謎解き脱出ゲームができるカフェらしいけど、どんな感じなんだろう(ドキドキ)
どうしよう、自分でどんな風に本文を書いたかあんまり分からないぞ……(脳内が別の事を考えているせい)
とりあえず、次くらいで学級裁判終わりそうです。
あれ?これなら前話の前書きで書いた『今月中に本編終わらせたい』っていう謎の目標達成できるかも…?(一部ではこれを、フラグという)
希望と絶望。
どちらを選んでも、結局は同じ。
外に出られるのは2人だけ。
「うーん…そろそろ投票タイムにいってもいい?」
そんな、どっちを選べばいいのか分からない空気の中でモノクマは投票をしたいと言い出した。
「最後の投票!そこですべて終わりだっ!オマエラの臭い希望も…オマエラ自身もなっ!」
それに付け加えるように白銀が江ノ島のコスプレをするんだから、みんなして焦りだしていた。
………ということで、そろそろアタシの出番かな。
さっきまではみんなに任せていたけど、ここからはアタシも主張をしていく。
「希望と絶望……オレ様は、どっちも捨ててやる」
「「えっ…?」」
隣にいる最原とキーボの声がなぜかハモった。
白銀なんか、コスプレもしないで目を丸くしている。
「フィクションだから何もない?今までの思いも全部嘘…?それがなんだよ。設定だからって…全部嘘だからって、オレ様達のここから出て友達になろうって決意も、道を踏み外しそうになった苦悩も、誰かを好きになった想いも…オレ様達にとっては本物だっただろっ!?例え、フィクションの存在として作られただけだとしても…オレ様達は生きた人間で、それは外の世界のやつらと何も変わらない。苦しみも悲しみも喜びも……感じたもの全て本物なんだよ!」
1章で赤松が首謀者の殺害を企んだ事だって、例えそういう設定をされていたからやったとしても、赤松にとってはそれは紛れもない自分の強い想いだったはず。
みんなを助けたいという気持ちは、紛れもない本心だったはずなんだ。
その後のコロシアイだって、みんな自分の強い想いがあったはず。
アタシは、それを否定したくない。
否定されたくない。
「だいたい、生き残った2人が外の世界に出たって…天海みたいに、次のコロシアイで超高校級の生存者として、もう一度コロシアイに参加させられるかもしれねーじゃねーか。だったら、オレ様はどちらも選ばない……投票なんて、放棄してやる」
ここにいるみんなは、生きている。
誰一人欠けずに、生き延びてきたんだ。
誰も犠牲になんてさせない。
「オレ様は、希望も絶望も否定してやるっ!」
「僕は…希望も絶望も否定する!」
「私は、希望も絶望も否定するよ!」
……なんか、最原と赤松まで便乗してきたんだけど。
最原は分かるよ?ゲームで言ってたし。
まぁ、いいんだけどさ。
「投票を放棄って…そんな事したら、ルール違反で殺されちゃうよ?それでもいいの?」
ルールなんて知らない、アタシがルールだ…なんて言えたら格好いいんだろうけど、恥ずかしいから言わない。
「これをやらせている外の世界を否定する!だから、僕は投票を放棄するんだ!絶望でも希望でも終わらせない為に!」
「たとえフィクションだとしても…私達の感じた苦しみは本物なんだよ!」
最原と赤松の訴えで、希望を探していたキーボが俯きながら「ボクは…この希望を信じられません」と呟いた。
「キーボ君?何を言ってるの?あなたの内なる声がそんな事をしろって言ったの?」
「いいえ…内なる声は希望を諦めるなと言っています。でも、その希望こそが…ボクらに悲劇を求め続けているなら……」
そこまで言って、キーボは顔を上げると「ボクは希望を放棄しますっ!」と叫んだ。
「そんな事をして、どうなるか分かってるの?視聴者に逆らうなんてーーー」
キーボを睨みつけながら言う白銀の声を遮るように「いいんじゃない?」と王馬が笑いながら言った。
「キー坊がポンコツロボなのは、前から知ってるし。それに…ハッピーエンドにもバッドエンドにもさせないなんて、悪の総統っぽいじゃん?大好きな最原ちゃんが放棄するって言うなら、オレも投票を放棄しちゃおっかなー」
キーボが小さい声で「こんな時にもロボット差別ですか…」って言ってるけど、いつもと違って笑っているように見える。
…どちらかといえば、苦笑い?
