魔法使いとチート八幡の日常   作:しろ@「 」

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魔法使いとチート八幡の日常‐異世界編‐12

皆に街を案内してもらった日の翌日。今日はフォーメーションを決めるためにまた闘技場に来ていた。

 

八幡「んじゃあ今日はフォーメーションを決めたいんだがいいか?」

 

そう言うと全員頷く。

 

八幡「よし、じゃあまずは遠距離にモカ、中距離にレイカ、前衛に俺とリリー、マナの3人だ。」

 

と、そこでレイカが質問をしてきた。まぁ大体質問の内容は分かるけど。

 

レイカ「えっと、中距離って何をすればいいんですか?私、ずっと前衛でやって来たからよく分からなくて。」

 

やっぱりそれか。

 

八幡「まぁ、魔法攻撃って所かな。でも中距離とか遠距離とか前衛とかのフォーメーションはあくまでも最初だけだからな?その場その場で変わっていくと思うから。」

 

レイカ「魔法攻撃・・・ですか。」

 

八幡「ああ、出来るよな?」

 

そう聞くとレイカは顔をふくらませながら

 

レイカ「私にだってそのくらい出来ますよ。バカにしないで下さい。」

 

って言ってきた。可愛い・・・ってそんなこと思ってる場合じゃないな。

 

八幡「まぁ、実践あるのみだな。」

 

そう言って俺は闇魔法で魔物に似せた人形を作った。

 

リリー「これって人形?」

 

八幡「ああ、俺の魔法で作った人形だ。これを使って練習しようと思う。」

 

それから俺らはひたすらに練習をした。モカやリリー、マナは前と同じ役割だからしっかりと出来ていた。しかしレイカは初めてやる中距離だからか連携があまり上手く出来ていなかった。まぁ最初だしな。

 

八幡「ふぅ、んじゃあ今日はここまでにするか。また明日だな。」

 

マナ「そうだね。じゃあまた明日だね。」

 

リリー「じゃあ、明日もここに集合でいいの?」

 

八幡「ああ、じゃあまた明日だな。お疲れ」

 

そう言って俺らは解散した。それにしてもレイカのヤツなんか悩んでるような顔をしてたけど大丈夫かな?あいつの性格だと居残り練習とかしてそうだな・・・魔法のコントロールは難しいからな、練習しないといけないし。一応闘技場見てこようかな。

 

そう思って闘技場に行くとやはりレイカが練習をしていた。

 

八幡「レイカ、休まないと疲労で倒れるぞ?」

 

俺はそう声を掛けた。

 

レイカ「あ、八幡さん。すみません、でも今日失敗ばかりだったから練習しないとと思って・・・」

 

八幡「まぁ、初めての中距離なんだ。いつもは前衛だったから魔法はあんま使わないだろうからコントロールがうまく行かなくてもしょうがない。明日からも練習して覚えていけばいいさ。」

 

レイカ「でも、それだと本当の実践に出るのはまだまだ後になってしまいます。皆に迷惑はかけられません。」

 

なるほど、はやく実践に出たいのか・・・まぁ討伐軍に入ってるんだから功績は残したいよな。

 

八幡「分かった。じゃあ、訓練が終わったら1時間だけ俺も居残り練習に付き合うよ。」

 

俺は隊長だしな。

 

レイカ「ですが、それでは八幡さんに迷惑が・・・」

 

八幡「全然迷惑なんて思わねぇよ。逆に俺は一応隊長なんだからもっと頼ってくれ。」

 

レイカ「八幡さん・・・分かりました。じゃあおねがいします。」

 

そう言ってレイカは頭を下げてきた。

 

八幡「おう、頑張ろうぜ」

 

それから俺達の居残り訓練がはじまった・・・のだが、途中で皆に見つかってしまい全員で練習するハメになりましたw

 

 

 

俺達が訓練を始めて3週間がすぎた。俺達の連携も良くなっていてもう実践に出てもいいくらいには成長した。

そして、今日は俺は隊室に溜まっていた資料と格闘していた。いや、正確には

 

八幡「はあ、隊長になるとこんなのをしないといけないのか・・・だるい」

 

リリー「あはは、まぁ隊長だしね。頑張ろう!私も副隊長として手伝うよ!」

 

俺とリリーの2人だな。

 

バタン!

