アズールレーン…してる人いるかなー?
自分は結構頑張ってレベ上げしたから程よく強いと思ってます!
…ごめんなさい。
全く関係のない話ですよね(笑)
後、赤城編が終わった後の予定を後書きに書いておりますので一度目を通して頂けると嬉しいです。
では、どうぞ!
閉じ込められてから三日がたった。
そして、はっきりと分かった事が一つある。
それは…。
「大丈夫ですか?寒くはありませんか?」
赤城が居てくれて良かったという事だ。
「うん。大丈夫。心配してくれてありがとう。」
「いえ、寒かったりしたら言ってくださいね?」
「うん。」
この倉庫は頑丈な作りなのもあって昼間でも殆ど光が入ってこない作りになっている。
暗闇の中で一人…発狂ものだよ。
だから、隣に誰か居てくれるのがこんなにも心強いとこの三日間で痛感した。
「赤城。」
「なんですか?」
「支えてくれてありがとう。」
毛布を羽織った赤城に後ろから抱き締められてる状態のままお礼を言う。
すると赤城の体か少し揺れる。
「ど、どうしたんですか?」
「こんな暗闇の中でさ…赤城が居てくれて良かったなって思ってね。」
「そ…そうですか。」
「うん。」
会話が途切れて静寂に包まれる。
聞こえるのは自分の息と頭のすぐ上から聞こえる赤城の息の音だけ。
「…提督。」
「うん?」
「提督の昔の話が聞きたいです。辛くないのを。」
「どうしたの?急に。」
「いえ、あの…提督の事を知りたくて…ではダメですか?」
背中に感じる赤城の心臓の音が少し早くなるのがわかった。
「ん、いいよ。」
「ありがとうございます。」
昔の話かぁ…。
んー……あ、あれでいいかな?
「それじゃあ、昔…お父さんの所に居た艦娘のお話にしよっかな。」
「はい。」
私は目を閉じて昔の記憶を掘り起こす。
お父さんの秘書艦だった。
加賀さんの事を。
「昔…あれは私が6才の頃初めてお父さんの鎮守府にお邪魔したことがあってね。そこで出会った初めての艦娘が加賀さんだった。」
「加賀さんだったんですか?」
「うん。当時、加賀さんはお父さんの秘書艦をしててね。お父さんが抱っこしながら鎮守府内を案内してくれてる時にずっと後ろから着いて来てくれてたんだけど…ほら、加賀さんって無表情じゃない?」
「あ―…そうですね。加賀さんは不器用な人ですから。」
「そうなんだよね。私と目があったらさ…逸らすの。目線を何度も。」
お父さんに抱っこされた私は背の高い加賀さんより少し高い位置に目線があり、何度も目が合うけどその度に背けられて不思議で仕方なかったのだ。
「そんな事を何度もされたら子供だった私は苦手意識が芽生えちゃって近付けなかったんだ。」
「あはは…加賀さんったら…。」
「そんな時にお父さんが緊急の用事が入っちゃってお父さんってばいきなり私を加賀さんに抱っこさせて押し付けちゃうの。あの時は本当に困ったなぁ。」
「それからどうなりました?」
「ん?加賀さんに抱っこされた私は借りた猫の様になってたんだけどね。ふと加賀さんの顔を見ると無表情なのに冷や汗がダラダラ垂れてるんだよ?もう、ビックリしちゃったよ。」
「ぷっ、あはは!なんですか?それ。」
今思い出しても笑ってしまう。
目を見開いて口を固く結んだ加賀さんの額を何筋もの冷や汗が流れる光景は異様としか言えなかった。
「あはは…はぁ…それでどうしたんですか?」
「私がママに持たしてもらってたハンカチで拭いてあげたの。そしたら凄く驚いて私を見つめてきて、その時初めて加賀さんと目があったんだ。」
私と目があった加賀さんは信じられなかったのだろう。
何せあの当時は今よりもっと艦娘を兵器と扱う者が多かったから。
もちろん、お父さんやママは違うけど秘書艦の加賀さんは何かと他の人と接する機会が多くてその度に人の汚い部分を多く見てきたと教えてくれた。
「驚く加賀さんに私が『どうしたの?』って聞いたら加賀さんは『何でもありません』ってだけ言ってそのまま執務室に連れていってくれました。それからお茶やお菓子をくれて一緒に食べた。あの時のお茶にお菓子は美味しかったな。」
「それからどうなったんですか?」
「お腹一杯になった私が加賀さんに抱き着いて寝ちゃったの。それで目が覚めたら加賀さんが慌てながら私に謝るの。『すみません。起こしてしまいましたか?』って…後ろでお父さんも居てそれ見て大笑いしたんだけど加賀さんがお父さんに怒っちゃって私をソファーに座らせてからお父さんの首根っこ捕まえて奥の部屋に連れてったんだよね。」
「ふふっ…きっと恥ずかしかったんですね。」
「うん。多分そうだと思う。少しして加賀さんは戻って来て私の前に立ったんだけど、どうしたらいいのか分からないのかその場で立ち尽くしてるの。」
幼い私の前に立ってどうしたらいいのか分からず目を左右に泳いでる加賀さんの姿に私は幼いながらもこの人は不器用な人だと理解した。
「加賀さんはもっと甘えて欲しかったんでしょうか?」
「流石同じ一航戦だね。その通りだよ。」
「ふふっ…加賀さんらしいですね。」
耳元で赤城の笑い声が聞こえる。
その声は懐かしむ様な雰囲気が含まれている。
「子供は無邪気なものでね。まだ眠たかったのもあって抱っこをねだったの。そしたら加賀さんも恐る恐るだけどそれに答えてくれてその日は帰るまで加賀さんに抱っこされてたよ。」
「そうでしたか。懐かしいですか?」
「うん。それからは鎮守府にお邪魔する度に加賀さんに抱っこをせがむようになって加賀さんも困った表情をするんだけどどこか嬉しそうで楽しかったよ。」
それを何度か繰り返す度に加賀さんから抱っこしたくれる様になっていて幼い私もそれが当たり前になっていった。
「そうですか…あの、提督。」
「ん?どうしたの?」
赤城が良いこと思い付いた様なこれから悪戯をしようとするような声色で私を呼ぶ。
「加賀さんがしてたみたいな抱っこをしてもいいですか?」
「ええっ!?」
加賀さんがしてた抱っこって、子供にするみたいな向き合って抱き着くあれだよ!?
