そしたら……知らない間に、V3の小説が増えているじゃないか!
嬉しすぎて、衝動的に書き殴ってしまったよ!!
もっと増えていいんだよ、てか増えてください(土下座)
書き殴ったせいで、今回の学級裁判の話しの展開早い気がするけど、そこはあえてツッコミはなしでお願いします。
ほら、あれだよ…作者の都合ってやt((殴
どんどん下へと降りていくエレベーターの中で、アタシはフッと思い出したように隣にいるキーボを見た。
今では武装を解いていて、いつも通りの姿だ。
そんなキーボに「ちょっとだけ、ジッとしてろよ」と声をかけてから、キーボの腕にペタッと小さなシールを貼ってやった。
「あの…これは?」
「ん?お守りみたいなやつだよ」
まぁ、何かなんて嫌でもいずれ分かるさ。
ガタガタと音をたてて止まったエレベーターから、みんながゆっくり降りて裁判場に足を踏み入れていく。
裁判場には、すでにモノクマ達の姿があった。
アタシ達16人が用意された証言台の前に立つのを確認すると、モノクマは「うぷぷ…」と不敵に笑い出す。
「まさか、オマエラ全員揃ってここに立つ事になるなんてね…。で、それなりの手掛かりは得たんだろうね?オマエラがずっと捜していた首謀者と学園の謎の手掛かりを!」
モノクマにそう問われた事で、みんなの表情が強張る。
だけど大丈夫。
手掛かりは…必要なコトダマはある。
みんながいる。
それが何よりも、今のアタシには心強い。
「それじゃあ、早速なんだけど…何について話すの?」
「あっ、だったら俺からちょっといいっすか?」
議論を始める前に、天海が手を上げた。
誰も止める事はしないので、天海はそのまま話し出す。
「やっと、俺の才能が分かったんすよ。知らない人もいると思うんで言うっすけど…俺の才能は『超高校級の生存者』なんすよ」
「確か…天海さんは前回のコロシアイを生き残った『超高校級の生存者』なんでしたっけ?」
一緒にビデオメッセージを見ていた茶柱がそう言った事で、「前回のコロシアイ?」とゴン太が首を傾げた。
「うむ。じゃが、その時の記憶は失ってしまっておるがな」
「どうせ、モノクマが奪ったんだろ」
百田がそう吐き捨てると「そうだけど、それがどうかした?」なんて返事がモノクマから返ってきた。
「それで、天海君には生存者特典としてビデオメッセージと生存者特典のモノパッドが与えられていたみたいなんだ」
「生存者特典…ですか?」
何も知らないキーボや他のみんなに、天海が生存者特典のモノパッドを見せる。
「このモノパッドはみんなのモノパッドと違って、図書室の隠し扉や研究教室といった場所の地図に、コロシアイを終わらせるヒントってのがあったっす。だから俺は、最初の動機の時には既に隠し扉の存在を知っていたんすよ」
各々納得していく中で、アタシは「じゃ、次なんだけどよ…」と言って、モノクマにモノチッチの写真を見せた。
「あら、お父ちゃんソックリで可愛いわね」
「なんや、その写真」
「…オラ、知ラナイ」
「オイラ知ってるよー、そいつは同じモノクマーズでモノチッチっていうんだー」
「なんで知ってんだよっ!?」
真っ先にモノクマーズが喋り出した事で、喋るタイミング逃した。
ちょっと今だけ黙ってモノクマーズ。
「こいつの撮った映像は、マザーモノクマを経由してモノクマに送られる…。だったら、首謀者は隠し部屋にいる時は、オレ様達の行動を知っていたんだな?」
「うん、そうだね。今もオマエラの事を見てるよ」
「…隠し部屋じゃなくて、オレ様達と同じコロシアイ参加者として見ているんだろ」
そう言った瞬間、周りの温度が下がった気がした。
というか、絶対下がった。
「首謀者がこの中にいるっていうのは、本当なの?」
「そんな訳ないよ!今もマザーモノクマを通して見てるだけなんじゃないの!?」
春川と白銀が、ハッとしたように発言する。
アタシはモノクマの様子を窺ってみるも、話し出すような気配はない。
「今、マザーモノクマは壊れている。モノクマ、それでも首謀者は隠れたままだって言うのかよ?」
もう少し押せば話すか?
だけど、押し黙ったままで何も言ってくれない。
「ねー、首謀者って何のことー?」
「アタイ達の知らない話しね」
代わりとばかりに話し出したのは、モノクマーズだ。
ちょっと悪いんだけど、ややこしい事になりそうだし黙ってほしい。
「みんなも知ってると思うけど、図書室から隠し部屋に入るには、隠し扉でカードキーを使わないといけない。前に、カードキーに埃を詰めてみたら使われていた痕跡があったんだ。この中の誰か…なんて出来れば考えたくないけど、その可能性はあるよ」
タイミング的には遅いけれど、最原からの賛成を貰った。
よしっ、どんどんやってみよう。
「可能性はあるじゃなくて、実際そうなんだよ。マザーモノクマも言ってただろ?オレ様達が捜している人物は頻繁に訪れているって」
「へー…。じゃあ、本当にオレ達の中にいるんだ?うわー、誰だろう!」
なんで、王馬はそんなに楽しそうなの?
