艦これイベントのE-2がクリアできない…。
それはさておき…第七話でいい忘れていたことを今此処で言わせて頂きます!
コホン…グラマーな大人の女性だと思った?残念!合法ロリでした!!
………すみませんでした。反省も後悔もしております。
とりあえずどうぞ。
私とお姉ちゃんが家族になって数ヶ月の時がたった。
お姉ちゃんの仲間の深海棲艦の皆は優しく私が寂しく無いようにと度々顔を見せてくれて遊び相手にもなってくれた。
大人の人達はパパやママは言って無かったけど他の人は深海棲艦は冷酷で人間を虐殺する化け物だと口々にしていたけどそんなこと無い彼女達もまた生きていてその体は温かくて人間と何一つ変わらない。
「お姉ちゃん。」
「ン?ナニ?」
今は夜で私はお姉ちゃんと一緒に寝ている。
あの日から毎日…お姉ちゃんがどうしても出掛けないといけない日はタ級さんやヲ級さん達が一緒に寝てくれているけどそれ以外はお姉ちゃんと寝るのが日課だ。
「んーん。何でもない。」
「ソウ。」
「うん。」
一日に何度もこういったやりとりをしてしまう私だが、お姉ちゃんはその度に優しく微笑んで頭を撫でてくれて私は幸せな気持ちでいっぱいになる。
「イツキ。」
「なに?お姉ちゃん。」
今度はお姉ちゃんが私の名前を呼ぶ。
その顔は笑みに陰りが差している。
「ホントウニヨカッタノ?ワタシトカゾクニナッテシマッテ「うん!」…イツキ。」
お姉ちゃんは優しいけど少し心配症でよくこの質問をしてくる。
だから私は間を開けずに答える。
お姉ちゃんの不安を取り除ける様に満面の笑顔で答える。
「…ソッカ。」
「うん。私がお姉ちゃんと家族になりたかったから…後悔なんて絶対しないよ?」
「アリガトウ。」
「うん!」
お姉ちゃんは泣きそうな顔で目に涙をいっぱいに溜めて少し強く私を抱き締める。
ちょっとだけ苦しいけど体の小さな私は一般的な女性と比べると体が大きなお姉ちゃんに包み込まれて温かくて安心する。
だから私も精一杯お姉ちゃんの背中に手を回してしがみつくのが一連の流れだ。
「ネヨッカ。」
「うん。」
いつもの様に寝ようとしていた私達だが、その時がきてしまった。
ドゴォォォォン!!!!
轟音が響き渡り洞窟全体が揺れる。
「きゃあ!?」
「イツキ!」
お姉ちゃんが天上から落ちてくるかもしれない石から守るように覆い被さってくれる。
幸いなことに瓦礫は落ちては来ず二人とも無事だ。
揺れがおさまると直ぐにお姉ちゃんはベッドから降りる。
「ヒ、ヒメサマ!!」
「ナニガアッタノ?」
慌てて部屋にタ級さんが入って来てお姉ちゃんに報告をする。
「テキシュウデス!」
「ワカッテイルワ。テキハ。」
「ソ…ソレガ…。」
珍しく困った様に口ごもるタ級さんにお姉ちゃんが再度聞く。
「ドウシタノ?テキハダレナノ?」
「………センカンセイキ…デス。」
「……ソウ。ワカッタワ。」
戦艦棲姫。
パパとママを殺したアイツだ。
「お姉ちゃん…。」
私はお姉ちゃんの手を握る。
不安だった。
パパやママだけじゃなくてお姉ちゃんまでも失ったら私は生きていけない。
「シンパイイラナイワ。」
「本当に?」
「エエ。コレデモワタシハツヨイノヨ?」
お姉ちゃんは私を一度抱き締めてくれてから部屋を出ていく。
「い、いってらっしゃい!」
「…エエ。イッテキマス。」
お姉ちゃんは笑顔で戦いに向かった。
その足取りは力強くもあり、どこか気品に溢れていて私は見惚れてしまった。
中間棲姫。
又の名を深海の令嬢。
その容姿と振る舞いがまるでどこかの令嬢を彷彿とさせるために名付けられた名前だった。
そして戦いが始まった。
――――――――――
ドオォォン!
