そんな近状報告はさておき、今回から最終章に入ります!
ここまで、長いようで短かった…(だいたい僕のせい)。
過去話をたまに見直したりしてると、誤字の嵐が凄いですね。
気づいた所は修正してますが、それでもまだまだある予感が…orz
ある意味モノクマに喧嘩をふっかけたような形になったけれど、お咎めとかはなくモノクマはその場から去っていった。
まぁ、校則にも学園について調べるのは自由ってあるんだし…大丈夫だよな。
文句があるなら、校則変えてみやがれバーカ……と思ったけれど本気で変えたりしたら嫌だし忘れよう。
それに、アタシには別の問題があるんだし…。
「……春川、ごめんって」
「オレもやり過ぎだって、入間ちゃんに言ったんだよ?それなのに聞いてくれなくてさ…」
「黙れクソヤロー。殺されたいの?」
みんなの目の前で、王馬と一緒に春川の前で正座して謝る。
隣でヘラヘラしながら正座している王馬は、余計な嘘を吐くぐらいには余裕そうだ。
なんでこんな事をしているか…ぶっちゃけ、プレス機ドッキリが原因だったりする。
プレス機で偽の死体現場作る事なんて、誰かさんのせいで作戦を変更して急遽作ったものでしかない。
それを知らず、本当にコロシアイが起きたと心配した春川に、みんなの前で謝罪…。
こんな謝罪会見やりたくない。
「こんな事、次からはしないでよね」
「本当にスミマセンでした」
無事に終わったので立ち上がろうとするも、正座している内に足が痺れてしまったのだろう。
上手く立ち上がれず、その場に座り込む。
…同じように正座していたはずの王馬が平気で立っていて歩けるのが、アタシは不思議でたまらないんだけど。
負けじともう一度立ち上がろうとすると、今度はちゃんと立てたけれど……正直、立っているので精一杯って感じだ。
歩くとか絶対無理。
「それで…学園の事を調べるって言っていたけれど、どこを調べるの?僕達でも分からない場所となると…」
何か言いかけて黙った最原に、アタシはニヤリと笑う。
「んなの、怪しそうな場所片っ端からに決まってんだろ。気づかなかった発見とかもあるだろうし…図書室の隠し扉も、あれから曖昧になったままじゃねーか」
図書室の隠し扉…と聞いて、みんなが反応を示した。
ありゃ?なんでみんな「そんなのあったな…」みたいな顔してんの?
ゲームと違って学級裁判とか起きてないし、隠し扉の存在知ってる人なんてさ、一部だけじゃなかった?
「そーいえば、最初の動機が有耶無耶になった時に終一とも話していたけど、今まで忘れてたな!」
「わざわざ部屋にいた奴とかも呼んでたくせにね」
…ん?つまりどういう事?
百田と春川の話しについていけなくて首を捻る。
「どうしよう。オレ様、話しに置いていかれてる」
「ゴン太で良かったら説明するよ?」
アタシの呟きを聞いたゴン太が、説明役に出てくれる。
おー…さすが紳士。
「えっと、つまり…ゴン太達みんな、図書室の奥に隠し扉があるのは知ってるんだ。あのタイムリミットの時間に百田君がみんなを図書室に呼び出してさ。最原君と天海君から、その隠し扉がどんな意味を持つのかって事を聞いてたんだよ」
なにそれ、初耳。
アタシが寝落ちという失態をやらかした時とはいえ、そんな大事な事は報告してほしかったな!
……誰とは言わないけど。
「首謀者が分かれば、こんな学園生活から…今度こそ終わる事ができるのか?」
「うん。今度こそみんなで外に出よう!首謀者と学園の謎を見つけてさ!」
みんながそんないい雰囲気になっている中、誰かが「あっ…」と間抜けな声を出した。
それと同時に、アタシの袖を誰かが引っ張る。
誰だよ。今、めっちゃいい雰囲気なのに。
「どうしよう入間ちゃん。キー坊のアンテナ引っこ抜いちゃった…」
そんないらん報告をしてきたのは王馬だった。
いやいや、いつもの嘘だろ?
キーボのアンテナ引っこ抜くって何?
