学戦都市の“元”ボッチ   作:生焼け肉

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今回のは激甘にしたつもりです。
八幡がある意味でHACHIMAN化に。


※俺が渡すものは

 

 

八幡side

 

 

「………よし、これで明日まで待てばいいだけだな。」

 

 

よぉ皆、比企谷八幡だ。俺は今明日に向けてのお菓子作りをしていたところだ。何かあったかって?メタい話、1ヶ月くらい飛んで今日はホワイトデーの前日だ。

 

要するに、大量の菓子を作っていたわけだ。クッキー何個焼いたんだ?ざっと200ってところか?チョコも大量に作ったからこれも200くらいだろうな。まぁ夢中になってりゃ時も忘れて作りまくっちまうんだろうがな。

 

クッキーは袋詰めしてあるし、チョコの方も問題ない。シルヴィには良いバレンタインを貰ったからな、俺もそれ以上のバレンタインをやらねぇとな。

 

 

明日が楽しみになってきた。

 

 

ーーー翌日・教室ーーー

 

 

八幡「まぁ、教室にいる奴らには今渡しても問題ねぇよな。」

 

 

そして八幡は教室の扉を開ける。

 

 

虎峰「あっ、八幡おはようござい……ってなんですその袋は?」

 

沈雲「趙師兄、それは愚問というものです。バレンタインのお返しでしょう。」

 

 

すると教室の女子たちは一斉に身体をビクッと跳ねさせた。

 

 

八幡「まぁな。このクラスの女子は俺にチョコくれたしな。好きな方選んでくれ。チョコかクッキーか、2つに1つ。」

 

 

女子たちは一斉に寄ってきてお菓子をガン見しながら唸っていた。迷ってんだな。

 

 

女子1「どうすればいいの!?比企谷くんのお菓子なんて絶対美味しいに決まってる!どっちを選んだらいいか分からないわ!」

 

女子2「どっちも選んじゃダメかな?」

 

女子3「ちょっと!皆そうしたいんだから我慢しなさい!」

 

 

おーおーすげーなー。教卓の前に女子がすげぇ集ってる。

 

 

八幡「っと、そうだ。セシリー、沈華、これお前らに。」

 

沈華「……これはチョコとクッキー両方入ってるわね。」

 

八幡「あぁ、お前らには日頃からよくしてもらってるからな。2つあるくらいでちょうどいいと思ってな。」

 

セシリー「いやったー!ありがとーはちまーん!嬉しいよー!」

 

沈華「ありがとうと言っておくわ。」

 

八幡「おう、それなら何よりだ。」

 

 

ふぅ、クラスの奴には行き届いたな。残ったのは合わせて稽古の終わりにやるからいいか。にしても本当に皆1つしか取ってないみたいだな。凄ぇな。

 

 

ーーー放課後・八天門場ーーー

 

 

俺は今、この道場で稽古、或いは教えをしている。勿論それは俺も例外じゃない。まぁ教える方が多いんだがな。

 

 

体術を叩き込んでいる奴らには……

 

八幡「この攻撃が来るならこう防ぐか、こう避ける。または捌くかだな。」

 

 

術を習っている奴らには……

 

八幡「お前ならこの術式が合ってると思うぞ。試しにやってみろ。」

 

 

模擬戦をしている奴らには……

 

八幡「もっと力とスピードを意識しろ。それじゃ叩いてるのと同じだ!」

 

 

術を行使している奴らには……

 

八幡「術を自身に使った時の手足を別物に考えるな。自分がそれになったと思え。」

 

 

得物を扱う奴らには……

 

八幡「武器は振るうものだ。振られるようでは扱っているとは言えん。もっと軽いものから始めてみろ。」

 

 

とまぁこんな感じだ。

ま、それもそろそろ終わりだがな。

 

 

八幡「よし、稽古終わり!各自解散。それと、俺にバレンタインのチョコをくれた女子はチョコかクッキーか選んでくれ。くれてない奴は来るなよ?特に男共はな?」

 

 

道場から笑いが溢れた。まぁ貰おうとしてる奴がいたら、バカだけどな。俺は()()と言ったからな。

 

 

陽乃「八幡くんおつかれー!今日も良かったよー!凄く有意義だった!」

 

冬香「お疲れ様です八幡さん。素晴らしいご指導でした。」

 

八幡「御二人もお疲れ様です。あぁそれから、これはお2人に。バレンタインのお返しです。よければ食べてください。」

 

冬香「まぁ……ありがとうございます。」

 

陽乃「わおっ!八幡くんがバレンタインのお返しを!?こりゃ明日は雪かな?」

 

八幡「別に嫌ならいいんですよ?」

 

陽乃「いやいやいや!全然嫌じゃない!むしろご褒美だよ!ありがと八幡くん!」

 

 

この人は本当に………

 

 

冬香「大事に食べますね。」

 

八幡「えぇ。」

 

 

さて、これで全員に渡したな。え、星露?知りませんねー?だって貰ってませんから。

 

後はシルヴィに渡すだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここから先は俺の喧嘩(ターン)だ!!

