸塚が影星に入るなんて………
戸塚「いいよ、テニスを手伝ってくれたお礼がまだだったからね!これで漸く返せるよ!」
戸部「俺たちも、あんな依頼した責任を取るにはこれくらい朝飯前だべ!」
海老名「何かあったらクローディアさんが比企谷くんに連絡するようになってるから、その辺は心配しなくていいよ。」
………こいつらってこんなに頼もしかったか?総武高の頃とはまるで別人だ。
戸塚「クインヴェールが何で協力しているのかさっき分かったよ。八幡とシルヴィアさんが恋仲だからでしょ?じゃなきゃあり得ないからね。」
シルヴィア「事情も聞いてるからね。それに好きな人に危険が迫ってるなら、手助けしないわけにはいかないからね。」
八幡「……いつの間にか味方が増えてたんだな。俺はこんな性格だからこんな事しか言えないが………頼んだ。」
戸部「任してほしいっしょ!」
海老名「今度は比企谷くんからの依頼だね!勿論OKだよ!」
戸塚「雪ノ下さんたちの事は僕たちに任せてよ!」
こうして戸塚たちとの繋がりも修復し、海老名や戸部も俺の名字を間違わずに呼んでくれている。
八幡「……ていうか材木座は?」
戸塚「あ〜、材木座くんなら未だに気絶してるよ。」
戸部「幾ら何でも長すぎっしょ……」
海老名「思ったんだけどさ、材木座くんって何しにきたんだろうね?」
シルヴィア「あはは……容赦ないね。」
八幡「まぁこれ見ると、助ける気にもならないけどな。」
3人「確かに。」
シルヴィア「あはは……私もかな。」
いやー友情を感じましたねー。