ひじりです。
そして大変申し訳ありませんでした。
全く書けない日々が続いておりました(泣)
ですが、ついに…ついに!
完全とは言えませんが復活を果たしました!!
では、微妙かもしれませんがどうぞ(笑)
「提督。これでよろしいですか?」
「どれどれ……うん。大丈夫だよ。」
「色々と丁寧に教えてくださり、ありがとうございます。」
「これ位いいよ。」
ホッと息を吐いて椅子に持たれるのは赤城だ。
いつもは凛とした彼女のそんな仕草は珍しくて少し笑ってしまう。
「どうかなされましたか?」
「ううん。何でもないよ。それより、今日からよろしくね。」
夕日の所に泊まって一週間を過ごして今日から赤城が私を泊めてくれる予定になってる。
私がこの鎮守府に来た当初は赤城は他の皆と同じ様に必用以上に私と接しようとはしなかったが女と分かり、絶対に危害を加えないとわかった今では色々と気にかけてくれているみたい。
「少し休憩しよっか。飲み物はお茶でいい?」
「あ、私がします。」
「いいから座ってて。慣れないことして疲れたでしょ?」
「でも…。」
「いーから。座ってて。」
立ち上がる赤城を座らせてポットでお茶を入れる。
いくら暑くてもやっぱり温かいお茶は外せないよね。
「はい。どうぞ。」
「ぁ…す、すみません。」
流石に上司になる私がお茶を入れたから申し訳ないのかな?
恐縮してる赤城の隣にあるパイプ椅子に腰掛ける。
赤城は私が渡したお茶を見つめているままだ。
「次からはお願いしてもいいかな?」
「っ!は、はい!」
流石にそのままではいけないと思ってお願いをすると赤城は元気よく返事をするから私はニッコリと笑って頷く。
「あ…茶柱。」
「本当ですね。」
頷いた拍子に湯飲みの中で浮かぶ茶柱が目に入る。
赤城も隣から覗き込んで来て顔が近くなるとフワリと優しくて少し甘い匂いが鼻腔を擽る。
それは赤城の髪から漂ってきていた。
隣に目を移すと赤城と目が合う。
「どうかしましたか?」
「ううん。何でもないよ。」
「?」
お茶を飲んで一息つくと1枚の書類が目に入る。
書類には【現在使用していない倉庫について】と記されており、提案者は夕張みたいだった。
「なになに…。」
「ああ…昔使われてた倉庫ですか。」
「知ってるの?」
「はい。何でも深海棲艦が出没した当初に攻撃を受けない様にと奥まった所に建てられたみたいなんですが、私達艦娘が出現してからは立地が余りよくないとかで使用されなくなったみたいですよ?」
赤城の説明を聞きながら書類に目を通すと同じ事が書かれていて、夕張はこの機会に取り壊してはどうかと言うことだった。
「なるほど…これは一度この目で確かめないといけないかな。」
「それならお供しますよ。」
「本当?ありがとう。赤城。」
「いえ、これ位お安いご用です。」
正直に言うと昼間とはいえ、使われていない廃倉庫に一人でなんて怖くて仕方がなかった。
でも、赤城が共に来てくれるとの事でかなり心強い。
そんな訳で私と赤城は倉庫に向かう。
場所的にはさほど遠くもなくて歩いて30分でそこにたどり着いた。
外見はまだそこまでは傷んではいる様子は無いが場所は現在の鎮守府から少し林に入った先にあって周りは木々に囲まれてる。
それに加えて鎮守府からは少し離れている上に小高い丘の上にあるために物資を取り出したりするのも手間になりそうだと直ぐにわかった。
「これがそうなの?」
「はい。昔は食料庫や資材庫として活用していたみたいです。」
「確かに余り良い立地では無さそうだね。」
「そうですね。取り壊すにもお金がかかるみたいでそのまま放置されているみたいです。」
「仕方ないとはいえ…世知辛いねぇ。」
「提督…何だかお婆ちゃんっぽいですよ?」
赤城とのやり取りをそこそこに大きな門の鍵を開ける。
そのまま扉を開けようと力を込めるが重たい上に錆び付いているのもありびくともしない。
「ぬぅぅぅ!!」
「だ、大丈夫ですか?私が開けましょうか?」
「はぁ、はぁ…お、お願い…。」
「はい。」
赤城がにこやかに返事をして私と場所を交替する。
艦娘は艤装がなければ本来の力の半分も出せないがその半分の力でも屈強な男の力を凌駕し、自動車位ならば軽々と持ち上げる。
普通なら身の回りの物を色々と破壊してしまうだろうし、なにより自身の体も壊れてしまう。
しかし、それならばなぜ私生活に支障が出ないか…それは妖精の加護があるからだ。
妖精達は単独では長くは生きれない…そこで彼女達、艦娘に憑依させて貰って命を繋いでいる。
そして代わりに加護と言う名の力で彼女達を護っているのだ。
まあ、長々と話したけどつまり…。
「えい!」
ガラガラ。
艦娘の力を持ってすればこんな扉は意図も簡単に開くわけだ。
「おおー流石だね。ありがとう。」
「この位朝飯前ですよ。」
にこやかに笑いながら力こぶを作る赤城だがその腕は細くて成人男性を優に越えた力があるとは思えない。
まあ、そんなこんなで扉を開けてくれた赤城に感謝をして本題に取りかかるかな。
「それじゃあ、中を確認してみよっか。」
「はい。ダメ!慢心!」
「………どしたの?」
「はっ!?い、いえ…何やら言わなければいけない気がして…。」
「???」
「と、とりあえず中に入りましょう。中に。」
赤城に背中を押されて中に入った。
中は暗くて持って来ていた懐中電灯の灯りをつける。
灯りの先に見えるのは木箱が数個。
「何かあるみたいですね。」
「だね。ちょっと中身を確認してみよっか。」
木箱の大きさは大体1m四方でそこまで大きくはないが大人一人で持つには大きすぎで、まだ艦娘が居ない時って聞いたから人力で運んだのかな?
