白い司令塔(仮)   作:0ひじり0

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どうも。
最近、アズールレーンにハマってしまったひじりです。

って、毎度毎度遅くて申し訳ないです…。

では、どうぞ。


第弐拾参話~裏・赤城視点~

「提督。これでよろしいですか?」

 

「どれどれ……うん。大丈夫だよ。」

 

「色々と丁寧に教えてくださり、ありがとうございます。」

 

「これ位いいよ。」

 

提督の手助けもあり、なんとか秘書艦としての業務にも一段落つけました。

今日は私。

一航戦の赤城が提督のお供です。

すると提督は私の方を見て微笑んでいました。

 

「どうかなされましたか?」

 

「ううん。何でもないよ。それより、今日からよろしくね。」

 

提督が何でもないと言うなら私もそれ以上は追及はしません。

まあ、気にはなりますが。

それよりもついにこの日がやって来ました!

そう…提督と寝食を共にする日が!!

この日をどれだけ待ちわびたか…。

因みに順番は公平にじゃんけんで決めました。

……くっ!何で私はあそこでチョキを出したんですか!!

 

「少し休憩しよっか。飲み物はお茶でいい?」

 

「あ、私がします。」

 

「いいから座ってて。慣れないことして疲れたでしょ?」

 

「でも…。」

 

「いーから。座ってて。」

 

私が心の中で悔やんでいると提督が飲み物を用意し始めます。

私が立ち上がるも手で制されては大人しく座るしかできません。

 

「はい。どうぞ。」

 

「ぁ…す、すみません。」

 

提督は上官なのもありますし、こんな自分より幼い容姿をした人に入れて貰うなんて色々と複雑な気分です。

そんな風に考えていると提督は私の隣に腰掛けて此方を見つめます。

でも、提督の方を見れなくて入れてくれたお茶を見つめます。

 

「次からはお願いしてもいいかな?」

 

「っ!は、はい!」

 

少し間が空いた後に提督がそう口にします。

多分気を遣ってくれたんでしょうが、私は嬉しくて大きな声で返事をすると提督は笑ってくれました。

 

「あ…茶柱。」

 

「本当ですね。」

 

再び湯のみを見ると茶柱が立っていました。

気持ちが落ち着くと先程は気付かなかった物に気付く。

そしてこの人の隣ではこんな小さな事でも嬉しくて口角が上がってしまいます。

私を心を嬉しくさせるその人に目を向けると目が合う。

 

「どうかしましたか?」

 

「ううん。何でもないよ。」

 

「?」

 

私が問いかけると提督は目線を外してお茶を飲む。

照れたのでしょうか?

そうだったらさらに嬉しいのですが。

 

「なになに…。」

 

「ああ…昔使われてた倉庫ですか。」

 

「知ってるの?」

 

「はい。何でも深海棲艦が出没した当初に攻撃を受けない様にと奥まった所に建てられたみたいなんですが、私達艦娘が出現してからは立地が余りよくないとかで使用されなくなったみたいですよ?」

 

提督は目線を外した先にあった書類が気になったみたいで私もその書類を見ると少し離れたら所にある倉庫についてでした。

これでも私はこの鎮守府ではかなり前から居ますからそれなりに詳しいんですよ?

 

「なるほど…これは一度この目で確かめないといけないかな。」

 

「それならお供しますよ。」

 

「本当?ありがとう。赤城。」

 

「いえ、これ位お安いご用です。」

 

私がそう提案すると提督は嬉しそうに私を見ます…かわいい。

んんっ!!…森とまでは言いませんが鬱蒼としたそこは安全とは言い切れません。

流石に熊は……多分出ません。

ですが、野犬や蜂なんかの人を襲うもの沢山います。

護らないと、いけません!!

そんなこんなで二人で30分程かけて倉庫に着きました。

着いて直ぐに提督は顎に手を当てて倉庫を見つめます。

この仕草は何か考えてる証拠です。

情報提供者は電ちゃんですから信頼できる筋の情報です。

因みに提督は気付いて無いそうです。

 

「これがそうなの?」

 

「はい。昔は食料庫や資材庫として活用していたみたいです。」

 

「確かに余り良い立地では無さそうだね。」

 

「そうですね。取り壊すにもお金がかかるみたいでそのまま放置されているみたいです。」

 

「仕方ないとはいえ…世知辛いねぇ。」

 

「提督…何だかお婆ちゃんっぽいですよ?」

 

提督は錆びた南京錠を持って来ていた鍵で開けます。

ああ、提督の手が赤茶に染まってしまいます。

後で拭いてあげないといけませんね!

 

「ぬぅぅぅ!!」

 

「だ、大丈夫ですか?私が開けましょうか?」

 

「はぁ、はぁ…お、お願い…。」

 

「はい。」

 

提督にお願いされてそれに答えます。

あ、ちゃんと自前の手拭いで汚れた手を拭いてあげてから扉に向かいます。

肩で息をしていた提督に囁くようになってしまっていたお礼の言葉が私の力の源になります!!

 

「えい!」

 

ガラガラ。

 

私は頭は悪くはないと思いますが良くもありませんし、皆さんからよく「抜けてる」だの「天然」等と言われてしまっています。

つまり、詳しくは答えれませんがこの位の扉なら簡単に開けれます。

 

「おおー流石だね。ありがとう。」

 

「この位朝飯前ですよ。」

 

拍手を下さる提督に元気良く答えます。

…流石に力こぶは恥ずかしかったでしょうか。

 

 

キュピーン!!

