やっと六話ですね。
ボチボチ頑張って書いていきます。
では、どうぞ♪
気絶した天龍を執務室のソファーに寝かせて私は二人に謝る。
「二人ともごめんなさい。また先走って勝手な事して。」
頭を下げる私にお母さんは正面から電は背面からと私を包むように抱き締めてくれる。
「いつもの樹ちゃんの悪い癖ですよ?きっと艦娘さん達を想っての事だとは分かってますが、大変な事は私も電ちゃんも一緒に背負いますから、ね?」
「そうなのです。いーちゃんはいつも頑張りすぎなのです。私達だけじゃなくてきっとここの皆もいつか一緒に頑張ってくれるのです。絶対なのです。」
「お母さん…電…。」
二人の優しさに涙腺が弛んで涙が私の目に溜まって視界がぼやける。
「ですから、まずは天龍ちゃんに打ち明けてみませんか?天龍ちゃんは樹ちゃんの体を心配してましたし、信用出来ると思います。」
「電もなのです。此処に誘ったら本人は隠しているつもりみたいですが、嬉しそうだったのです。」
「本当?」
「「はい。」なのです。」
二人は力強く頷く。
その姿に私も覚悟を決める。
とりあえず、天龍が起きるまでに用意しないと。
――――――――――
「うっ…ここは…?」
「…え?」
予想してた以上に早く意識が回復した天龍。
あんなに激しく打ち付けていたからもっと掛かると思っていた私はまだ着替えていた。
もっと詳しく言うならショーツだけである。
ブラすらしていなくてその姿を天龍がまじまじと見ている。
一つ言い訳をさせて欲しい。
私は裸を見せたい訳ではなくてちゃんと女の格好をした姿を見せたかっただけなのだ。本当だよ?
「ひっ「っ!?ま、待て!」むぅーーー!!」
とっさに叫んでしまう私の口を天龍が押さえるが。
「きゃっ!?」
「のわっ!?」
ドサッ!
勢い余り押し倒される形で二人とも倒れてしまう。
ムニュ。
恥ずかしくて何処かとは言えないが天龍の手が私のある部分に触れてしまう。
「ひっ!?~~~~~~~!!?!?!?」
「いや、ちょっ、これは違っ『バチンッ!!』ぶべっ!!」
思いっきり天龍の頬を叩いて天龍が横にふき飛ぶ。
バンッ!
「いーちゃん!?」
「樹ちゃん!!」
私の声にならない叫び声を聞いて誰が来ないか見張りをしていた二人が慌てて中に入ってくる。
二人が見た光景は半裸で床にへたりこむ私に顔に真っ赤な手形を残して隣でまた気絶している天龍だ。
「どうな状況なのです?」
「な、ななななななんでもないから!!」
「樹ちゃん。怪我はありませんか?」
「だ…大丈夫、です。」
「それならばいいのですが…とりあえず、服を着ましょうか。」
「…はい///」
お母さんの指摘に更に顔が熱くなるのを感じながら今度は天龍が起きるまでに着替えを終わらして天龍を起こす。
二人はまた見張りをお願いして天龍と二人きりだ。
「天龍。天龍!」
「うっ…。」
天龍が目を覚まして私を見る。
その視線が私の目から下に下がる。
先程触れた場所で目線が止まり、天龍の顔が段々赤くなってそれに続くように私の顔も赤くなってしまう。
「…天龍。」
「…へ?」
私が名前を呼ぶと天龍は慌てて視線を外す。
そのまま立ち上がって私から離れてソファーに座る。
「いや、その…なんと言うか…すまん…。」
「い、いえ。大丈夫だから謝らないで。」
二人の間にはかなり気まずい空気が流れる。
しかし、話を無理矢理にでも戻す。
「んっ、んんっ!とりあえず、私から話をするよ。」
「ああ。頼む。」
天龍も私の意図を読み取り、真面目な顔をしている。
「名前はそのままですが、見ての通り私は女です。」
「そうみたいだな。さっきさらしを取った時にも分かってたが改めて理解したぜ。」
「そっか。ありがとう。」
「どうしてそんな格好してるんだ?」
天龍はソファーに凭れながら疑問をぶつけてくる。
