ヨン様の元だけは嫌だった   作:野山林檎

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こんばんは!久しぶりの投稿です!

それでは、どうぞ!


バレンタイン01 

 

 俺は今走っている。なぜ走っているのかって?それは勿論バレンタインデーだからさ。……それは半分正解でもう半分は間違ってる。確かに俺は女子に追いかけられている。そういう意味では半分合ってる。だけど、残念ながらチョコをくれるから追いかけられている訳じゃない。だから、半分間違ってる。事は3時間前の出来心から始まる………。

 

 

~3時間前~

 

『ほぉ~ここが南流魂街78地区“戌吊”か~』

 

 京楽さん達との会合から今日で早くも6日が過ぎた。あと、一日で一護達が攻めに来る。今日まではなんとかやり過ごした。だけど、今日は特別な日である。そう、バレンタインデーだ。

 

『あぁ……ほんとなら雛森からチョコ貰えてたはずなのになぁ……』

 

 ほんと、惜しいよね。こんなことしなければ、チョコ貰えたのに。まぁ、後悔はせんが。

 

 だけど、なんもしないのも寂しすぎる。という訳で、俺は戌吊に来た。なんで戌吊かって?別に理由もなくただの気まぐれさ。

 

 まぁ、現世の渋谷とかほど活気があるわけじゃないからすることはあんまりない。でも、歩くだけでも気分転換にはもってこいだと思ってた。そう、()()()()、過去形だ。まさか、原作設定を忘れてるとは。いや、覚えてても想像できなかったが。

 

 少し歩いていると、視界に入ったのは……入ってきてしまったのは……

 

『白哉!?』

 

 どう見ても、何回目を擦っても白哉だ。勿論私服?である。隊長羽織なんてものは着ていない。

 

 いやさ、確かに白哉の元嫁もルキアもここ出身だったよ!?でもさ、白哉がここに来るなんて想像出来るはずが無くない?6日目にして訪れた最大の危機。俺は、めちゃめちゃ動揺していた。だから、すぐにしなければならないことが出来ていなかった。即ち、目をそらすこと、その場から離れる事である。けど、動揺していたせいで出来なかった、判断が遅れた。

 

『っ!?』

 

『あっ……』

 

 ほらね。こんな展開になるとは思ってたよ。神様の悪戯かなにかは知らんが白哉がこっちを向いた。そして気づいてしまった。さぁどうする!?こんなとこじゃ斬魂刀は使えない。いや、それはあっちも同じはず……鬼道を使う??いやいや……白哉の方が上手だし……。よし、

 

『よし、こういう時は……』

 

 

 こういう時は……勿論。逃げる。取りあえず逃げる。

 

『っ!?待てっ!!』

 

 言われる前に瞬歩で逃げる。行き先は、瀞霊廷である。なんで瀞霊廷かって?勿論斬魂刀振り回すために決まってんじゃん!

 

 取りあえず、瞬歩で白哉には勝てないから、最短ルートで逃げる。

 

『さぁて…………白哉が来るからどこに逃げようか……な?』

 

 瀞霊廷に入ってこれからの事を考えようとした矢先、目の前に立っていたのは……

 

『ひっ、雛森!?』

 

『俊弥君!?』

 

 

 

 こうして、俺と雛森のチェイスが始まった。こうして今に至る……。

 

~現在~

 

『お願い!俊弥君止まって!』

 

 斬魂刀を抜いて追いかけてくる雛森。止まれるわけないじゃん。

 

『止まったら捕まっちまうからな』

 

 さてさて、どこに逃げよう?このまま逃げてると他の隊長格を釣りかねないし、安全な場所を見つけなければ。その焦りがこれを呼び起こしたのだと俺はずっと信じている。

 

 そう、俺が行き着いた場所は、行き止まりだった。

 

『あらぁ……参ったね』

 

『お願い……大人しく捕まって……』

 

 どうしようか。雛森だけならなんとかなるんだけどなぁ……。雛森を傷つけるのは心が痛む。けど、やんなきゃ捕まる。当然選ぶのは……

 

『ごめん。破道の三十一 赤火砲』

 

『キャアッ!?』

 

 めちゃくちゃ手抜きだし、詠唱破棄した。それでも当然、雛森には中々なダメージが入る。まぁ、死なないからセーフ。後で、四番隊が助けてくれるだろう。

 

『じゃあなーー………』

 

 そういって、走り出す。角を曲がった先に居たのは……白哉……うん、白哉…………。

 

『待て、聞きたいことがある』

 

 おっ?これは穏便に済むルート?

