まだ2章の途中でこんな事言うのもおかしいんだけど…2章書き終わったら、また前みたいに休題って称して愛の鍵ネタを書きたくてですね。
それで、皆さんに…どのキャラでのネタを書くかアンケートをやろうかなと思いまして。
活動報告で募集するので、い…いいかな?(チラチラ)
まだ書いてないので、多分5分か10分後になるけれど…募集していいですか!?
いや、やらせてください(スライディング土下座)
朝8時を知らせるアナウンスが鳴ってから、アタシは作った発明品の最終チェックをしていた。
…うん。遊び心で作ったやつだけど、どれも良い出来になってると思う。
これなら……
「入間さーん!」
「ひいぃぃ!?」
研究教室に響いたキーボの大声に驚いて、つい発明品を落としそうになる。
危なっ!?
せっかく作った発明品を台無しにする所だった!
「あの…入間さん?その手に持ってるのは…」
「オレ様が作ったミニキーボだ!」
ドヤッとばかりに見せつける。
これには、カメラ機能と録画機能がついている上、ラジコンを使えば動くというもの!
更に音を拾うマイクもちゃんとある。
さーらーに、ラジコンについているモニターからミニキーボが見ている景色をリアルタイムで見る事ができる上、ミニキーボに搭載されているマイクの音をヘッドホンで聞く事ができるという優れもの。
「なんでデザインがボクなんですか!?いえ、それより…今すぐ食堂に集まってください。絶対ですよ!」
「は?おい、キーボ!理由を…」
引き止めてみるもキーボは聞いてくれず、アタシの研究教室を出て行った。
えー…。理由も言わずに用件だけ言う人多すぎ。
「まっ、食堂に行けばわかるか」
ミニキーボとラジコンを入れた袋を片手に、アタシは仕方なく食堂に向かって歩き出した。
食堂に来たのは、アタシが最後だったらしい。
キーボと百田に『遅い』って言われた。
そんなに急ぎの用だったなら、何故理由を言わなかったし。
「新しい動機が配られたんだ。話し合わねー訳にはいかねーだろ」
やっと百田から食堂に集められた理由を聞いた瞬間、アタシは「はああぁぁぁ!?」と思わず叫んでしまった。
「えっ、マジ?もう動機きてんのかよ!?」
研究教室で寝てたし…個室に戻ってないんで知らなかった。
えー…そっか。
配られるの今日の夜だと勘違いしてた。
勘違いって恐ろしいな。
「なんで知らないのかは後で聞くとして…あの映像ってなんなんだろうねー?」
楽しそうに笑いながら王馬が言うと、赤松が「動機なのは間違いないよね…」とみんなを見渡した。
「でも、どうして入れ替えられてたんだろう?」
「ホントだよ!どうしてゴン太のところに白銀さんの映像が…」
「そっか…。ゴン太君がわたしの映像を持ってるんだね…」
聞きたくなかった…みたいな顔をした白銀に、ゴン太が「ご、ごめん!言っちゃダメだった?」と頭を何度も下げて謝っていた。
「で…どうするんすか?本来の持ち主と交換する…なんて言うんすかね?」
「いえ、交換はダメです」
「なんでだ?自分の『大切な人の映像』なんだぜ?見たいに決まってるだろ」
即座に反論した星に、「だからこそ…です」とキーボが言葉を続ける。
「どういう意図があるかは知りませんが、動機が入れ替えられた状態で配られているなら…ボク達がそれを交換しない限りは、自分の動機を見なくて済むということです」
「無視するのがいいという事じゃな?」
夢野に同意するようにキーボが「そうです」と頷くが、星はそれでも納得できないようで「…俺は反対だぜ」と自分の意見を貫く。
「いい加減、目を覚ましやがれ!生きる気力のねーゾンビ野郎がっ!」
「生きる気力がねー…か。そう思われてもしかたねーな」
百田に胸ぐらを掴まれても、星は意見を変える気はないらしい。
逆に、百田の方がうろたえだす。
そして、それを黙って見ていただけの王馬が「別にいいじゃん。星ちゃんは自分の意見を言っただけなんだし」と言うと、百田の怒りの矛先が星から王馬に変わった。
「ほら、モノクマの手口を思い出してみてよ?オレらが団結するからこそ、あいつはオレらを苦しめてるじゃん」
「つまり…私達が団結さえしなければ苦しめられる事もないって事?」
東条が分かりやすく言うと、王馬は「そーそー」と笑った。
「オレらは無理に協力なんてしないで、適度にバラバラの方がいいんだよ。そういう意味でも、オレは星ちゃんに賛成なんだよね」
みんなが黙りだした中で、アタシは「あ…あのさ…」とゆっくり手を上げた。
「んー何?どうかした?入間ちゃん」
わざとらしいキョトン顔で、王馬がアタシを見る。
…なんかイラッてするし、その余裕崩してやりたいわ。
「その…動機ビデオだっけ?オレ様は見てねーから分からないけどよ、本当に全員が入れ替えられてんのか?…自分宛てのを持っているやつもいるんじゃねーのかよ?」
「………」
一瞬だけ、王馬の顔から表情が消えた。
他にも数名、僅かに表情を変えた。
東条は知ってたけど…赤松と天海はマジか。
「あはは、入間ちゃんは変な事言うねー。…まぁ、言わないだけでいるかもしれないけどさ」
その言葉、そのままブーメランにして返ってきてるだろ。
王馬持ってるじゃん。
言わないけど…。
「さっ、協力しないと宣言した以上、もうこんな所でツルんでられないし…ほら、ゴン太も行こうよ」
「えっ、ゴン太も!?」
なんで!?と目を丸くするゴン太に、王馬は「えー!忘れたの!?」と声を上げた。
「どうすればみんなが動機を交換するのか、一緒に作戦会議する約束だったでしょ?という訳で、東条ちゃんは後で差し入れよろしくねー」
そう言って食堂を出て行った王馬を、ゴン太が慌てて追いかけて行く。
えーっと…これは解散って事でいいのか?