 

ハッ!!

 

私の中で何かが駆け巡ります!

 

「それじゃあ、中を確認してみよっか。」

 

「はい。ダメ!慢心!」

 

「………どしたの?」

 

「はっ!?い、いえ…何やら言わなければいけない気がして…。」

 

「???」

 

「と、とりあえず中に入りましょう。中に。」

 

謎の衝動で変なことを口走ってしまった恥ずかしさから提督の背中を押して中に入ります。

中は埃っぽくて広い空間の中に数個の木箱があるだけです。

 

「何かあるみたいですね。」

 

「だね。ちょっと中身を確認してみよっか。」

 

木箱の一つに近付いて提督が叩いたりして調べています。

その姿は……その…探偵ごっこをしている子供みたいで見ていてなんだか和みますね。

こんなこと口が裂けてもいえませんが。

 

ガラガラ…ガシャン。

 

ガチャ。

 

しかし、その和みを無機質な騒音と共に書き消されてしまう。

全く!

なんですか?

私の『スーパー提督タイム』を邪魔して怒りますよ?

因みに今名付けました………って…と、ととと扉がぁ!!??

 

「て、提督!」

 

「………どう…したの?」

 

閉まってしまった扉を唖然と見つめながら提督に声をかけます。

 

「と、扉が…。」

 

「……うん。」

 

「し…。」

 

「し…?」

 

私も動揺していますが提督も相当な様子で小声で「しんだい」とか「しわしわ」とか口走っています。

 

「閉まってしまいました…。」

 

「…………oh…。」

 

私が事実を伝えると提督は顔に手を当てて落ち込みます。

 

「ど、どうしましょう。」

 

いきなり閉じ込められて動揺に動揺を重ねてしまいます!!(意味不明)

 

「とりあえず、落ち着いて。」

 

「は、はい。」

 

「携帯は執務室に置いてきちゃったから誰かが見付けてくれるのを待とう。」

 

「はい。わかりました。」

 

「後は…何かないか調べてみよ?木箱の中に食糧とか役立つものがあるかもしれないし。お願い出来る?」

 

提督の指示に従って木箱を調べます。

とりあえず、開けないことにはわかりませんし…何か道具は無いでしょうか。

辺りを手探りで探すと小さなバールがありました。

これで楽に開けれます。

ベキベキと大きな音を鳴らしながら蓋を開けると中身は乾パンが入っていました。

これは直ぐに報告ですね!

 

「提督!食糧!食糧がありましたよ!」

 

「本当?良かった!」

 

辺りを調べていた提督も此方に合流して二人で他の木箱も開けてまわりました。

他にも色々あると嬉しいのですが。

 

――――――――――

 

結果は乾パンと缶詰と水が木箱の中に沢山ありました。

節約すれば3週間程もつと提督が言っていましたが。

私は少し…いえ、すみません…。

大食いな私がいるからもって1週間と数日間位だそうです。

 

「なんとか餓えずにすむね。」

 

「はい♪」

 

私は断食を申し出たのですが食いぎみに脚下されてしまい。

食べる量もある程度融通してくれるとまで言ってくれた提督の優しさに涙が零れそうになりました。

 

「提督…。」

 

「ん?」

 

「やっぱり私が扉を「ダメ。」ですが…。」

 

何度目かのやり取りを繰り返します。

私が扉を破る案です。

しかし、提督は首を縦には振ってくれません。

理由は私が怪我をするから…他の大勢の方々は私達を兵器として扱うのにこの人は私達を人……一人の女の子として扱ってくれます。

 

「ダメだからね?絶対に許さないから。」

 

「うぅ…わかりました。」

 

私達が落ち込めばこんなにも優しく頭を撫でてくれる人は他に居るのでしょうか?

 

「私は大丈夫だから。食糧も水もあるし、気長に待とうよ。」

 

「…はい。」

 

私はこの鎮守府から外に出たことはありません。

ちゃんと関わった事がある人はのは前に居た最低な男。

なので人は信用出来ません。

出来ませんが…私達を想い、自らの命をかけてまで近付いて来てくれた提督は…信用したいです。

 

 

――――――――――

 

~真相~

長門視点

 

「ふっ、ふっ……ん?」

 

あの日、提督を守ると誓ってから私は更に訓練を過酷にした。

毎日の走り込み等の基礎体力の向上を含め砲撃の制度、陸上での護衛の為の格闘術、庇った最にダメージを最小限に出来るようにダメージコントロールの訓練。

出来ることは何でもしている。

そして今は足腰を鍛える為のランニング途中なのだが何時もは閉まっている使われていない倉庫の扉が開いているではないか。

 

「全く…ちゃんと閉めておかないとダメだろう。」

 

ガラガラ…ガシャン。

 

ガチャ。

 

古めかしいが頑丈な作りの南京錠もちゃんとかける。

しかし、誰が開けっ放しにしたのか。

駆逐艦の子達が入ったら危ないだろう。

 

「さて…もう一走りするか。」

 

タッタッタッ。

 

―続く。




読んで頂きありがとうございました。

前書きでも言いましたがアズールレーンにハマってしまいました。
ん~…ぶっちゃけゲーム性は艦これより好きなんですが、キャラ的には艦これが好きなんですよねぇ…。
てか、いつかifでもいいからクロスさせてみたいなぁ。
こんなことを思うのは自分だけでしょうか?

感想等があれば嬉しい限りです!!

さてさて、では次回もお楽しみに♪

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