 

『なんでしょう……?』

 

『兄はなぜ裏切った?』

 

 まぁ、それを聞くのは想定内。てか、むしろそれ以外を聞かれる方が困る。

 

『別に裏切った訳じゃない。でも、ルキアを殺すことには賛同できない』

 

 とりま、それっぽい理由を並べておく。

 

『そうか……なら』

 

 あっ、斬魂刀抜きやがった。

 

『卍解 千本桜景義』

 

 うわぁ。卍解しやがったよ。どうしようか……俺も卍解しなくちゃいけないのか。でも、出来るだけ避けたい。

 

 理由は、頭痛だ。使い続ければ意識が飛び、前線を離脱することになっちまう。そうならない為に、明日浦原さんが頭痛薬を作ってきてくれる。効き目の凄い奴だ。

でも、今使わなきゃ明日を迎えられない。

 

『蒼天の大空を汚す者よ 我が力で浄化され 宙に浮かぶ星の屑となって散れ』

 

 解号を唱え終え、刀が銀の太刀に変化する。でも、このまんまじゃ勝てない。

 

『卍解』

 

 人前で使うのは二度目だ。名を教えるのはこれが初めて。

 

創新滅旧の天(そうしんめつきゅうのあまつ)

 

 実際、大した変化は無い。ただ、刀が、六つに分かれた鍔を持つ、白銀の太刀へと変わっただけ。

 

『……っ!!それが兄の卍解……』

 

 驚く白哉だけど、すぐに千本桜を操ろうとする。だけど、初めっから俺は素直に闘うつもりなんて無い。

 

断罪の竜巻(アストラルメイガース)

 

 俺は、太刀を横凪に一閃する。すると、俺の周囲に竜巻が出来る。今、俺達が居る場所は簡単に言えば“無風結界”だ。なにが言いたいかって?つまりは無風なのだ。風はない。全て竜巻に飲み込まれたからな。即ち……

 

『なっ!?』

 

 そう、千本桜の花弁は全て竜巻に飲み込まれたのだ。もしかしたら、花弁は霊圧で浮いているのかもしれないけど、俺も竜巻に霊圧を込めているので関係ない。対千本桜様の必殺技だ。

 

『んじゃ、さらば!』

 

 すると、俺の体が浮いた。能力で、俺の重力を()()にしたのだ。さらに、今度は重力を固めて足場を作る。これで、竜巻の内部から脱出した。

 

 これで、隊長一人、三席一人を撃破?した。これでもう穏便には済ませられない。ここからは、適度に戦闘を回避しつつ倒せる輩は倒さなきゃいけない。めんどい……そして頭痛が怖い………。でも、やるしかないよね?全ては今後のストーリーの為に!

 

 さて、偉そうなこと言ってるけど今後の行動についてはまだ決めてない。ルキアを助けに行く?いやいや、一人じゃ無理だろ。なら、どうするか。

 

 現在、残っている敵の隊長は何人いる?まず、一番隊爺さん。二番隊激おこの砕蜂。三番隊の市丸さん。多分市丸さん。四番隊の卯ノ花さん。藍染は……多分死んでる。でも、雛森いたよね?てことは誰が牢屋に……?それと、九番隊は……誰だ?東仙か?。それと剣八とマユリだ。

 

 ざっと九人はいるかな?うん、キツいね。剣八は、一護の覚醒に繋がるから取っておくとして、爺さんは京楽さんと浮竹さんが。んじゃほかの七人は俺が相手すんの?……うわぁ……無理ゲーだ。

 

 まぁ、取りあえずとしては極力戦闘は回避。緊急の場合は無力化を目指しながらルキアの救出を目指す。……うん。自分で言っといてなんだけどほんとに無理ゲーだね。でも、やるしかない。

 

 そう心に決めて、走りだした。そこの角を曲がって……曲がって……。

 

『あ?』

 

『あっ……』

 

 出会ってしまったのは、剣八。うん、俺今日は引き運いいね。

 

 

俺のバレンタインデーはまだまだ始まったばかりです。

 




うん。バレンタインデー今日で終わりなのに前編。バレンタインデーじゃない日に後編を投稿しなきゃいけないってことね。

読んでくださりありがとうございました。

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