「ねぇ、みんな…この投票を棄権しよう。このコロシアイを私達の手で終わらせようよ…」
「そんな事したら、みんなペナルティーで死んじゃうよ?それでもいいの!?」
考え直してとばかりに白銀が叫ぶが、それに負けないぐらいの大声で「この長く続いたコロシアイを終わらせる為に、僕らの命を使うんだよ!」と最原が叫んだ。
さぁ、最後の議論といこうか。
「オレ様達が投票を棄権すれば、オレ様達は全員死ぬ事になる。けどな、決着が付かずに終わるのは…誰も求めてねー最低の結末なんだよ」
「その為に命を捨てるというのか?」
「そんなものは無駄死にだぞ」
辺小山、大神のコスプレをしながら白銀が反論してくる。
だけど王馬が「別に捨てるわけじゃないよ?」と否定した。
「この命は僕達の武器なんだ。だから、この武器で外の世界と戦うんだ!」
嘘の存在だとしても、この命が本物である事は紛れもない真実。
「前に参加していたコロシアイの事は、今となっては思い出せないっすけど…でも、きっと辛くて苦しかったと思うっす。俺は、それを他の誰かに繰り返させたりしたくないっす。だから…俺は赤松さん達の提案に乗るっす」
「フィクションだとしても、私はみんなにメイドとして仕える事に喜びを感じていたわ…。過ちを犯しかけたけれど、あの時の私の苦悩は本物…それを見せ物として楽しんでいる外の世界の人達を、見過ごす訳にはいかないわ。私の持てる武器を使って、その認識を変えてみせるわ」
「どうせ、一度は生きる事を諦めていた身だ。だったら、こういう形で終わらせた方がクールだろ。だが、勘違いするなよ。俺は生きる事を諦めた訳じゃない。こんなくだらない茶番を終わらせる為に、命を使うのさ…」
「んっとねー…神様も言ってるよ。アンジーが神様の声を聞けるのは嘘じゃなくて、本当の事だーって。それを嘘呼ばわりするなんて…神様が怒っちゃうよ?だから、神様を怒らせた人達の罰としてー、アンジーも投票を放棄しちゃうよー。にゃはははー、神ってるー」
「ウチがフィクションのキャラクターだとしても、この命は本物なんだったな…。ウチはこの命を見せ物の為には使ってやらんぞ!ウチはウチの命を使って、この憎きコロシアイを終わらせてみせる!」
「ククク…みんなの死を恐れずに立ち向かうその姿、最高に美しいヨ。これだから、みんなと一緒にいるのは飽きないネ。全部がフィクション?だとしても、僕の側にいる姉さんは本物だよ。ええ、その通りよ是清」
「ったくよー…助手にここまで言わせておいて否定とか、ボスのする事じゃねーしな!ボスってのは、助手を支える存在なんだからな。その助手の決意を無駄にはさせねーよ。いいか、物語の主人公が簡単に諦めたら、クソみたいな話しになっちまうんだ!だったら、自分の気持ちを信じるしかねーだろ!」
「言ってる事、滅茶苦茶なんだけど。でも…私はその滅茶苦茶に救われてたんだよね。それに、フィクションから現実を変える事ができれば、それはただのフィクションじゃなくなる…。きっと…私のこの想いも」
「ぐぬぬ…やはり、怖いという気持ちはありますが、男死にあそこまで言われて引く訳には行きません!嘘だったと言うのなら、それを本当の事にしていけばいいんですよね!だって、転子達にとってはフィクションじゃないんですから!」
「ゴン太がみんなの力になりたいって思ったのも、紳士を目指していたのも嘘じゃないよ。今だってそうなんだ!ゴン太は、そう思う自分の気持ちを信じるよ!だから、みんなの言っている、こんなの繰り返したりしたらダメだって思う気持ちを信じる!」
1人、また1人と投票を放棄するという気持ちを宣言していく。
もう嘘だから、フィクションだから意味がないって気持ちは感じない。
「みんな一緒に死んでもいいって言うんですかぁ!?」
「なんでオメーらは、そんなに死にたがるんだべっ!」
「死にたい訳ねーだろっ!」
コスプレする白銀に、思わず拳を握り締めながら反論した。
今まで、コロシアイを止める為に頑張ってきた。
死にそうになったり、逆に殺しそうになってしまった時もあった。
「このコロシアイ学園生活は、少しでも判断を間違っていたら悲劇になっていた…。オレ様達にとっての、本物の悲劇にな!」
だから、止めたかった。
みんなを救い思いで、ここまで来た。
「だから、絶対に止めてやる。こんなコロシアイを、繰り返さない為にもな!!」
「だから…止まらないって。世界はそれを求めているんだもん。みんながコロシアイエンターテイメントを求める限り、ダンガンロンパは終わらないんだよ!」
それでも、フィクションから現実に想いを伝える事ができる。
感動や苦しみ、悲しみは伝えられる。
アタシは、自分の身でそれを知っている。
「ボクも、投票を放棄します。みんなを…信じます」
希望を放棄すると言ったきり黙り込んでいたキーボも、投票を放棄すると決心してくれた。
「よーっし、決まりだな。オレ達は投票を放棄するぜ!」
「いいの!?そんな事したら、首謀者のわたしだけが生き残っちゃうんだよ!?」
そう言われても…正直、希望とか絶望はどうでもいい。
それは無印と2とアニメの3の話しだし。
一応、V3は嘘と真実がメインだったはずだし。
「それじゃ、学級裁判も終わりだね。投票タイムにしていいよ」
赤松がモノクマにそう言うも、モノクマは「…投票タイム?」と首を傾げた。
「ダメだよ!まだダメだって!だって、ゲームはまだ続くんだ!学級裁判だって終わらない!本当にコロシアイが終わっていいの?ダンガンロンパが終わっちゃっていいの?論破でも賛成でもいいから…もっとゲームを楽しもうよ!」
モノクマの主張を、みんなで無視していく。
だって、このゲームさえも放棄しているんだから。
「放棄なんて…させないよ…!」
「そうだよ!オマエラにはまだまだゲームをやって貰わないといけないんだっ!」
ゲーム…ねぇ。
アタシはポケットに手を突っ込むと、カジノの景品のゲーム機を2つ取り出し、その内の1つを隣の最原に手渡した。
電源を入れて、ゲーム起動。
一度やってみたかったんだよね…ファクトリーの協力プレイ。
「ねぇ…何やってんの?」
「ちょっと、真面目に学級裁判をやってよ!外の世界の人達が退屈しちゃうでしょ!」
さっき、ゲームをやれって言ったから言われた通りにゲームしてるだけじゃん。
…もちろん意味は分かっててふざけてる。
ごめん、悪気はあるんだ。
仕方なくゲームはポケットに突っ込んで仕舞う。
外の世界の人達は退屈すればいいよ。
だって、これは見せ物じゃない。
文句があるなら、『これつまんねー』って言いながら見るのをやめればいいんだ。