もう何度目かも分からない轟音が響く。
私は部屋の中で膝をついて祈るしかなかった。
お姉ちゃんやタ級さんにヲ級さん…皆が無事でいますようにと何度も何度も祈った。
しかし、神様は居らず私の望みは無惨にも断たれる。
「ホゥ…コンナトコロニイタカ。」
「ひっ!?」
部屋に入って来たのはパパとママを殺した戦艦棲姫だった。
「フンッ…コンナヤツノタメニイノチヲカケルトハ…コイツラモデキソコナイダナ。」
奴が引き摺っていたのを私の前に投げる。
「ウゥ…。」
「ヲ級さん!?」
それは特に私の世話をしてくれたヲ級さんだった。
しかし、今の彼女は頭の被り物はほぼ全損し、至るところから血が流れて右腕も肘から先が無くなっている状況だ。
海の上なら轟沈寸前だろう。
「イツキ…。」
「きゃあ…ヲ級さん!?」
そんな状態にも関わらず彼女は奴から私を守るように私を抱き締めて自分の体で奴から私を隠す。
「オカシナヤツダ。タオスベキテキヲカバウトハナ。」
「…チガウ。」
「ナニ?」
「コノコハテキジャナイ!コノコハナカマ…イヤ、カゾクダ!!」
ヲ級さんは殺気のこもった目で奴を睨む。
しかし、空母の彼女は既に攻撃手段は無くなってしまっている。
「…ヤハリキサマラハデキソコナイダナ。」
奴が砲身をこちらに向ける。
不思議と怖く無かった。
「チガウワ。」
ドゴッ!!
「グゥッ!?」
ヲ級さんや皆が守ってくれて…何よりお姉ちゃんが居るから。
お姉ちゃんは目にも止まらぬ速さで奴の腹に拳を叩き込む。
「デキソコナイデハナイワ。」
「チュウカンセイキィィィ!!」
奴は壁まで飛ばされていたが直ぐに立ち上がる。
「キナサイ。コノコ…イツキニホウヲムケタムクイハウケテモラウワ。」
「フザケルナァァ!」
流石に姫級の奴でも所詮は船である。
しかし、陸上型に近いお姉ちゃんに陸で勝てるはずもなく軽くあしらわれる。
「アマイワ。」
ドガッ!
「グフッ…。」
お姉ちゃんも奴も砲撃はしない…いや、地下であるこの場所では出来ないのだ。
「グッ…アアァァァァ!!」
「ッ!?イツキ!ニゲナサイ!」
ドオォォン!!
しかし、奴は勝ち目がないと悟ったのか全砲門を一斉射したのだ。
それにより洞窟は崩れて幾つもの瓦礫が落ちてくる。
私は咄嗟に目を閉じて襲い掛かるであろう痛みに身を固くして身構える。
ガラガラ!
「…あれ?」
幾つか衝撃は来たものの痛みは無くておそるおそる目を開ける。
「ケガハナイ?」
「ダイジョウブダッタ?」
「お姉ちゃん…ヲ級さん…。」
ヲ級さんは私に覆い被さって庇い。
お姉ちゃんはその上から私とヲ級さんを庇う。
一番上に居たお姉ちゃんが沢山怪我をして頭から血が流れてる。
その真っ赤な血は真っ白なお姉ちゃんの肌の上を流れるが安堵した笑みを浮かべるお姉ちゃんは不謹慎だけど綺麗だった。
ヲ級さんもお姉ちゃん程では無いにしろ怪我をしていて二人の赤い血が私の顔に落ちる。
嫌悪感はなかった。
あるはずもなかった。
優しい二人が私を守ってくれて流した血に嫌悪感などあるわけがない。
「ごめんなさい…ありがとう…。」
「イイノヨ。イモウトヲマモルノガアネノヤクメダモノ。」
「ワタシモ…ナカマヲ…カゾクヲマモルノニリユウヤリクツナンテナイ。」
幸せ者だ。
私はパパやママだけじゃなくてこんなにも温かくて優しい家族に出会えて幸せ者だ。
「アァアアァァァ!!!」
私達の幸せな空気を壊すように奴の叫びが響き渡る。
お姉ちゃんが笑顔から億劫とした顔をして溜め息を吐く。
次の瞬間には戦場に向かう兵士の様に鋭い顔になる。
その表情は初めて見た。
凄く頼りになって安心出来て綺麗だった。
「センカンセイキ…アナタハ…ユルサナイワ。」
「ガアァァ!!ウラギリモノ、メエェェェ!!!」
「ハァ…アナタニ『ヒメ』ノナマエハニアワナイワ。マルデケモノダモノ。」
奴は吼えてお姉ちゃんに威嚇をするがお姉ちゃんは受け流す。
「ヲキュウ。」
「…ハイ。」
「イツキヲニンゲンノモトニカエシテキテ。」
お姉ちゃんは奴に対峙したまま命令を下す。
「お姉ちゃん!?」
「…………ハイ。ワカリマシタ。」
「ヲ級さんまで!?どうして!?」
お姉ちゃんに近寄ろうとするがヲ級さんに止められる。
そしてお姉ちゃんが振り返る。
「ン…んんっ……一緒に練習したけど…上手く話せているかしら?」
「お姉ちゃん…うん。話せてるよ。」
この半年間でお姉ちゃんは人間のしゃべり方を練習したが今まで上手く話せた試しは無かったが今は凄く上手く話せている。
「そう…よかったわ。」
「シネェエェェ!!」
「チッ…。」
ドオォォン!
怒り狂った奴が私めがけて砲撃をしてくる。
ガァン!!