 

 

ーーー六花・外縁居住区ーーー

 

 

八幡「ただいまぁ〜。」

 

 

タッタッタッ

 

 

シルヴィア「お帰り!八幡くん!」

 

八幡「1ヶ月振りだな。どうだ?疲れてはいないか?」

 

シルヴィア「八幡くんの声と顔見たら飛んじゃった!」

 

八幡「…そうか。そりゃ何よりだ。」ナデナデ

 

シルヴィア「にゅ〜………」トロォーン

 

 

撫でられると、ホント変な声出すよな。スゲー可愛いからいいんだが。

 

 

八幡「客間行かね?俺も稽古後で疲れててよ。それに腹減った。」

 

シルヴィア「ご飯の用意はさっき終わったから直ぐに食べられるよ。行こっか!」

 

 

ホワイトデーの事を聞かない辺り凄いな。俺としてもその方が気が紛れるしな。

 

 

ーーー食後ーーー

 

 

八幡「はぁ〜美味かった。」

 

シルヴィア「ふふっ、ありがとう♪」

 

 

いや、実際これだけだがホントに美味い。それこそ店を出してもおかしくないくらいだ。この子凄いよね。

 

 

八幡「よし、晩飯も終わったし、そろそろ食後のデザートにするか。」

 

シルヴィア「おぉ!待ってました!」

 

 

……やっぱ期待してたんだな。

 

 

八幡「この前のバレンタインはありがとな。俺からのお返しはバームクーヘンだ。」

 

八幡「因みにチョコをかけてある。」

 

 

八幡はそう言いながら、紙パックの中にあるバームクーヘンを取り出した。

 

 

シルヴィア「わぁ〜!ありがとう!」

 

八幡「因みに豆知識だが、ホワイトデーにあげる時のバームクーヘンの意味は、

『貴方と関係が続くように』だ。バームは『木』、クーヘンは『お菓子』を意味していて、『この幸せがずっと続きますように』という意味も含まれている。」

 

シルヴィア「そっかぁ……うん、凄く良い事を聞いたよ。ありがとう♪」

 

八幡「あぁ、遠慮なく食べてくれ。」

 

シルヴィア「八幡くんも食べるよね?」

 

八幡「あぁ、そうしないとシルヴィがいたたまれなくなるんだろう?」

 

シルヴィア「そういう意味じゃ……」

 

八幡「ふっ、冗談だ。」

 

シルヴィア「もぉ〜!」

 

 

面白おかしい話をしながら、俺たちはお菓子を食べていた。シルヴィと一緒にいるのは、やはり誰よりも落ち着くな。

 

 

シルヴィア「……美味しかったよ、八幡くん。私に尻尾と耳が生えていたら、ぴょこぴょこ動いてるかもね。」

 

八幡「それは何よりだが、まだあげてないお菓子があるんだが、いるか?」

 

シルヴィア「え?そうなの?だったら欲しいかな。」

 

 

八幡が取り出したのは、ただの棒付きキャンディだった。一応手作りのようだが、隠すようなお菓子でもないとシルヴィアは思っていた。

 

 

シルヴィア「キャンディ?」

 

八幡「あぁ、一応ゲームでもしようと思ってな。だが、このゲームはホワイトデー限定にしたいと思ってる。」

 

シルヴィア「え?」

 

八幡「……聞きたいか?」

 

シルヴィア「そんな意味ありげに言われたら気になるよ。教えて!」

 

 

覚悟ありか。なら上等!

 

 

八幡「そのゲーム内容は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この棒付きキャンディをいかに相手の舌に触れずに舐められるかというものだ。」

 

 

八幡sideout

 

シルヴィアside

 

 

…………………え?今八幡くんなんて?

 

お互いの舌に触れずに?も、もしかして………

 

 

シルヴィア「それって私たちがキャンディを同時に舐めるって事?」

 

八幡「あぁ、そうだ。」

 

 

ええぇぇぇ!!?そ、そんな凄いゲームやるの!?///

 

そ、それに舌が当たったら……うぅ/////

 

 

八幡(シルヴィの奴、赤くなってんな。まぁ無理もないか、言ってた俺も恥ずいし。)

 

 

シルヴィア「ね、ねぇ八幡くん?それって絶対やんなくちゃいけないの……かな?/////」

 

八幡「いや、強制はしない。」

 

 

強制はしないみたいだけど、どうしよう。個人的には凄くやりたい。でも八幡くんにいやらしい子だって思われたくないし。

 

 

シルヴィア「因みに断っちゃったら?」

 

八幡「ん?普通に手に持って舐めるだけだが……それが?」

 

 

………それも嫌だな。なんか負けを認めたみたいで……よし!