あぁ…いいや。今はそれよりも議論を進めないと。
「つー訳でだ。最初の動機のタイムリミットの時…変なBGMが鳴ってる時に何をしていたのか、オレ様に暴露しやがれ!」
あちこちから「なんで!?」って声が上がったけれど、いいから喋っていけって。
意味も言わずに言ったせいか、みんな言うのを渋っていたけど「しょうがないなー…」と赤松が困ったように話し出した。
しょうがないってなんだよ。
「えーっと…私は最原君と1階の空き教室で見張りをしていたよ」
「俺は自分の部屋にいたな」
「ボクも自分の部屋で過ごしていましたけど…」
「実は、オレも部屋にいたんだよねー」
「ゴン太は、モノクマと戦う為に百田君達と一緒にいたよ」
「他には、ハルマキに茶柱、夜長、夢野、天海、入間もいたな。天海と入間は途中で図書室に行ったけどな」
「わたしは食堂にいたよ。東条さんと真宮寺君も一緒にいたけど…途中でトイレに行ったよ。食堂近くのトイレは使えなかったから、2階に行ったけどね…」
上から赤松、星、キーボ、王馬、ゴン太、百田、白銀が証言していく。
渋ってたわりには、いい感じに進んでいるかもしれない。
それじゃ、ちよっと突っ込んだ話しにしていこうか。
「なぁ、白銀…テメーが食堂を離れたのは、本当にトイレに行く為だけだったのか?」
「え……?」
アタシが行った言葉が理解者できないのか、少し青ざめながらも「どういう意味?」と白銀が聞いてくる。
でも、アタシが何かを言う前に「そっか…」と春川が口元に手を当てながら呟いた。
「あのBGMが鳴っている時に、校舎1階の女子トイレに行こうとするなんて…偶然だとしても見過ごせないよね。だって、あのトイレには隠し通路があったんだし」
思い出したのか、星と百田が気まずそうに視線を逸らしていた。
あの時は、笑いそうになってごめん。
「その隠し通路は、どこに繋がっていたのかしら?」
「あの図書室の隠し部屋だったよ」
東条の問いに春川が答えると「ちょっと待ってほしいっす」と天海が慌てたような声を出した。
「そんなの、俺の生存者特典のモノパッドには書いてなかったっすよ…!」
「つまり、首謀者のみが知る抜け道って事だネ…」
真宮寺にそう言われた事で、天海の顔からサーッと血の気が引いた。
もしかしたら、最悪な結果になった場合の事でも考えてしまったのかもしれない。
…そうならなくて、今は本当に良かった。
「でもでもー、なんで1階のトイレは使えなかったのー?」
アンジーの疑問に、意外にも夢野が「入間の発明品じゃ!」と大声を上げた。
「ウチは、ただならぬ魔力を感じて近くにおったから見たんじゃ!入間の発明品が、誰もトイレに侵入できんバリアを貼るところをな」
あー…そういえば、あの時夢野に会ったっけ。
ていうか、え?たまたま通りかかったとかじゃなくて、見てたの?
うわっ、恥ずかしい。
「ま…待ってよ、そんなの偶然だよ!私は本当にトイレに行こうとしてただけだよ!それに、みんなも見たでしょ?私がマザーモノクマに新しいモノクマを作るように言った時に、みんなと同じで新しいモノクマが作られなかったのを!」
「そうですよ!男死ならともかく白銀さんは関係ありません」
がるるると威嚇する茶柱に思わず苦笑いしそうになった時、「待って」と赤松からストップがかかった。
「でも、白銀さんは『作れ』って言っただけで『産め』って言わなかったよね…?」
その一言に、みんなの視線が一斉に白銀に集まる。
驚きとか、やっぱり…なんて視線ばかりがある。
「確か、マザーモノクマには声紋システムがあって、首謀者の声で『産め』と命令されないと、新しいモノクマを作らないんだったわね?」
改めて、東条がマザーモノクマの性能を確認してきたから、黙って頷く。
なんか、スムーズに進み過ぎて後が怖い。
「ねー、なんでつむぎは『産め』って言わなかったのー?」
「そ、そんなのは偶然で…」
震える声でそう言った白銀に「そう何度も、偶然が重なるのか?」と星が帽子を被り直しながら言う。
「それじゃあ、白銀さんがゴン太達をここに閉じ込めた首謀者なの?」
「その可能性が高いってだけで、まだ白銀と決まった訳じゃねーだろ!」
ゴン太の言った事を訂正するように百田が叫ぶ。
それに便乗するかのように、白銀も「そうだよ!」と大声を上げた。
「私は首謀者じゃないよ!きっと、首謀者は江ノ島盾子だよ!!ほら、今までのコロシアイだってそうだったでしょ!?」
「ですが、江ノ島盾子は既に消滅したはずです!」
キーボがそう言った途端、モノクマがなぜか「うぷぷ…」と笑った。
「そんなはずないよ!だって、江ノ島盾子は…」
「江ノ島盾子は?」
まるで、オウム返しのようにモノクマが白銀の台詞を真似る。
「だって、江ノ島盾子は…!」
「江ノ島盾子がなんなんだー!」
待ちきれないとばかりにモノクマが大声を上げた瞬間、どこからか出現した白い煙が白銀の姿を隠した。
「だって、江ノ島盾子は……」
「ここにいるじゃなーい!」
煙が晴れると、そこには白銀の姿はなかった。
代わりに、クマのヘアゴムを付けたツインテールの少女の姿があった。
超高校級の絶望、江ノ島盾子の姿が。
まぁ…白銀のコスプレなんだけどね。