憑依してしまった以上、救いたいと思った   作:まどろみ

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宣言通り、今回はネタ話し回だよ!

ゲームしてたらね、どうしても…どーしても!このネタを書きたくて仕方なかったんだ!!

1章終わってキリが良さそうだし、休題と称してドーン!!!!…って勢いで投稿。


休題

 

みんなが寝静まった夜時間。

本来であれば、アタシも今はみんなと同じで寝ているのだけれど…

 

「どうすっかな…」

 

昼間に貰ったばかりの鍵を見て、頭を悩ませていた。

 

 

 

 

愛の鍵。

 

それは、カジノの景品として手に入れるアイテム。

夜になると、鍵を持つ自分とランダムで選ばれた相手が、ラブアパートの一室に招かれ…相手が思い描く妄想を夢として展開するという……まぁ、みんな大好きなアイテムイベントだ。

 

数多のファンがこのイベントの虜となり、全キャラコンプや気になるキャラを見る為に何度も寝る前にセーブして、お目当てが出るまでロードしたプレイヤーも多いだろう。

かくいうアタシも、その一人だ。

 

 

で……そのアイテムが今アタシの手元にあるわけで。

使うor使わないで悩んでいる。

 

…いや、だってさ?

あれって、確実に落としてくるじゃん?

プレイヤーキャラがキャラだったからっていう可能性もあるけど…どうしても身構えてしまう。

しかし、使いたいという思いもあるわけで。

 

 

「変な展開になりませんように…!」

 

 

 

結局、見てみたいという思いには勝てなかった。

 

 

 

×××××

 

 

 

招かれた相手は、鍵を持つ人物を自分の理想の相手と想い、自身の妄想に溺れる。

その為、どんな役を押し付けられたとしても、アタシはそれを演じなくてはならない。

そうしないと、相手は夢から覚めて苦しむ事になってしまうから。

 

「………」

 

さて…アタシの相手として選ばれた赤松楓は、アタシにどんな理想を求めているのか…。

 

 

「いよいよだね…。美兎ちゃん、準備はできた?」

 

急に話し始めた赤松に、話しが読み込めないアタシは「はっ…?」と返事する事しかできなかった。

いや、だって…いきなり『準備できた?』なんて聞かれても、何の事やらアタシには分からないし、まさかの名前呼びに驚いて何も言えなくなったというか…ほら、今の自分がどんな役なのかすら分からないんだ。

適当に『はい/いいえ』で返事するわけにもいかない。

 

「ほら、この後みんなの前で演奏会するから…」

 

「…演奏会??」

 

えーっと…つまり、赤松はこの後ピアノをみんなの前で弾くわけで………?

なら、アタシはそれのセッティングでもしてた設定か?

 

「その顔…私とピアノの連弾をするって事、忘れてたんでしょ?」

 

「えっ……?わ、忘れてなんかねーぞ!?」

 

忘れるも何も、今知ったんだけど。

…まさかの、アタシも演奏者かよ。

た、確かに誰かと一緒にピアノを弾く連弾は、楽しいと思うけどさ…。

 

「た…ただ、本当にオレ様でいいのかなって…。赤松の足を引っ張りそうだし……」

 

ていうか、実際にやったら絶対に足を引っ張る自信ある。

これが夢の中の出来事で本当に良かった…。

 

「もー…緊張してるのは分かるけど、なんで急に苗字呼びになるの?いつもみたいに楓でいいって。それに…昔から私とピアノをしてた美兎ちゃんなら大丈夫に決まってるよ!だから、自信持って…また、昔みたいに私と一緒にピアノを弾こうよ」

 

ニッコリと笑う赤松に対して、アタシは自分の設定を脳内で整理するので精一杯だ。

赤松の中でアタシは、昔一緒にピアノを弾いてて…名前で呼び合う程の付き合いがあって…これからみんなの前で連弾の演奏会をする。

 

自分の設定が今になって分かるとか、情報を引き出す能力なさすぎて辛いわ…。

 

「まぁ、たまになら…一緒に弾いてやるよ」

 

できれば、現実でできたらいいな…。

赤松に教えてもらいながらピアノを弾くっていうのも…本当に仲の良い友達みたいで楽しそうだ。

 

「ホント!?約束だからね!」

 

『約束』…そう言って、赤松はアタシの目の前に小指を出した。

指切りなんて、随分子供っぽい事をするんだな。

 

「オレ様は、約束を破らねーからな」

 

そう言って、アタシ達は一方的な約束を交わした。

この夢から覚めれば、赤松は絶対に忘れてしまう…。

ならば、アタシだけでもその約束を守ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぁ…」

 

起きたら自室のベッドの上だった。

おぅ…本当に夢だったみたいに、曖昧にしか思い出せない。

思い出せ…仕事しろ、アタシの記憶。

あっ、無理。まだ眠い。

未だにハッキリと覚醒しない意識の中で、アタシは夢の中での赤松との約束を思い出す。

 

…そうだ。

『一緒にピアノを弾こう』って約束したんだっけ。

 

思いたったらすぐ行動。

アタシが自室を出ると、ほぼ同じタイミングで隣の個室から赤松が出てきた。

だったら、ちょうどいい。

 

「なぁ、赤松…お前、今日暇か?オレ様にピアノを教えてくれねーか?」

 

 

 




というわけで…本編では絶対に書かないであろう、愛の鍵のネタでした。
ネタ話しって、一回書いたらまた書きたくてなるから困るよね…
思わず、他キャラver.で書いたネタ帳と睨めっこしちゃったよ(汗)

聞かれない内にゲロっておきますと、今回赤松ちゃんにしたのは………あみだクジの結果です。

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