とりあえず無視だ。
「もう、キー坊のアンテナで遊んでたら抜けたんだって!嘘じゃないよ!」
見せつけるように王馬がアタシに差し出したのは、確かに誰かのアホ毛みたいなやつで。
キーボを確認してみると頭のアホ毛が消えていて、ロード中なのか固まっていた。
再び王馬の持っているモノをもう一度見て、助けを求めるようにみんなに視線をやった。
「「何やってるの王馬君!!!」」
真っ先にそう叫んだのは、最原と赤松のアンテナコンビだった。
ほんと何やってくれてんだろうね。
「一回、痛い目に合えばいいんじゃない?」
そういうや否や、春川の姿が視界から消えたと思えば王馬の前にいて。
あっという間に、王馬が首を捕まれて宙ぶらりん…という事になっていた。
「ハルマキ、それはやり過ぎじゃねーか…?」
百田に言われて春川はパッと手を離したが、納得はできないらしい。
ギロリと王馬を睨んでいた。
「また、入間の仕事増やしたら許さないから」
…アタシの事を思っての行動だったらしい。
というか、キーボを修理するのはアタシで決定なのか。
別にいいけどさ。
「いえ、その必要はありません」
だけど、キーボ自身がそれを否定した。
どうやら問題なく動く事はできるようだ。
まぁ、ゲームでもそうだったし…変に暴れない限りは問題ないと思いたい。
「本当になんともないんだな?」
「はい。内なる声が聞こえないだけで、特に問題ありません。では、ボクは自分の研究教室に行きますね。ちょっと確かめたい事があるので…」
研究教室に向かったキーボをみんなで見送ると、アタシは東条に「あのさ…」と声をかけた。
「どうかしたの?」
「オレ様に、何か食べ物をください…」
格納庫にいる間、ずっとガチャの景品で持っていた食べ物しか食べてなかったから、まともなご飯が欲しい。
塩キャラメルとか誰かの顔した饅頭とかは、暫く見たくもない。
×××××
久しぶりのまともな食事を終えて、一息つく。
お腹一杯で動ける気がしない。
いっそのこと、このまま昼寝でもしてやろうかと思う。
「五分だけ…仮眠するか」
テーブルに額をくっつけ、瞼を閉じる。
そのまま夢の世界へ……行こうとしていたら、テーブルが揺れた事で身体を起こす。
悪戯でテーブルが揺れたとかじゃない。
地震が起きたみたいに、学園全体が揺れてた。
あぁ…嫌な予感がする。
ご飯食べてのんびり…なんてするんじゃなかった。
食堂から出て、玄関ホールへ足を進める。
玄関ホールへ行こうと思ったのは、ただの勘でしかない。
だけど、そこまで行くとキーボを除いたみんなの姿があった。
「な、なぁ…これって何の騒ぎ?」
未だに感じる揺れに内心でビクビクしながら、アタシは集まっているみんなに聞いた。
「キー坊がエグイサルと乱闘してるんだよ!」
「それが、部屋から出たら…」
「モノクマが邪魔してきやがったんだ!」
「研究教室を調べてたら、急に学園が揺れて…」
見事にバラバラだった。
パニック議論みたいになってるけど、1人分多い。
こんなんじゃ、コトダマ撃つ事もできないよ。
そもそもウィークポイントどこ?
…これを止めるようなコトダマなんて持ってないけどな。
とりあえず、キーボがエグイサルと戦ってる事しか分かんない。
流れ!そうなった流れは!?
「あー、もう!みんな落ち着いて!私が説明するから!!」
赤松が大声を上げた事で、パニック議論終了。
それぞれ自分の主張をしていた人達が黙り込む。
「ほら、学園内を調べて首謀者の正体を暴く!って事になったからさ、モノクマがエグイサルを使ってそれを阻止しようとしてきたの」
エグイサルを使って…あれ?
モノクマーズいつの間に復活した?
「そしたら、武装したキーボ君がエグイサルを引きつけてくれて…」
この揺れの正体と、大まかな流れは分かってきた。
良かった…ゲームの時とは違って、キーボが勝手に暴れてる訳じゃなかった。
もしゲーム通りに暴れてたら、アホ毛直さなかった事を後悔するところだった。
「キーボさんがエグイサルと戦っているのなら、転子達も加勢した方が!」
「いや、それはキーボ君の足を引っ張る事になるかもしれない。モノクマやエグイサルの事は彼を信じて任せよう」
今にも飛び出しそうな茶柱を、最原が止めた。
「じゃあさー、その間アンジー達は何をするのー?みんなでキーボが上手くいくように神様にお祈りするー?」
「他に、俺達ができることをした方がいいんじゃねーのか?」
星にそう言われてアンジーは「うーんっとねー…」と考えだした。
あれは、そう簡単に思考から戻ってこないんじゃ…?
「最原君達には、何か考えがありそうだネ」
「だったら言ってやれ、終一。安心しろ、助手を助けるのはボスであるオレの役目だからな!」
真宮寺や百田にそう言われて、最原は力強く頷いた。
「うん。キーボ君がモノクマの相手をしているんなら、変に邪魔される事もないかもしれない。だから今の内に、僕達でこの学園を調べよう。みんなで力を合わせれば、きっと首謀者に辿り着けるはずなんだ。そうだよね、入間さん」
「へっ?」
いきなり話しを振ってくるとは思わなかった。
いや、なんでこっちに振った?
あー…うん。まぁ、いいや。
「当たり前だろっ!とりあえず、手分けして手当たり次第に調べれば、なんとかなるんだよ!」
自分で言っておきながら、雑だなと思う。
けど、そんなの気にしてられない。
「うぅ…ドキドキしてきました」
「本当に、首謀者なんているのかなぁ…?」
「いるよ。私達で絶対に見つけよう!」
「あぁ、やってやろーぜ!」
「ウチも本気でいくぞ」
「みんな、無茶だけはしないでちょうだい」
「何かあったら、ゴン太が助けるよ!」
「神様もいるから安心だねー」
「それは頼もしいっすね」
「ククク…今のみんなは最高に美しいヨ」
「ここらでクールに決めてやるか…」
「首謀者は絶対に殺す」
「それは止めろよ。オレ様の発明品の実験台にするからな!」
「にしし。盛り上がってきたねー」
「それじゃあ…みんな、また後でね」
このコロシアイ学園生活に、みんなで終止符を打とう。
だって、これは最終章なんだから。