学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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おはようございます。ちょっと遅くなりました。
では、ごゆっくり!

修正はしましたが、何かあれば感想欄までお願いします。


案内……そして慰労

 

陽乃side

 

 

私は今、目の前の光景が信じられなかった。妹の同級生で猫背で頭の上にはピョコンっと立ったアホ毛が立っていて、目が濁っていて捻くれた性格に加え、私の本性を初見で見抜いた面白い男の子、比企谷くんがいたからだ。

 

どうして?何故彼がここにいるの?

 

今すぐ聞き出したい。でもここは人目につくし、何より虎峰くんもいる。ここは抑えなきゃ!

 

 

虎峰「雪ノ下師姉(しし)?先程八幡の苗字を言われたと思うのですが、彼とお知り合いなのですか?」

 

陽乃「うん、まぁ色々ね……それで?比企谷くんはどうしてここにいるのかな?お姉さん興味あるなぁ。」

 

八幡「……今日からここに転入したんですよ。さっき生徒会長に挨拶済ませたばっかです。」

 

陽乃「え〜ホントに?なんか嘘くさいな〜。だってこの学院、比企谷くんに合ってないもの。」

 

虎峰「雪ノ下師姉、八幡は正式な手続きをしての転入です。それに師姉もご存知の先代の【万有天羅】汪小苑様の推薦なのです。」

 

陽乃「ふぅん……まぁ、そういう事にしといてあげるよ。」

 

虎峰「事実なのですが……まぁ今は案内が先です。師姉、失礼いたしました、では。」

 

陽乃「ちょっと待って、何処行くの?」

 

虎峰「八幡の部屋の案内です。校内の案内もしたい所ですが、幸い明日は休みなので持ち越そうと思ってます。」

 

 

………これは比企谷くんに訳を聞くチャンスかも。

 

 

陽乃「それ、私もついてっていい?最近修行だけだったから、終わった後がつまんなくてさ〜。」

 

虎峰「はぁ……まぁ師姉がそう言うのなら僕は構いませんが、八幡はどうします?」

 

八幡「……まぁ、いいんじゃねーの。部屋行くだけだしな。」

 

 

八幡(それにこの人のことだ、断っても絶対についてくるだろうしな。)

 

 

虎峰「分かりました。八幡、師姉、こちらです。」

 

2人「おう(はーい)。」

 

 

よし、比企谷くんの部屋までは順調にきてる。絶対に聞き出してやるんだから!

 

 

……それにもう、分かってるだろうしね。

 

 

陽乃sideout

 

八幡side

 

 

それから俺たちはまた歩き出した。会話(雪ノ下さんと虎峰だけ)しながら廊下を歩く、階段を上がる、また歩く。そして、ドアの続く廊下を歩いていると一番端の最後のドアで虎峰は止まった。

 

 

虎峰「ここが八幡の部屋になります。鍵も外してありますので、入ってみてください。制服も中にあります。」

 

陽乃「最上階で一番奥って……一番疲れるじゃない。」

 

八幡「……まぁ、住めば都って言うじゃないっスか。」

 

 

俺はそう言いながら、ドアノブを捻りながら押した。内装は……うん中華でした。最近こういう部屋で過ごしてたからかもう見慣れてしまった。

 

 

これが制服か……ん?なんで黒?

 

 

八幡「虎峰、何で黒なんだ?まさか俺だけ?」

 

虎峰「その事なんですが、僕も気になって理由を師父に聞いてみたら、『その者は目が腐っておるからのう。そっちの方が似合いそうじゃ。それにこうした方が面白そうじゃしの。』……だそうです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのチビっ子め……

 

 

 

 

八幡「あのチビっ子め……俺だけ違う色って。これじゃ俺目立っちまうじゃねぇか。」

 

陽乃「ふふふ、まぁ良いじゃない。比企谷くんがピンクって想像つかない上に似合わなそうだしね!そっちの方がいいよ。」

 

虎峰「あはは……では、今日はここで休んで下さい。僕はこれで失礼しますね。」

 

 

そう言って虎峰は去っていったが雪ノ下さんは残っていた。

 

 

八幡「何となく想像はつきますが、一応聞きます。雪ノ下さんは行かないんですか?それに……」

 

陽乃「分かってるよ、君のいう仮面が外れている事くらい。ここではすぐ見破られちゃったから。そんな事よりも……どうしてここに?総武高は?もしかして雪乃ちゃん達と何かあった?」

 

八幡「転校しただけですよ。それだけ「そんなのはいいから!お願い、教えて!ここに来た理由が転校だけな訳がないでしょっ!!」……っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………違う。

 

俺の知ってる雪ノ下さんじゃない。俺の見てきた笑いながらこっちを見透かしてくるような目ではなく、本気で心配するような目だった。

 

俺はこんな雪ノ下さん………初めて見る。

 

 

八幡「……ちょっと長くなるかもしれませんが、それでもいいですか?」

 

陽乃「うん、何時間でも聞くから私に話して。」

 

 

それから俺は文化祭の事から修学旅行までの事、なぜ界龍に転入して来たのかを説明した。今思ってもあん時はかなり辛かったな。マジで。

 

 

陽乃「……そっか、そんな事があったんだね。」

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダキッ!!

 

 

突然、雪ノ下さんに抱き締められた。

 

 

八幡「え、ちょ、雪ノ下さん?」

 

陽乃「………そっか、文化祭が終わった後そんな事があったんだね。……そもそも文実をあんな風にしたのは私なのにね。」

 

八幡「い、いや、別に雪ノ下さんは「そうじゃないって言えるの?実際、文化祭で君をあんな目に合わせたのは私みたいなものだよ?」………」

 

陽乃「こんな事言う資格なんてないって分かってる……でも、言わせて?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽乃「本当に、本当にごめんなさい。君を、あんな目に、合わせて。あと、よく頑張ったね。もう大丈夫だよ。」ポロポロ

 

八幡「……………っ」

 

 

と、雪ノ下さんは泣きながら謝った。俺も目頭が段々熱くなるのを感じた。何故だ?何ともないはずなのに………

 

 

陽乃「泣いたっていいよ。私にこんな事されたくないと思うけど、君の弱みを握ろうなんて、もうこれっぽっちも考えてないから。」

 

八幡「………別に、雪ノ下さんの事は気にしてませんよ。それと……少し、肩借ります。」ツー

 

陽乃「…うん、いいよ。後、ありがと。」

 

 

そうして俺は静かに泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




こんな感じに修正でしました。
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