友達「最赤・百春の要素入れるんだったら、憑依してる入間も誰かとらーぶらーぶしちゃえばよくね?」
僕「えー…考えるのめんどい」
友達「候補を上げるとしたら、最原・キーボ・王馬・天海・赤松・春川とかどうかな?あっ、それともクジで…」
僕「は な し を き け 。お前好みの展開にさせるつもりか!?しかも、後半に関しては百合展開!?」
なんであいつは、突然こんな事言い出したんでしょうね?
意味がわからないよ。
所詮、あいつも男死という事なんだね。
和食を食べたい気分だったから東条にお味噌汁を用意して貰い、それを朝食として食べていた。
洋食もいいけれど、和食もいいな。
…まぁ、東条の作る料理はどれも美味しいから食べれたら、なんでもいいんだけどな。
「それはそうと、アレはどうなったんですかね?」
「アレ?」
茶柱の疑問に、何の事だろう…とゴン太が記憶を辿るように唸るが、なかなか出ない事に痺れを切らしたのか「モノクマの動機じゃ」と夢野が憂鬱そうな顔をしながら答えを出した。
「そういえば、今日の朝が期限だったな…。何も言わねーって事は、モノクマも忘れてるんだろ」
「なら良かったんだけどネ…」
そんな不吉とも呼べるような事を言いながら、真宮寺が指差した先には「はいはい、ちゃんとやるって…」とやる気がなさそうなモノクマの姿があった。
「はい、注目ー…」
そう言ってアタシ達の視線を集めるモノクマの声には、いつもの覇気が感じられなかった。
知らない間に、何があった。
「えー…ほら、この前言った動機のね、オマエラの学園生活内での他人に秘密にしている事を発表しに来たんだけどさ…。オマエラ、全然コロシアイしてくれないし、批判が酷いしで…ボクのやる気がなくなってるんだよね…」
ポツポツと喋るモノクマから、何か聞き逃してはいけないような単語が聞こえた気がしたのは、アタシの気のせいなんだろうか。
みんなも気になったのか「批判…?」と、誰かが呟いた。
「もう…とりあえずさ、何人かだけ発表してボクは少し休む事にするよ」
「というわけで、オイラ達が5人だけ選んで発表するよー」
「お父やんを休ませなアカンしな!」
やる気のないモノクマに代わって、モノクマーズが小さな四角い箱を持って場を仕切りだした。
「ソレジャ、引クヨ…」
モノダムが箱に手を入れていき、箱から手を抜いた時には紙を持っていた。
発表される5人って、くじ引きかよ!?
「モノダム、紙にはなんて書かれてるの?」
「…『コスプレイヤー』ダヨ」
「えっ、わたし?」
自分の才能を読み上げられた白銀が不安そうに、表情を曇らせる。
白銀の秘密…ねぇ。
「それじゃあ、発表するわね。白銀さんの学園生活での秘密は…『毎朝、誰もいないのを確認して図書室で薄い本を読んでいる』よ」
「ぶっ!」
モノファニーが発表したのは、思いもしなかったもので…正直、笑いそうになった。
というか、お茶吹きそうになった。
……今だけ飲むの止めとこ。
「うすい…本って?」
「ゴン太君は知らなくていいんだよ!」
「えっ?う、うん…」
薄い本というのが気になったゴン太が白銀に聞いてみたが、白銀の剣幕に負けてそれ以上聞こうとはしなかった。
「ほな次は~…『探偵』や」
次は最原か。
正直、ゲームのプレイヤーとしては…秘密になりそうな事なんてなさそうだったけどな。
「最原君の学園生活での秘密は…『カジノで手に入れた鍵を毎晩使って、楽しんでいる』だって」
それかい!?
まさかの愛の鍵なの!?
それって、秘密に入るのかよ!?
最原の方をチラリと見てみると、机に突っ伏して耳を塞いでいた。
何も聞きたくないってか。
「続けていくぜッ!お次は…『発明家』だ!」
……アタシ?
いやいや、アタシに秘密なんてあるわけ…
「入間さんはね…『キーボ君に、ロケットパンチをする機能をつけた』よ」
…あったわ。
なんか、王馬とキーボが五月蝿いけれど無視しておこう。
ほら、ロケットパンチぐらい、大したことないし…ね?
「次は…『マジシャン』よ」
「マジシャンではない!魔法使いじゃ!」
夢野が即座に訂正をするように訴えた。
「ええっと、夢野さんの学園生活での秘密なんだけど…『鏡の前で笑顔の練習をしている』ですって」
「きゃー!夢野さん、可愛いすぎです!!」
「や…止めい」
抱きついてきた茶柱を引きはがそうと夢野はもがくが、引き離す所か余計…抱きしめられる力が強くなっているような気がする。
「それじゃ、最後は…『宇宙飛行士』だよー」
モノタロウが引いた紙には、宇宙飛行士と雑な字で書いていた。
百田の秘密が最後…なのか。
「百田君の秘密なんだけどね…実は『命に関わる病気にかかっている』のよ」
……あっ。
病気の存在忘れてた。
「んなの、嘘に決まってんだろ。証拠に、オレはこの通りピンピンしてるぜ?」
ニカッと笑ってアタシ達にそう言い放った百田に、みんなして「本当に?」と表情を暗くしていた。
そんな雰囲気でも気にせずに、モノタロウが「あのね、まだオマエラに渡す物があるんだよ」とアタシ達の目の前にオブジェのガラクタを渡してくる。
ちょっ、今かよ。
後にしようとは思わないの?
「あっ、今回は動機でもある謎のカードキーもプレゼントするからね」
それに便乗するかのように、モノクマからサラリととんでもない発言が落とされる。
「今…動機って言った?」
「そうなんだよね…。このカードキーが今回の動機なんだよ」
ヒラヒラ~とカードキーを見せつけるモノクマを見て、「それの何が、動機に繋がるのかなー?」とアンジーが不思議そうに呟くと「それを使った場所に、本当の動機が隠されているかもしれないね…」と最原が探偵らしい憶測を述べた。
「気になるなら、使えばいいんじゃない…?」
「じゃ、そのカードキーはオレが貰うねー」
「あー…うん、勝手にしなよ」
ずっとやる気がないモノクマから、動機のカードキーを奪い取ると王馬は「じゃ、使ってみるからバイバーイ」と食堂から出て行ってしまった。
「おい、それは動機なんだぞ!?待ちやがれ!」
「ったく…一人じゃ大変だろ。俺も手伝うか」
王馬の後を追いかけて、百田と星までもが食堂から出て行く。
どうしよう…アタシも追いかけるべき??
「そうそう、思い出しライトもどこかに隠しておいたから、探してみるといいわよ。お父ちゃん、いい加減元気出して」
「そうだよお父ちゃん。オイラ達がついてるよ!」
「そんな事言われても…やる気がおきないんだよ」
モノクマーズに引っ張られるような形でモノクマ達が食堂から出て行くと、残されたアタシ達は「これからどうする?」という空気が漂った。
「ここは、王馬さんの持っている動機も気になりますから、最原さんと一緒にオブジェの探索をするグループと王馬さんを探すグループに分かれますか?」
茶柱がゆっくり手を上げながら、これからの行動について提案を出すと「だったら、それで決まりだね!」と赤松が賛成して残ったメンバーでグループ分けをしだした。
アタシ?
もちろん、ボイコットするに決まって…
「入間さん、一緒に行こう。最原君もそれでいいよね?」
「うん。僕は別に構わないよ」
赤松と最原という壁が立ちふさがった。
お前らはいつから、アタシの見張りになったんだよ。