ダメ!恥ずかしすぎるもん!
「いやいやいや!恥ずかしすぎるよ!!」
「今は私達しか居ませんし、真っ暗ですから大丈夫ですよ。」
「ダメ!恥ずかしい!」
「あ…。」
恥ずかしさの余り立ち上がり、赤城から離れると暗闇の中から切なそうな声が聞こえてくる。
「あの、提督…。」
「……なに?」
キュッ。
私の袖を赤城が摘まむ。
そんないじらしい赤城の行動に私の心が揺れる。
「ダメ…ですか?」
「うぐっ…。」
暗闇で姿は見えないが子犬が母親を呼ぶ様な切ない声で私に問いかけてくる。
その声に私の中の母性本能が擽られる…って、することは私が子供にみたいにならないといけないのにおかしいよね?よね!?
「……はぁ…。」
「提督…。」
「うーわかったよ。いいよ!するよ!」
「ありがとうございます!!」
嬉々とした声が響き渡る。
私って甘いのかなぁ…。
「では、どうぞ♪」
「うぅ…。」
鏡を見なくても顔が赤いのが分かるほどに熱い。
幼い頃ならいざ知らず、こんな姿でも21歳なのだ。
恥ずかしくなるのは正常な反応だろうと私は思うわけですよ。
それに…こんな抱き着き方はお母さんにもしたことがないし。
ギュッ。
「んふふー♪」
「あぅ…恥ずかしぃ…。」
小柄な体型な私は赤城の体にすっぽりと収まり、調度頭が赤城の顎の下にあって心音が聞こえてくる。
その音は穏やかで聞いていると徐々に瞼が重みを増してくる。
「どうですか?提督?」
「恥ずかしいけど………落ち着く。」
「それは良かったです。」
上機嫌な赤城はゆっくりと左右に揺れて鼻歌を歌い出す。
「~~~♪」
偶然にもそれは加賀さんが歌っていた鼻歌と同じで私の心は退行を始めたかの様に昔の記憶が映像として流れる。
瞼は完全に落ちきっていた。
そして私は思い出した。
幼かった私が加賀さんと交わした約束。
私の大切なお友達である加賀さんとの…大切な約束。
――――――――――
「~~~♪」
「ん…ぅ…?」
「あ、起こしてしまいましたか?」
「ん~ん…らぃじょうぶ…。」
「まだ帰るまで時間があります。もう少し寝ますか?」
「んーん。」
「では、何をしますか?」
「んー…おはなししよ?」
「わかりました。」
「ねぇ、かがさん。」
「なんですか?」
「かがさんはいっこうせんなんでしょ?」
「そうです。よく知っていますね。」
「うん!ママにおしえてもらったの。」
「そうでしたか。ですが、一航戦は私だけではありませんよ。」
「そうなの?」
「はい。一航戦はもう一人…赤城さんが居ます。」
「あかぎ…さん?」
「そうです。」
「そのひとはかがさんのおともだち?」
「そうです。大切なお友逹です。」
「じゃあ、わたしもおともだちになる!」
「ふふっ…そうしてくださると赤城さんもきっと喜びますよ。」
「うん!あかぎさんともかがさんともおともだち!」
「はい。お友達です。」
「じゃあ、やくそくしよ!」
「はい。」
「「ゆーびきーりげんまんうそついたらはりせんぼんのーます。」」
「「ゆーびきった。」」
「ふふっ…。」
「あはは♪」
―続く。
はい!
読んで頂きありがとうございました!
さて…今回のお話はまあまあ甘く書けたつもりです。
楽しんで頂けたなら幸いですね。
前書きに書いた今後の予定なのですが、この赤城編が終わりましたら一度本編に戻る予定です。
そろそろ本編進めないとなーって思ったのとシリアスを書きたくなってきたのでそんな感じにします。
それに赤城が終わったら調度半分ですから調度良いかと思いますしね!
感想等がありましたら励みになります!
お願いします!(土下座/笑)
では、次は裏編でお会いしましょー♪