 

 

シルヴィア「八幡くん!私受ける!」

 

八幡「……いいのか?」

 

シルヴィア「恥ずかしいけど、戦わないまま、負けるのは嫌だから/////」

 

八幡「………分かった。」

 

 

八幡くんはそう言うと、飴が包まれた紙を外して、私たちの前に飴を持ってきた。

 

 

シルヴィア「…………/////」

 

八幡「…………///」

 

 

にしても、八幡くんがこんな事してくるなんて全く想像もしてなかったよぉ〜///

 

 

八幡「じゅ、準備はいいか?///」

 

シルヴィア「は、はい!いつでも!///」

 

八幡「……そうか。なら…スタートだ。」

 

 

お互いの顔が近くなるにつれ、だんだん顔が赤くなっていった。舌を出して飴に向かう。そして………

 

 

八幡「………/////」ペロペロ

 

シルヴィア「………/////」ペロペロ

 

 

うぅ〜近い、近いよぉ〜/////しかもこんな近くに八幡くんの舌が……考えないようにするなんて無理だよぉ〜/////

 

 

シルヴィアsideout

 

ーーーーーー

 

 

少し経つと飴は小さくなり、自動的に舌が触れてしまう。やはりこうなってしまっては欲求が出てしまうものだった。

 

 

シルヴィア(舐めたい……八幡くんの……もっと舐めたい。飴と舌……もっと/////)

 

 

今はもう普通に触れていまっているお互いの舌、まだ飴はあるため完全ではないが、動かす度に当たってしまうのだ。

 

 

八幡「………/////」ペロペロ

 

シルヴィア「はぁ……ぴちゅっ……ちゅるっ、はぁ……ぺろっ……/////」

 

 

シルヴィアの息は荒く、その目は既に飴ではなく舌の方に向いていた。

 

 

そしてついに……

 

 

シルヴィア(もう……限界っ!)

 

 

 

八幡「んむっ!?」

 

シルヴィア「んんっ!んちゅ……くちゅ、んんんっ……ちゅ〜〜/////」

 

 

歯止めが効かなくなり、シルヴィアはついに、八幡と舌と舌でキスをしてしまった。飴を挟みながらも、八幡の舌と自身の舌を絡め合わせ、腕も首に巻いていた。うっとりしたような顔をしていて、目はずっと八幡の方に向けていた。

 

 

シルヴィア「あはぁ……んんぅ……ちゅぱっ……ちゅるるる……んふぅぅ……/////」

 

 

飴がなくなっても、シルヴィアは止まらなかった。八幡は碌に抵抗もせず、なすがままだったが、シルヴィアの頭を撫でたり、手を握ったりしていた。

 

 

そして飴がなくなった事に気付いたのか、はたまたそうでないのかは分からないが、急に舌を動かすのをやめた。

 

 

シルヴィア「んんっ……ぷはぁ……はぁ……はぁ……/////」

 

八幡「ちゅるっ…ちゅぱっ……はぁ……はぁ……/////」

 

 

シルヴィアはやっと唇を放し、八幡を解放した。飴のなくなった棒と、唾液で出来た銀色の糸が2人の口から垂れていた。

 

 

八幡「はぁ……はぁ……お前やり過ぎだ……すげぇ吸い付きだったぞ/////」

 

シルヴィア「はぁ……はぁ……だって、八幡くんが凄く誘惑してくるから/////」

 

八幡「……してねぇよ/////」

 

 

2人にとっては、もう誘惑とかどうでもいい事だった。それにシルヴィアはまだ物足りなそうにしていた。

 

 

シルヴィア「ねぇ八幡くん。ゲームのルール、少し変えない?」

 

八幡「………は?」

 

シルヴィア『いかに相手の舌に触れずに』じゃなくて、『いかに相手の舌に触れながら』にしようよ。」

 

 

っと、とんでもない事を口にしていた。おそらくさっきの激しいキスで思考が停止しているのだろう。

 

 

八幡「おまっ……いいのかよ、んな事やっても?」

 

シルヴィア「うん……してるとね、頭がふわふわするんだ。それで、もっとしたいって思えてくるの。だから……ね?」

 

 

シルヴィアの方はやる気満々だった。既に飴を自分で持ってスタンバイしていた。

 

 

八幡「……分かった、後悔するなよ?」

 

シルヴィア「するわけないよ。大好きな人とするんだから。」

 

 

その後も合計3つあった飴を全て使ってゲームをしていた。終わった後のシルヴィアは疲れたのかそのまま眠ってしまった。

 

 

 

 

因みに八幡が作った飴は、ブドウ、レモン、リンゴの3種類、それぞれ意味がある。

 

 

ブドウが酔いしれる恋。

 

レモンが真実の愛。

 

そしてリンゴが運命の相手である。

 

 

 

 

 




もう無理です!甘いのは無理!

本当はありえない話その5
『癒しのホワイト』







八幡「オーフェリア、ホワイトデーだからお返しな。」

オーフェリア「わぁーい!ありがとぉ〜おにいさぁーん!」

八幡「おう、帰ってから食えよ?」

オーフェリア「ふぇ?なんでぇ?」

八幡「今ここで食べたら、多分誰かが聞きつけて俺にねだって来るかもしれないからだ。」

オーフェリア「はっ!………はい!了解でありますぅ!」

オーフェリア「楽しみだなぁ♪お兄さんのチョコォ♪」


ルンルンルルン♪



八幡「……癒されるなぁ。」


こんな妹いたら凄く癒されるだろうな。

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