「それはここの皆は前の提督…男の提督に沢山の酷い事をされてた。だから、その深く刻まれた傷はきっと簡単には癒えないから…いえ、もしかしたら癒えないのかもしれない。」
「その通りだな。」
私の言葉に天龍は頷いて肯定する。
「そんな皆を少しでも癒せれるのはブラックな運営をせずに絶対に艦娘…いえ、女性に手をあげずに性的な乱暴をしない人でないといけない。」
「………。」
今度は何も言わずに真っ直ぐ私を見つめる天龍に私も真っ正面から見つめ返して言葉を続ける。
「しかし、同じ女性だと提督があんな奴だけではないとは理解してもらえても男性が恐いままではダメなの。」
「…何でだ?」
「それは…これは極秘計画だがら他言無用でお願い出来る?」
「もちろんだ。」
これはごく一部…大元帥である源のおじ様と信頼できる部下数名と私のみがしる極秘計画でこの計画を知るのは両手で足りるほどの人数しかいない。
深海棲艦との戦いが終わったら艦娘達を普通の人として社会に送り出すのだ。
もちろん、装備や人間離れした力を抑えるなど幾つかの制限があるがそれも人間に近付けるために仕方ない事なのだ。
しかし、皆が同じ気持ちではなく艦娘を兵器と認識している者も少なくはなくて戦いが終われば解体すると言っている提督も数多いるのも現実だ。
「…深海棲艦との戦いが終わったら貴女達を人間として社会に送り出す計画を進めてるの。貴女達にも心があり、私はそんな貴女達が大好きなの。だからそうしたい。いえ、きっと現実化させてみせる。」
「だっ!?…大好き…なんて…//」
「天龍?」
「い、いや、何でもない!気にするな!続けてくれ。」
何故か赤くなる天龍だが、話を催促する。
「わかった。続けるね。人間の半分は男性で何をどうしても関わらないといけなくなるの。その時にちゃんと話をして関わりを持つために…そして、いつかきっと…貴女達が素敵な男性と恋に落ちて恋人になって…結婚出来たら素敵だと思うの…。そんな私の夢を現実にするために私は頑張るの。」
「なるほどな。だから男装して少しでも男に馴れて欲しかった訳か。」
「そう。まあ、脇目もふらずに考え無しにここの改正を進めてたら今回の問題に直面したの。」
皆と一緒に寝泊まりすればその分バレる確率がはね上がる。
それだけは何とか避けたい。
「ドジな奴だな。だから鳳翔は俺や一部の艦娘には正体を明かしてバレないようにフォローを頼みたいわけか。」
「そう。ごめんなさい。迷惑かけてるよね。」
「謝るなよ。別に悪いことや俺達に危害を加えないなら俺は何もいわねぇよ。」
天龍が立ち上がり私の頭を撫でる。
「まあ、なんだ。全部俺達のためだったんだろ?なら、感謝しても嫌う理由はねぇよ。」
「天龍…ありがとう…。」
「いいって。気にすんなよ。」
頭を撫でてくれる天龍を見上げると天龍は優しく笑ってくれていて、その顔はかっこよくて思わず抱き着いてしまう。
「……。」
「お、おい…どうしたんだよ。」
戸惑う天龍を余所に私は嬉しくて頑張った私を認めてくれて安心したら涙が次々に流れてしまう。
「う…ふぇ…。」
「何で泣いてるんだよ!?」
「う~~……だって…だってぇ~…。」
「ああ、もう!仕方ねぇ奴だな。」
天龍は力強くも優しく抱き締めてまた頭を撫でてくれる。
その優しさにまた私は泣いてしまい。
天龍は私が泣き止むまでそうしてくれていた。
――――――――――
「上手くいったようですね。」
「……なのです。」
「ふふっ…ヤキモチですか?」
「妬いてないのです。」
「はいはい。そうですね。」
「むぅ…今日はお母さんに甘えます。」
「ふふっ♪いいですよ。」
―続く。
読んでいただいてありがとうございました。
今回は少し重要なワードが出ましたね。
書いてる途中で思い付いてぶっこみましたから話がおかしい所が出てくるかもしれません。
その時はごめんなさいです!!
では、また次回お会いしましょー♪