「話しは終わりか?だったら、オレ様は新しく作った発明品を試したいから行くわ」
ミニキーボとラジコンの入った袋を持ち上げて、アタシは廊下に続く出口の扉を開けた。
×××××
さぁ、レッツエンジョイ!
そんなかけ声を心中でして、アタシはラジコンを操作してミニキーボを動かした。
「…なんでここで操作するの?」
「なんとなくだ」
廊下に座り込んでラジコンを操作するアタシを、隣にいる春川が見下ろしていた。
何を隠そう、アタシが今いるのは超高校級の暗殺者の研究教室の前。
となると当然、保育士を名乗っている今の春川が部屋に誰も入らないようにと扉の前に立って見張っているわけで。
ミニキーボに廊下を歩かせ、その姿が見えなくなるとアタシはラジコンのモニターを頼りに操作していく。
おぉ…ミニキーボ視点で見ると、廊下がめちゃくちゃ広く見える。
やばい、楽しい。
「春川もミニキーボ操作するか?」
「いらない」
この楽しみを、分かち合いたかったのに断られた。
まぁ、当然の結果だけど。
ラジコンで遊ぶ春川とか…想像できないし。
「なー…春川。そこの研究教室ってお前のなんだっけ?」
「そうだけど。入れないから」
「別に入らねーよ…」
モニターから目を離さずに春川と話しをする。
おっと、ミニキーボの目の前に壁が…あっ、曲がり角か。
「赤松から聞いたけど、望んで今の才能を手に入れたわけじゃねーんだっけ?」
「…だったら何」
あっ、春川の声のトーンが下がった。
そしてマズイ。
ミニキーボの視界の遠くに王馬とゴン太が見えた。
逃げろ逃げろ。ミニキーボ回れ右だ。
「と、特に何もないけどよぉ…。誰かの為を思ってやりたくない事をして、その結果今の春川の才能があるんじゃないかって思っただけでぇ…」
「……………」
何か反応して。
アタシが不安になるから。
……って、うわっ!?
ミニキーボの視界が上に行った!?
な、何が起きた!?
「あんたって変な奴だね。…施設にいたあの子みたい」
「へ…変!?」
そこでアタシは初めてモニターから顔を上げて、春川を見上げた。
…微妙に笑ってる。
あれか、アタシが施設にいた子供と同レベルだから笑ってるのか?
というか、ミニキーボが動かない。
どうなってるんだ?
そうだ、音で何か……
すぐにヘッドホンを耳に当てる。
そしてアタシは最悪な結果になった事を知る。
『ゴン太、大変だよ!キー坊が夢野ちゃんの魔法で小さくなってる!』
『えぇ!?キーボ君、大丈夫!?どうしよう王馬君。キーボ君が何も言わないよ!』
『よーし、どうやったら元に戻るのかオレ達でいろいろ試してみようか!』
『えっ?でも夢野さんに元に戻してって頼めば…』
『馬鹿だなー、ゴン太は。そんな事したら---』
そこから先は聞いてられなかった。
アタシはヘッドホンを首にかけると、「じゃ、また来るから!」と春川に別れを告げてモニターの映像を元に走った。
最悪だ。
こんな事なら別の場所で試せば良かった。
「あっれー?入間ちゃん、そんなに走ってどうしたの?」
「オレ様のミニキーボを解放しろー!」
「えっ、入間さんの発明品だったの!?」
ゴン太、お前は少し疑う事を覚えて。
頼むからっ!
王馬も絶対わかってて嘘ついただろ。
というか、マジで返してくださいお願いします。