しかし、その砲撃はお姉ちゃんが体を張って阻止してくれる。
「お姉ちゃん!?」
「ヒメサマ!!」
砲撃による煙が晴れるとこちらに笑顔を見せてくれるお姉ちゃんが居た。
「樹。無事でよかったわ。」
「でも!お姉ちゃんが!!」
「私は大丈夫よ。これでも私は強いのよ?」
「で、でも!!」
笑顔を浮かべるお姉ちゃんだが不意に真剣な表情になって私を見つめる。
「樹。此所はバレてしまったわ。もう安全では無くなったの。だから私は樹を人間達に戻すの。きっと両親も居なくて寂しくて悲しい…辛いことが沢山あるかも知れない。」
「…うん。」
「でも、負けないで。樹は一人じゃない。私達もクラウディア…沢山の者達が樹を愛して…見守ってるから。」
「うん。うん!」
お姉ちゃんが自分の髪を少し切ってばら蒔けない様に括って私に投げる。
「今はこんなものしかあげれないけど…落ち着いたら必ず会いに行くわ。」
「お姉ちゃんの綺麗な髪…私、大好きたがら…嬉しいよ!」
おかしいな。
悲しく無いのに目から涙が止まらない。
「待ってる!待ってるから!!」
「ふふっ…樹、愛しているわ。」
お姉ちゃんの顔をちゃんと見るために袖で涙を拭う。
「お姉ちゃん!負けないで!そんな奴なんかやっつけて!!」
「…任せなさい。お姉ちゃんはこれでも強いから必ず倒すわ。」
お姉ちゃんが力こぶを作る様にして答える。
いつもはこんな行動はしないのに私に答えてくれる。
「ヲキュウ。イキナサイ。」
「ハイ!」
私はヲ級さんに手を引かれて歩き出す。
「ウラギリモノオオオォォ!!」
「シズカニシナサイ。シズメルワヨ?」
後ろから奴の叫ぶ声とお姉ちゃんの聞いたことも無いほど冷たい言葉が耳に入る。
お姉ちゃんの声は冷たいが私からしたら頼もしく感じる。
お姉ちゃんが見えなくなるまで私は後ろを見ていた。
「イツキ。コッチ。」
「うん。」
ヲ級さんは大怪我しているのに私を心配してくれた。
そして、洞窟を脱出した。
ヲ級さんに連れられて人気の無い港に着いて私を下ろしてくれたヲ級さんは洞窟に戻って行った。
――――――――――
「以上かな。」
目を閉じてずっと話して居た私が目を開けると皆こちらを見つめて話を聞いてくれていた。
「あの…質問いいですか?」
「もちろん。」
おそるおそる手を上げる間宮。
「それから中間棲姫さんとは会っているのですか?」
「ううん。まだ会えてないかな。」
「そうですか…。」
そう。まだお姉ちゃんには会えていないのだ。
私は提督になったのはお姉ちゃんを探すためでもある。
「ふむ。そう言えば聞いたことがあるな。」
「何をですか?」
「ぽい~?」
長門が納得したような顔で頷き扶桑と夕立が反応する。
「昔、深海棲艦を庇い守った少女がいてな。彼女は『私の家族に攻撃しないで』と体を張って深海棲艦を逃がしてやったそうだ。」
「そうなのか?」
「あはは…それ、私だ。」
ヲ級さんが港まで送ってくれた後に運悪く大人の人に見つかって銃で撃たれそうなヲ級さんとの間で両手を広げて庇ったのだ。
その後、色々聞かれたけど『子どもの言うことだから』と相手にされなかったのだ。
「私も聞いたことがありますね。」
「私も私もー♪」
「あ、私もです。まさか本当だったなんて。」
赤城、愛宕、阿武隈もそれぞれ頷く。
あ、あれ?
結構広まってるの?
「質問いいっぽい?」
夕立が私に近付きながら聞いてくる。
「いいよ?」
「これ。電や鳳翔さんとお揃いっぽい?」
ん!?
話題が一気に飛んだ!?
「あ、うん。お、お揃いだよ。」
「そっかー。」
夕立は気になっただけなのか頷く。
ファーン!ファーン!
そんな中鎮守府全体に警報が鳴り響く。
「敵襲!?」
「各艦は艤装を装着し出撃して!!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
警報が鳴り響く中で私は叫ぶように指令を出す。
間宮を除く八人は敬礼をして執務室から出ていく。
「本当は戦いたくないけど…降りかかる火の粉は払わないといけない。」
しかし、私は知らなかった。
鎮守府を襲撃した深海棲艦はイレギュラーと呼ぶに相応しい艦だった。
「………………キヒッ♪」
―続く。
読んでいただきありがとうございました♪
さて、今回で回想が一旦終わりましたね。
中間棲姫!かわいいおー♪
では、感想などお待ちしておりまする。
次回お会いしましょー。