憑依してしまった以上、救いたいと思った   作:まどろみ

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相変わらず思いついたものを勢いで書いてしまうこの癖を、そろそろなんとかしたい。

あっ、3章終わった後に書く休題のアンケートを作ったので、答えてくれたら嬉しいなー。(ドキドキ)



転校生 オブ ザ デッド⑤

 

本日の朝食会はやけに騒がしかった…らしい。

 

らしいというのは、アタシは朝食会に参加せずに研究教室に引きこもってたのと、人から聞いた話しでしかないからだ。

 

最初は、昨日発表された動機についてみんなで話しあっていたみたいなのだが、何故かどんどん話しが脱線していき降霊術の話しになって、モノクマーズが思い出しライトを持って食堂に現れるという事になったようだ。

 

…なんで、動機の話しからそんなに脱線したんだよ。

 

これらの話しはキーボから聞いたものだったけれど、「ボクにも理解不能です」と切り捨てられて、自分で色々考えた結果「気にするだけ無駄」という結論に至り考えるのを放棄した。

 

で、モノクマーズが思い出しライトを持って現れた後は、みんなを集めて使おうという話しになったらしい。

 

 

しかし、そこでちょっとした事故が起きたようで。

 

 

「僕、他の人達を呼んでくるよ」と最原が走り出す。

        ↓

走り出した最原に、王馬が足を出して転ばせる。

        ↓

最原の目の前には思い出しライトを受け取った赤松が!

        ↓

2人揃って転けてしまい、思い出しライトが宙を舞う。

        ↓

そこに「遅れてごめん!」とゴン太が食堂にin。

        ↓

その時に、何かが「グシャリ」と壊れる音が。

        ↓

みんなしてゴン太の足元を見ると、そこには潰された思い出しライトの残骸が。

        

 

 

 

 

どこのギャグ漫画?

見たかった…じゃなくて、王馬は何してんの!?って聞いた時は思った。

そんなのフィクションの世界でしか見れない…って、ここもある意味ではフィクション世界だったわ。

 

とりあえず、そんな朝食会での出来事を教えてくれたキーボにはお礼としてメンテナンスをしたり、改造をしてやった。

 

新しい機能?

本人曰わく「涙を流す機能が欲しいです」との事で、希望通りに目から水を流せるようにしてやった。

…こっそり、ジュースの機能を入れようかどうか必死に悩んだけど。

 

後は、みんな大好きロケットパンチが出せるようにしてみた。

…まぁ、30㎝ほどしか飛ばないし威力も低いけどな。

 

ロケットパンチ機能を追加したことはキーボには言わず、そのまま研究教室を後にしたキーボを見送ってから、今現在までずっと発明品を造る事で時間を潰してた。

 

「…こんなもんでいいか」

 

手にしていた道具を置き、ゴーグルをグイッと頭に持ち上げるとアタシは「んー…」と大きく伸びをした。

今回造ったのは寝ながら○○できるシリーズという事で、寝ながら会話できる発明品という…まぁ、遊び心のものと、本命でもあるエグイサルを操作できるコントローラーと、誰がどこにいるのか一目で分かる懐中時計型の機械。

 

…後者については、非常に大事なものなので常に持ち歩いておく事にする。

 

 

 

×××××

 

 

「主は言いました…美兎と一緒に過ごしなさいと」

 

校舎4階にある超高校級の美術部の研究教室に入るなり、アンジーに突然そんな事を言われた。

何も言わずにいるアタシの目の前で「ねーねー、何するー?」とアンジーは身体を左右に揺らしていたが、アタシがあるものを見て固まっているのに気づくと「あー、あれねー…」とアンジーは笑顔を浮かべた。

 

「凄いでしょー。アンジーと神様の作品なんだよー」

 

「どう見ても、呪いの絵じゃねぇか!?」

 

そう叫んだアタシにアンジーは「えー…そうかなー?」と不思議そうにキャンバスに描かれた絵を見た。

 

いや…だってね?

禍々しいオーラというか…見ているだけで落ち込んでしまうような…何か出てきそうなな…そんな絵なんだよ?

上手く説明できないけど、見ただけでヤバいって言える。

そういうのは、ホラーゲームだけでいいって。

 

「でもでもー、美兎は終一や楓達みたいに倒れてないし、きっと神様に選ばれてるんだよー!」

 

「見せたのかよ!?」

 

達って事は、名前を上げなかった人も何人か被害者になってるんだよね!?

てか、倒れたって何が起きたの!?

 

「きっと、美兎もアンジーみたいに神様を感じる事ができる日が近いよー。にゃははは、楽しみだねー」

 

…喜ぶべきなのか、何も言わないでいるべきなのか。

この場合は、どっちになるんだろうな。

でも、アンジーが楽しそうなんだし別にこれはこれでいいか。

 

「神様っていえば…アンジーの神様ってどんなやつなんだよ?」

 

「神様は神様だよー。人によって姿を変えるからねー、アンジーの神様を美兎が見る事はできないよー?」

 

あぁ…うん。

聞いたアタシが悪かった。

 

「因みにねー、美兎の側にいる神様はー…」

 

そこまで言うと、アンジーの顔から急に笑顔が消えた。

えっ、待って。

なんか怖いんだけど。

 

「にゃははー、沢山の神様がついてるねー。美兎ってば、神ってるー!」

 

「なぁ、それ本当に神様かよ?ヤバそうなのいるくないか?」

 

だって、さっき真顔だった時に「うわー…」って小さな声で言ってたし。

絶対アタシ何かに憑かれてる…って憑いてるのはアタシなんだけどさ。

 

「大丈夫だよー。そんなに沢山の神様に愛されている美兎なら、明後日の朝に発表されるモノクマの言う動機の秘密も、そんなに大したことないねー」

 

ていうか、実際大した事ないだろ。

だって、バラされるのは『学園内で他人に秘密にしている』事だ。

秘密事なんて抱えていないアタシには、関係ないしな。

それに…それは、他の人だって言えるはずだ。

 

大丈夫とは思うけれど…もし、他の誰かが動くという事を考えたら。

ううん、きっと大丈夫なはずだ。

その為の朝に造った発明品なんだし、寝なければ問題ない。

 

寝不足と徹夜は友達ってやつだ!

…悲しいな。

 

 


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