そんな木箱の上は埃が溜まっていたけど異臭などは無いが外側から叩くと中身は詰まっているのか音は響かない。
ガラガラ…ガシャン。
ガチャ。
ん?
今、なんか変な音がしたよーな。
そしてさっき聞いた事があるんだよなー。
「て、提督!」
「………どう…したの?」
いや、まさかねー。
そんなわけないよねー。
「と、扉が…。」
「……うん。」
「し…。」
「し…?」
いやいやいや。
『し』ってあれでしょ?
しんだい(阿波弁で疲れた)とか…しわしわ(阿波弁でゆっくり)とかそう言う事を言いたいんでしょ?
そうだよね?よね?
…お願いだからそう言って?ね?
「閉まってしまいました…。」
「…………oh…。」
ですよねー?
いや、分かってたよ?
けど信じたくない事ってあるじゃない?
「ど、どうしましょう。」
赤城が珍しくあわあわとしてて困惑状態になっている。
私は現実逃避を止めて赤城に向き合う。
「とりあえず、落ち着いて。」
「は、はい。」
「携帯は執務室に置いてきちゃったから誰かが見付けてくれるのを待とう。」
「はい。わかりました。」
「後は…何かないか調べてみよ?木箱の中に食糧とか役立つものがあるかもしれないし。お願い出来る?」
赤城にお願いして木箱を開けてもらってる間に私は予備のペンライトで辺りを散策しながら状況を整理する。
携帯は無くて連絡は取れないから捜索隊、もしくは通りかかった誰かに見付けて貰わないといけない。
赤城は現在艤装をメンテナンスをしてるために妖精の加護が弱まっていて扉や壁をぶち破るのは出来ても赤城も大怪我をしてしまうから却下。
後は木箱の中身だけど私の予想が正しければ中身に食糧がある可能性は高い。
何せ艦娘が出現したから放置したなら不要と見なされたものは?
それは大量の人を乗せた軍艦では大量に必要だった非常食だろう。
何せ何十人もで動かしてた軍艦に比べて艦娘は一人でそれを上回るのだから戦時が激化してた時に態々ここから運び出すか?
いや、そんなことに労力を回すなら他の事に回すだろう。
それ位に人類は追い詰められていたのだから。
「提督!食糧!食糧がありましたよ!」
「本当?良かった!」
やっぱりあった。
中身はまだわからないけど食糧があるなら水もあるかもしれない。
――――――――――
結果から言うと食糧は乾パンと缶詰が木箱の中に沢山あった。
水も同じだ。
他には鋼材に弾薬。
ボーキサイトはなかったのは助かった。
「なんとか餓えずにすむね。」
「はい♪」
これだけあれば暫くは大丈夫だね。
それに寝るのも余り綺麗ではないけど毛布も1枚見付けたから安心だしね。
「提督…。」
「ん?」
「やっぱり私が扉を「ダメ。」ですが…。」
赤城は自分が大怪我をするのを厭わずに扉を壊す気だ。
でも、私はそんなのは許さない。
「ダメだからね?絶対に許さないから。」
「うぅ…わかりました。」
しゅんと落ち込む赤城の頭を背伸びして撫でる。
「私は大丈夫だから。食糧も水もあるし、気長に待とうよ。」
「…はい。」
まだ落ち込んでる赤城に微笑みかける。
私が居なくなればお母さんや電…それに他にも何人かの艦娘が気付いてくれる筈だから心配はしていない。
それに一人では無くて赤城も居るし、私は助けが来るまで何をしようかと考える事にした。
―続く。
読んで頂きありがとうございました。
あー…マジで書けなかったぁ…。
かなり辛い日々でしたよぉ。
話は変わりまして今回のお話なんですが、余りイチャコラはなかったですが今回は前置きになりますから安心してください。
次の話…あ、裏話は除きますよ?
次はたんまりとイチャコラさせるつもりです!
目指せ!百合ハーレム(笑)
では、裏話でお会いしましょう♪