魔法使いとチート八幡の日常   作:しろ@「 」

28 / 95
魔法使いとチート八幡の日常-中学編-6

キーンコーンカーンコーン

 

よし学校終わった〜、帰るか。

そう思いドアを開くと・・・そこには待ってましたと言わんばかりに腕を組み仁王立ちしている平塚教諭がいた。

 

静「比企谷、部活の時間だ」

 

・・・忘れてた

 

八幡「分かってますよ。今から行こうと思ってたところです」

 

静「そうか。では、部室へと行きたまえ。今日は多分依頼人が来るぞ?」

 

ほう、どんな依頼が来るのかちょっと楽しみでもある

 

さて場所は変わり部室にて。えっ?変わるのが速いって?そこは気にするな

 

今は俺と雪ノ下は本を読んでいる。

 

トントン

 

と、そこへドアをノックする音が鳴った。

すると雪ノ下は本を閉じてドアの方へと体を向け

 

雪乃「どうぞ」

 

と、言った。

 

「し、失礼しまーす」

 

そこには茶髪でお団子の髪型の女子がいた。

 

「えーと、ここが奉仕部でいいんだよね?平塚先生に奉仕部に行けば願いを叶えてくれるって聞いたんだけど・・・って、ヒッキー!?なんでここにいんの!?」

 

ヒッキー?誰だそれは。あ、俺か。マジか・・・まさか引きこもりみたいにヒッキーと呼ばれるようになったか

 

八幡「・・・お前は誰だ?それとヒッキーってなんだよ。そんなあだ名初めてつけられたぞ」

 

雪乃「あなた同じクラスなのに知らないの?」

 

えっ?同じクラス?・・・あ〜、なんかこんな奴いた気がする

 

「ヒッキー私の名前知らないの!?有り得ない!まじキモイ!」

 

八幡「おい、うるせぇぞビッチ。さっさと依頼内容話せ。」

 

こいつは雪ノ下とは違った意味でウザイな・・・

 

「ビッチじゃないし!あたしは由比ヶ浜結衣っていう名前があるし」

 

八幡「だったら俺はヒッキーじゃねえよな。比企谷八幡っていう名前があるんだから」

 

そんな感じで由比ヶ浜と言い争っていた。

 

雪乃「いい加減にしなさい。先に進まないから由比ヶ浜さん、依頼内容を説明してもらえるかしら」

 

結衣「う、うん。えっとクッキーの作り方が知りたくて・・・」

 

雪乃「なるほど、クッキー作りね。分かったわ。じゃあまずは家庭科室に移動していてもらえるかしら。家庭科室を借りてくるから。」

 

そう言って雪ノ下はでていった。

 

八幡「んじゃあ行くか」

 

そう言って俺と由比ヶ浜は家庭科室へと向かったわ。

 

雪ノ下「さて、ではまずはそれぞれ作ってみましょうか。由比ヶ浜さんはこのレシピを見ながら作ってくれるかしら」

 

結衣「う、うん。わかった。やって見る」

 

そうして2人とも作業に取り掛かった。

えっ?俺?俺はあれだよ。あのー、あれ。味見だよ

 

10分後

俺の目の前には2つのクッキーが置かれている。1つはこんがりきつね色に焼けているクッキー。もう1つは真っ黒で暗黒物質を思い浮かばせるようなクッキーだ。

 

八幡「なぁ、由比ヶ浜。これ、どうやったら作れんだよ。レシピ通り作ったのか?」

 

結衣「い、いやー。隠し味にって思ってコーヒーの粉を入れたら多くなっちゃって」

 

由比ヶ浜はあははと笑っている。

 

雪乃「では、味見をお願いできるかしら」

 

八幡「・・・・・・まじで?」

 

雪乃「マジよ」

 

この黒いクッキー食えんのか?そう思ったのでちょっと2人に見つからないように初級魔法《サーチャー》を使った。

 

《サーチャー》とはその名の通りその物体を構成する物質を調べたりする初級魔法である。

 

八幡「《サーチャー》」ボソッ

 

・・・・・・・・・

 

結果・・・C

 

Cって・・・炭素!?嘘だろ?クッキーの材料使って炭素生成しやがったぞこいつ。錬金術師か!?

