八幡side
俺たちが会談を始めてから暫く経ち、俺はさっきまで総武高で今回見学に来た奴ら(小町も含む)の特徴を3人に話したところだ。
3人は一言も逃さないよう、俺を見ながら説明を聞いていた。そしてようやく全員の説明が終わったところだった。
アーネスト「………なるほど。聞いている限りじゃあ、ミス雪ノ下にミス由比ヶ浜、葉山くんは警戒した方がいいだろうね。ミス比企谷はまだリサーチが必要だけど、
クローディア「そうですね。他の5名は比企谷さんの説明を聞く限りは大丈夫そうですね。しかし、問題はこの4人ですね。」
既に俺たち4人は雪ノ下、由比ヶ浜、葉山、小町に目をつけていた。
シルヴィア「狙いは全員八幡くんなのは確かだけど、小町ちゃんだけは動機が分からないから逆に怖いね。」
アーネスト「うん、葉山くんは明らかにオーラを隠せていなかったからね。忍ばせていたパーシヴァルからも彼からは危険な思惑を感じると報告を受けているからね。」
パーシヴァル「……」ペコッ
少なくとも、俺に敵意がある事は事実だろうな。そうでなきゃ健気にこんな所まで追って来る筈もない。
八幡「葉山はガラードワース一択でしょう。そこでまずは牽制出来ます。此処は基本的に決闘禁止を重視していますから。」
アーネスト「つまり、出くわしても決闘になる可能性は低いと?」
八幡「あいつが相当バカでなければの話ですけどね。次にこの3人ですが、こいつらも星導館でしょう。それ以外に行くとは思えません。」
八幡「アルルカントとレヴォルフは論外、界龍は此奴らのレベルじゃ無理、クインヴェールは可能性はありますが、決定打には欠けます。ガラードワースは雪ノ下なら行けるでしょうけど、他2人の頭が圧倒的に足りません。こうして考えるなら、高いのは星導館、クインヴェールはもしかしたらってところですね。」
クローディア「比企谷さんは頭の回転が速いのですね。これだけの計算を此処まで精密に表すなんて……」
八幡「そんな事ねぇよ。それにこの2つに絞るのは簡単だ。星導館は制度が緩い上に校風も自由だからな。クインヴェールは、シルヴィが聞いたら気分悪いだろうが、ぶっちゃけると顔さえ良ければ誰でも入れるようなものだ。そう考えるとそんなに難しい事じゃない。」
シルヴィア「まぁ確かに聞いていて良い気分ではないけど、八幡くんの説明は理に適ってるね。」
ごめんシルヴィ、お前は最高に可愛いから許して。後で撫でてやるから。
アーネスト「ふむ、ではこの4人を厳重警戒することにしようか。」
シルヴィア「それはいいけど八幡くん、何もしなくていいの?」
八幡「大丈夫だ。警戒していても、いつかは必ず見つかるしな。それに見つかったとしても、奴らじゃあ俺には勝てねぇよ。」
つか序列見て勝てると思ってんなら、どうかしてるな。
アーネスト「ははは、頼もしいね。」
クローディア「えぇ。」
シルヴィア「流石八幡くんだね!」
八幡「やめてくれ。」
可能性はないだろうが、一応他校の接触もあるかもしれないからな。オーフェリアやウルサイス姉妹、アレマさんと小苑さんにも伝えておくか。」
アーネスト「君には本当に驚かさっぱなしだよ。」
八幡「え?何がです?」
シルヴィア「八幡くん、今声に出てたよ?先代【万有天羅】に【醒天大聖】まで知り合いだったなんて知らなかったよ。」
出た……俺の悪い癖。
クローディア「界龍の新しい序列2位さんはとんでもない方ですね。」
ニコニコ顔で言わないで欲しい。
アーネスト「じゃあこれくらいで終わろうか。密約をしてしまうと
パーシヴァル「かしこまりました。」
んー、こいつらならいいか。
八幡「フェアクロフさん、もしよかったら紅茶淹れましょうか?このメンバーなら俺は構いませんけど、どうです?」
アーネスト「いいのかい?だったらお願いするよ。折角だからパーシヴァルも飲んでみないかい?」
パーシヴァル「……では、お言葉に甘えて試飲させて頂きます。茶葉はディンブラのBOPFを使用しています。」
………結構良いの使ってるんだな。
ーーー5分後ーーー
八幡「お待たせしました。」
クローディア「先程から良い香りがしていましたよ。」
アーネスト「うん、紅茶の淹れ方も見ていて気品を感じたよ。」
シルヴィア「八幡くんって凄いね〜。ちょっと羨ましいなぁ。」
パーシヴァル「香りだけでも楽しめますね。飲むのが楽しみです。」
飲む前から高評価もらっていいのか?
そう思っていると、全員カップを手に取りそのまま口に向けてカップを傾けた。
…………………
アーネスト「……うん、実に美味しいね。同じ茶葉の紅茶をさっきまで飲んでいたとは思えないね。」
クローディア「此処まで変わるなんて……何か秘密でもあるのでしょうか?」
シルヴィア「凄いねぇ、こんなに変わるものなんだね。」
パーシヴァル「……とても美味しいです、恐れ入りました。」
ふぅ……口に合ったようだな。
八幡「知ってるとは思いますけど、ミルクティーにしても美味しいですから、やってみてもいいですよ。まだありますので。」
全員楽しみながら紅茶を飲んでいて、普通にもう一杯飲んでいた。今度はミルクを入れて。それも好評だった。
アーネスト「言うだけあるね、凄く美味しかったよ。また飲みたいものだね。」
クローディア「えぇ、あの味なら毎日飲んでいても飽きないかもしれませんね。」
シルヴィア「そうだね〜……私もステージ前には飲みたいかなぁ。」
気に入ってもらえて何よりだ。けど、これを作るのはこれっきりだと思うぞ?
パーシヴァル「……比企谷さん。」
八幡「ん?なんだガードナー。」
パーシヴァル「よろしければ私に紅茶の淹れ方を教えては頂けないでしょうか?」
八幡「は?」
パーシヴァル「貴方の淹れた紅茶、誠に感服致しました。そこで、貴方に紅茶の淹れ方を学びたいのです。」
八幡「いや、お前の淹れた紅茶も普通に美味かったぞ?」
パーシヴァル「いえ、比企谷さんには遠く及びません。そこで貴方に紅茶の淹れ方を教えて頂きたいのです。是非お願いします。」ギュッ
八幡「え?」
シルヴィア「あぁっ!?」
パーシヴァル「是非、お願いします。」
こいつ……西洋版虎峰だ。
目メッチャキラキラさせてる。何?そんなに習いたいわけ?何もないよ?ただティーバッグをお湯に浸けて放置しただけだよ?
でもなぁ……こういう奴のお願い断るのってなんか罪悪感あるんだよなぁ。
まぁ教えるだけだしいいか。
八幡「分かったよ。俺のやり方でいいなら今日動画付きのメールで送っといてやるから、それ見とけ。あれくらいならお前も普通に出来んだろ。」
パーシヴァル「っ!感謝します!」
うん、なら手を放してくんない?後ろでとんでもないオーラ纏った子がいるから。俺死んじゃうから。
その後、普通に学園を出たが、出たと同時にシルヴィが腕に抱きついてきて、嫉妬と殺気の目線に晒されたが、家に着いてからもずっと離してもらえなかった。
大丈夫だって、浮気しないから。
うん、最後の最後でなんだこれ?