もしも遊戯王GXに転生した奴が恵まれてなかったら   作:夜想曲

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あの時点でタウンマップ貰ってなくても「なんならタウンマップで確認してごらん!」ってセリフが聞けるから案内じいさんは存在意義がなかったって話。金銀のことな!
HGとかSSだとダッシューズくれるから……しかもBボタン押さなくてもいい奴を


君は今!アカデミアへの第一歩を踏み出した!

あの後攻撃力2900を超えられることはなく、そのままデュエルに勝利。つまんないって? 仕方ないよ、テーブルデュエルだもん。命賭けたデュエルでもないのに奇跡が起きてたまるか。うん、万事OK。

 

「せんちょー、元気出してくださいよー」

「だぁーっとれー。ワシは負けたんじゃー。デュエリストとして駆け出しの小僧にもさくーと負ける弱卒なんじゃー」

 

こんな面倒なことになってなければ。

 

デュエル終了時におっさんが不貞腐れた。連戦連敗が重なり重なり、今までの豪快な性格が嘘のように。……っても、わざとらしく子供っぽさを演出しつつチラチラ見てくる以上ただの構ってちゃんモードだろう。可愛い女の子だったら適当に振り回すけどおっさんだしなーどうしよっかなー

 

 

「沢渡さん沢渡さん。これって事前に連戦連敗させやがったどこぞの岩石族使いが累積的に考えて悪いと思いません?」

「いやいやいや。これはデュエルアカデミア選抜試験で最長ターン数を稼ぎ出したどこぞの新入生が入学前に海の大親分を完膚なきまでに叩きのめしたからだろうなぁ。俺は悪くない」

「その判断に気味が悪い。とまぁ冗談と本音はさておき、船員さん。アカデミアまであと何時間?」

「えーと、あと1時間くらいで着くと思いますよー」

「そこはワシに聞くんじゃないのか!?」

 

ちょこんとしてる船員さんに質問したら唐突におっさんの不貞寝が終了した。いやだって面倒じゃん、わざわざ気を遣って励ますとか。

「そもそもわざとらしくチラチラ見ながら泣かれても『選択肢:そっとしておこう』にしかならないんですが」

「大人気なかったのは分かっとるが面倒ごとの押し付け合いとか絶対に変だっちゅーの!!少しは子供らしいノリをだなぁ!?」

わーい理不尽におこられたー。

 

そんなこんなで馬鹿やってる間にアカデミア到着。荷物を持って降りようとしたところ、「お前のカード多過ぎィ!?」とのことで、沢渡さんとおっちゃんと女船員さんが付いて来てくれることに。

 

「で、どの寮ですか?レッドだと寝るスペースが確保できる気がしないんですがこの量」←主人公:手荷物+リュックサック+キャリーケース

「いや、一応寮より先に校長のところに行かないといけないらしい。……それに俺もこっちでバイトできることになったからな」←沢渡さん:沢渡さんの荷物+ジュラルミンケース

「それじゃあワシらはどこで待ってればええんじゃ? 何か入り用か訊ねるにも小僧の荷物は邪魔だっちゅーの」←アナシスさん:段ボール箱3つを荷台に乗せて

「せんちょー、荷運びで恩売りつければ販路確保できるんじゃないですー?」←船員さん。手持ち鞄と彼女の背負い荷物。……荷物?

 

「船員さん、なんで自分の荷物?」

「アカデミアの購買でバイトしたいと思いまして沢渡さんのコネ使おうかなーって」

「それで他の奴らがワシらを笑顔で見送ってたんか!?」

おっちゃん……人望ないのね。

 

ダメならダメで船に戻ればいいですもんね、とのたまう女船員さんにおっちゃんがドン引きしつつ、港からの道をそれなりに急ぎつつ進む。アカデミア校舎までもう少し。

 

* * *

 

「とうちゃーく」

船員さんのぽやんとした声が広場に響く。職員室の場所が分からないが沢渡さんが先に教員を読んでくるとのこと。

「直接行った方が良い気もするけど、この荷物じゃなぁ…」

「ワシはこのままなんか売れないか交渉に入るつもりだったんじゃが、建物の外で話となるとなー」

……と、ベルが鳴り響く。授業が終わったのだろうか?

そして今はお昼時。

 

「お、新入りかな?」

「デュエルアカデミアにようこそ」

「どこの寮だ?案内するよ」

「転校生ちゃん、可愛いボウヤね」

「ちくわ大明神」

「おっさん船長だ!海賊!?海賊なのか!?」

「すっげー荷物だなぁ」

「誰だ今の」

 

そりゃ囲まれるよな。デュエルディスク持ってねーんだけど。

……と、船員さんが鞄を漁る。というか、

「ディスク持っとるじゃないか!なんで小僧に貸してやらなんだ?」

「船の上でデュエルとか酔いやすい人にはNGですって。船医さんにちゃんと確認しましょう」ありがてぇ。

 

そしてありがたいのはここからだった。

「さーさーみなさーん。この中で1番強い人がいたらわたしとデュエルとかしてみませんかぁー?」

なんと!女船員さんは俺への集中砲火を引き受けてくれたのだ!これでデッキ調整(チューナー文字摘出)前にカード出さずに済む!

「よーしここで目立った実力を見せればデュエル脳の皆さんはすんなりバイト面接に合格をくれそうだ、うむ」

感謝を撤回はしないがぽやぽやしつつ腹黒いってホント最高の組み合わせだよなぁ。

 

そんですぐに人混みが割れ、なんか高飛車そうな肉まん女がやってくる。さっき俺をボウヤ呼ばわりしたメスガキちゃんだ。

「それなら私が相手するわ。貴女も女性デュエリストとして、アカデミアの女性デュエリストの実力を知っておきたいと思わない?」

「それじゃーやりますかー。みなさーんちゅうもーく!今から最高のデュエルを魅せますよー」

「さぁ、行くわよ!」

「その前にお名前をー。ちなみにわたしは『真水葵(しみず・あおい)』っていいますー」

「藤原雪乃よ。さぁ、楽しませて頂戴!」

 

初めて女船員さんの名前知ったわ。




女神「ああっ!またポジった!」
爺神「こんなんじゃチャート壊れる」
死神「DSを閉じろ、ここは遊戯王SSだ」
女神「ちょっと、このRTAが記録出るまで……」
死神「B降下補正のアシマリしか引かないようにしてやろうか?」
爺神「やめて!厳選のし過ぎでもう逆リーリエショック状態なんじゃ!」
女神「何?リーリエに逢えなくなった?ふふ、そんなの簡単さ。こうすればよかったんだ!!」
爺神「ヤメローこんなの主人公じゃない!」
死神「…あ、もしもしアルセウス?ちょっと分霊寄越してくれないかな駄目神ズ〆るのに」

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