 

雪乃「比企谷君?何をしているの?さっさと食べなさい」

 

八幡「いや待て雪ノ下。この量は俺1人じゃあ無理だ。だからお前ら2人も食べろ。って言うかこの真っ黒なクッキーの毒味は流石にちょっと・・・

 

結衣「毒味言うなし!・・・・・・やっぱり毒かなぁ」

 

雪乃「・・・はぁ、わかったわでは皆で食べましょう」

 

そう言って雪ノ下は由比ヶ浜が作ったクッキーを取った。

 

そして3人が持つと雪ノ下が

 

雪乃「せーの」

 

と言って一斉に食べた。

 

・・・・・・3秒後全員その場に倒れ込みました。

 

八幡「ぐふっ!な、なんだこれ想像以上に硬いし不味い!」

 

雪乃「え、ええこれは流石に想像以上よ」

 

結衣「うう、何でこんなに硬くなっちゃったんだろ」

 

俺らは飲み物で何とかクッキーを流し込んだ。

 

雪乃「さて、ではどうしたら由比ヶ浜さんのクッキーを改善できるか考えましょう」

 

八幡「由比ヶ浜が料理をしない。または由比ヶ浜がレシピにアレンジを加えない」

 

結衣「ひど!?」

 

雪乃「比企谷君、それは最終手段よ」

 

結衣「それで解決しちゃうんだ!?」

 

はぁ、だってねぇ。これは流石に・・・

 

結衣「やっぱり無理なのかな。周りもこんなのやってないし」

 

こいつ・・・

 

八幡「おい、その「あなたのその周りに合わせようとするの辞めてもらえるかしら?虫唾が走るわ」・・・」

 

はい、セリフ取られましたー

 

結衣「で、でも周りは皆やってないし。それに私には全然向いてないっていうか」

 

雪乃「あら、一回やっただけで向き不向きが分かるなんて結構凄いわね。あなたは何の努力もしてないのに?ふふ、笑えるわ。努力もしないで向いていないなんて決めつけられるものなのね」

 

うわぁ、こいつは誰が相手でも罵倒するんだな。

これじゃあ由比ヶ浜も

 

結衣「か・・・」

 

ほらな、やっぱり帰るよな

 

結衣「カッコイイ・・・」

 

雪乃&八幡「 「は?」」

 

結衣「そうだよね、私。努力もなしで向き不向きを決めつけるなんて。そんなの努力してる人に迷惑になっちゃうよね。うん、雪ノ下さん私もう一回頑張ってみるから教えてください」

 

おお、こいつは俺が思っていたよりも結構図太いらしい・・・

 

・・・数10分後

 

結衣「出来ない・・・」

 

雪乃「何でこんなにミスをするのかしら」

 

雪ノ下ですら苦戦している模様・・・はぁしょうがないか

 

八幡「お前ら何で美味しいクッキー作ろうとしてんの?」

 

俺がそう言うと2人とも俺の方にはぁ?何言ってんだこいつ?みたいな顔を向けてきた。

 

八幡「はぁ、雪ノ下、お前はこのこの依頼の本質が分かっていない。まず、今回の依頼は『クッキーをあげたい人がいるからクッキーの作り方を教えて欲しい』だろ?まず注目すべき点はクッキーをあげたい人ってところだ。多分由比ヶ浜がクッキーをあげたいのは男だろ?だったら簡単だ。男ってのは単純なんだよ。男ってのは女の子からの手作りってだけで嬉しくなるもんなんだよ。だから頑張ったっていうところが分かれば良いんだよ」

 

結衣「じゃ、じゃあヒッキーも嬉しい?」

 

八幡「まぁ嬉しいっちゃ嬉しいな」

 

貰ったことないんだけどな!

なんか悲しくななってきた・・・やめよう。

 

八幡「まぁそういう事だ。だから今回の依頼は成功と言えるだろうな。」

 

結衣「そっか。じゃあ私は後は1人で頑張ってみるよ!ありがとう雪ノ下さん。ついでにヒッキーも」

 

ついでなのか

 

そう言って由比ヶ浜は出ていった。

 

雪乃「本当にアレでよかったのかしら」

 

八幡「まぁ依頼の本質はクッキーを渡すことだからな。大丈夫だろ」

 

そうして俺らの初依頼は終わったのであった。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。