 

俺達が仕事を始めようとした時いきなりドアが開いた。

 

「緊急事態です!隊長さんはいますか!?」

 

八幡「はい、俺がここの隊長の比企谷八幡です。緊急事態ってどうしたんですか?」

 

この慌て様なんかやばそうだな

 

「この街に“第1級危険種指定戦闘魔獣”が近づいてきているんです!」

 

第1級!?

 

八幡「他の隊の人はいないんですか?」

 

「それが、他の隊は全て討伐依頼などで出ていていないんです。」

 

八幡「団長は?」

 

「団長も討伐依頼で出ていて残っているのがここの『ヴィルダム』しかなくて。」

 

マジか大ピンチ。ってか詰んだんじゃね?

 

「30分耐えれれば多分団長のスピードなら帰ってこれると思うんですが出来ますか?」

 

30分・・・行けるか?俺らの5人で・・・いや、でもやるしか無いよな

 

八幡「・・・・・・分かりました。すぐに準備をして外門に行きます。」

 

リリー「えっ!?八幡君!?」

 

「分かりました。お願いします。」

 

そう言って出ていった。

 

リリー「八幡君!?第1級だよ!?出来ないよ!?」

 

八幡「リリー、全員呼んできてくれ。」

 

リリー「わ、わかったよ」

 

そう言ってリリーは全員を呼びにいった。

 

八幡「これで全員だな。初の実践だ。すぐに戦闘準備をして外門まで行くぞ。この街が危ない」

 

マナ「外門?」

 

レイカ「何かが来てる・・・ということですね」

 

モカ「・・・さっきから討伐軍のみんなが騒がしいのはそのため?」

 

リリー「う、うん。」

 

よし、準備出来た。みんなも出来てるか。

 

八幡「よし、急ぐぞ」

 

そう言って俺らは外門まではしった。

 

八幡「『ヴィルダム』到着しました。」

 

外門には討伐軍の事務員の人が外門の見張り人の人たちと話していた。

 

「あ、八幡さん。来ていただいてありがとうござ

います。今回は恐らく“バリジアンレイガー”だと思われます」

 

バリジアンレイガー・・・外見はゴリラだが炎を手に纏い全てを破壊し尽くす危険種。

 

あいつか。やるしか無いよな。

 

八幡「了解しました。30分、何としても守りきります。」

 

「お願いします」

 

そう言って事務員さんは去っていった。

 

八幡「よし、お前ら今回は“バリジアンレイガー”が相手だ。初の実践で危険種はちょっときついと思う。だがこの街の命運がかかってる。だから30分、俺に力を貸してくれ。頼む」

 

そう言って俺は頭を下げた。

 

マナ「“バリジアンレイガー”・・・ほんとに耐えれるの?30分も」

 

八幡「やるしか無いんだ。俺はこの街を無くしたくない。お前らがやらなくても俺がやる」

 

レイカ「ふふ、八幡さん。いえ、隊長。私はあなたに付いていきますよ?だってあなたは私の隊長だから。」

 

モカ「私も」

 

リリー「最初は無謀だと思ったけど、この街を守るためだもんね。私もやるよ!」

 

マナ「私もやるわよ」

 

八幡「皆・・・サンキュな。んじゃあ今回は危険種が相手だがやることは訓練の時と一緒だ。30分耐えきれば、団長とか他の隊も来てくれると思う。だからまずは30分耐えきるぞ!」

 

皆「 「 「 「おお!」」」」

 

そして俺達は外門を抜け“バリジアンレイガー”が来ると思われる方向へと向かった。

 


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