活動報告でのアンケートのご協力、ありがとうございました!!
いやー…クジを作るのが、めんどk(殴
思っていたよりも、回答をくれる人がいて嬉しかったです!
集計の結果、僕が書く事になったのは……この人だっ!
でも、あまり期待しないでね?
愛の鍵…それは、招かれた相手が鍵を持つ人物を理想の相手と想い、自身の妄想に溺れる夢のひとときを見せるもの。
そんな鍵を片手に持ち、アタシは今回会うのは誰なんだろう…と考えながら一室の扉を開けた。
目がチカチカするような内装の部屋に、今回の相手である彼女はジッ…とアタシを見ていた。
さて、東条はアタシにどんな理想を抱いているのか…なんて、実はなんとなく予想できてたりする。
だって、東条はメイドだし…ね。
「入間さん、聞かせてちょうだい…この前言っていた事は、本当の事なの?」
「……へっ?な、なんの事ぉ??」
いきなり東条にガッシリと肩を掴まれ、アタシは狼狽えるしかなかった。
あれ?アタシが予想していた物となんか違う。
「そうよね…いきなり言われても、何の話しかなんて分からないわよね。ごめんなさい。同じメイドである貴女が、私の悩みを解消する物を作ってくれるって聞いてから…自分でも驚く程に舞い上がってしまってたみたいだわ」
「えっ?えっ?」
同じメイド?
悩みを解消する物を作る?
あの東条が、思わず舞い上がる?
おかしいな。
アタシの予想では、お嬢様扱いされる予定だったのにな。
一体何が起きてこうなった。
「あ~、東条の悩みって確か…」
そう言ってみるも、何も思いつかない。
えぇ…待って。
今回難しくない!?
東条に悩みなんてあったか!?
1人慌てるアタシに、東条は「覚えてくれてたのね」と微笑んだ後、顔をうつむかせた。
「私の悩み…どうしても、こんにゃくが切れない事よ。こんにゃくが切れないメイドだなんて、笑い者にされてしまうもの。今の所、他のメイドや旦那様達には気づかれていないみたいだけれど、いつかは私が作る料理にこんにゃくがない…って怪しまれるわ」
…悩みって、こんにゃくですか。
確かに、そんな設定あった気がする。
うん、あんまり覚えてないけど絆イベントで言ってた。
「も、もうすぐ完成間近だからな!あれが完成すれば、こんにゃくでもスパスパと切れるからな!」
とにかく、ここは話しを合わせるべきだ。
アタシがそう言うと、東条はうつむいた顔を上げて目元を手で拭った。
泣くほど嬉しかったの?
「やっぱり、貴女に悩みを打ち明けて良かったわ。発明家で知られる入間家のお嬢様が私と同じメイドとして働いている…って知った時はとても驚いたけれど、今はそれに凄く感謝しているし、とても誇りに思うわ」
「お…おう?」
なんか、アタシの設定が凄い。
どこからツッコミを入れたらいいのか分からないけど、とにかく凄い。
戸惑う事しかできねー…。
「だからこそ…貴女が本来の自分に戻る時に、私はそんな貴女に仕えたいと思うの。私のように、困っている人達を発明品で手助けをする貴女を支えてあげたいのよ。…どうかしら?」
「ど、どうって言われてもぉ…」
えーっと…ちょっと考える時間くれ。
今のアタシは、元・お嬢様で今は東条と同じメイドで、アタシがお嬢様に戻る時には、東条がアタシに仕えたいって事で…。
うん、なんて言うんべきなのか…。
でも今のアタシって、お嬢様じゃなくてメイドなんだよな?
何らかの理由があって。
だったら…
「それは嬉しいけどよ…オレ様は、東条とメイドとして働いている今が凄く幸せなんだ。今更、この生活を放り出したいとは思わねー。だから…主従関係とかじゃなくて、同僚…ううん、友達としてオレ様を支えてほしい」
「…そう、わかったわ。そうよね、貴女はそういう人だったわね」
残念そうに言いながらも笑っている東条を見て、アタシも気づけば笑っていた。
×××××
「………」
ベッドから体を起こすと、まずアタシが最初にやったのは布団を頭から被る事だった。
グルグル回る頭の中で考える。
東条の悩み…こんにゃく…発明品…それらのワードが浮かんでは消えていく。
「…作るか」
頭の中で固まったイメージに満足げに頷くと、『ピンポーン…』とインターホンが鳴った。
こんな時に誰だ…なんて悪態つきながら個室のドアを開けると、そこにいたのは東条だった。
朝食会に来ないアタシを心配して、呼びにきたらしい。
もうそんな時間?
でも、せっかく呼びに来てくれたんだ。
だったら、次に作る発明品の意見を聞いてみるのもいいかもしれない。
「悪い…寝てた。でも、聞いて驚け!とても良い発明品を思いついたんだっ!!」
きっと、喜ぶはずだからな。