イコセニ   作:中原 千

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中原です。

今回は難産でした。

キャラや口調を自由に出来るオリ主と違って、
原作キャラはなるべく崩さないようにしなきゃいけないので経験の少ない作者には難しかったです。
経験を積んで、また挑戦したいです。

それでは、第4話をどうぞ



第4話

「ふわぁーあ。よく寝たぁ。」

 

 

今日はなんだかいつもよりぐっすり寝られた気がする。

起きがけのぼーっとした心地で快眠の余韻を楽しみながら、二度寝をしてしまおうか考える。

 

学校に遅れたら大変だと時計を確認しようとして、いつもと様子が違うことに気付く。

 

今度はバッチリと目を覚まして周りを確認すると自分が保健室のベッドで寝ていたことに気が付く。

 

何で私はこんなところで寝ちゃってたんだろうと寝る前のことを思い出そうとしてみるが 、何故か思い出してはいけないと必死に訴えかける私がいる。

なんだか、思い出すのが怖くなってきちゃったよぉ。

 

思い出すことへの恐怖にブルブル震えながら今日家を出てからのことを考える。

 

そういえば、今日はとんでもない人に通学路で会った気がする。

 

誰だっただろうか。

うーんと、背は私と同じくらいで、髪は黒くて、大分昔から知り合いで、男の子で、

 

 

 

 

 

あれ?!

男の子っ?!

 

あっ!

思い出した一条君だ!

今日は歩いていたら何故か一条君が挨拶をしてくれて、

 

 

そして、そして、

 

そして私は突然のことに驚いちゃって一条君を落ち込ませちゃったんだった。

 

あぁー、どうしよう。男の子のこと傷つけちゃったよぉ。

私ったらなんてことをしちゃったんだろう。

男の子を傷つける女子なんて最低だよぉ。

 

それも相手は一条君。

 

一条君は可愛いくて、元気でしかも女子相手にも話しかけてくれる天使みたいな人だ。

しかも、とっても頭が良くて中学生の頃からずっとトップを独走していた。

そんな一条君だからてっきり名門の男子校に行くと思って一緒の高校生活は諦めていたけど、

偶々一条君が凡矢理高校を受けることを知って、

私は受験勉強を頑張った。

その時の私にとって、凡矢理高校はレベルが高い高校だったけど、親友のるりちゃんに手伝ってもらってなんとか一条君と一緒の高校生活を掴みとった。

るりちゃんには一生頭が上がらない気がするよぉ。

 

そうして、一条君とは幼なじみと密かに思っている関係になったと思っていたのに、

あぁ、自己嫌悪だよぉ。

 

だけど、傷つけちゃったことと私が保健室に寝てたことは繋がらないからその後何かあったはずだよね。

 

えーっとぉ。

 

たしか、落ち込む一条君を見て慌てて言い訳してたら、

一条君が笑って許してくれて、それからぁ、

 

 

ボッ

 

 

顔が熱くなって来るのが分かる。

はわわわ大変だよぉ。

私、私ぃ、一条君と手を繋いじゃったよぉ。

やだ、すごい恥ずかしい…!!

何やってんだろ私…

 

 

一条君の手を握ってからの記憶がないってことは、

そのまま気絶しちゃったってことだよぉ。

 

しかも、今保健室にいるってことは一条君にここまで運んで貰っちゃったってことだよぉ。

すごく迷惑かけちゃってるよぉ。

最近ご飯食べ過ぎちゃってるし、今日だって 朝ごはんいっぱい食べちゃったし、私絶対重かったよぉ。

ごめんね、一条君。

 

 

 

 

ふぅ、ちょっと落ち着いた。

だけど今日はすごい経験をしちゃったよぉ。

男の子の、それも一条君の手を握っちゃうなんて今までで一番の衝撃だよぉ。

ああ、今日一日は手を洗わないで過ごそう。

 

それにしても、思い出すだけでドキドキが止まらないよ。

一条君の手、あったかかったなぁ、柔らかかったなぁ。

まだ手に一条君の感触が残っている気がするy…

 

 

 

…ってあれ

何か記憶にしては感触がリアル過ぎるような、隣に気配を感じるような、

 

ギギギと壊れかけたロボットのような動きで気配の方を見る。

 

そして、恐る恐る布団を剥がすと…

 

 

 

ブフゥーーー

なっなっ何で一条君が隣に寝ちゃってるのー?!

 

どうしよう どうしよう どうしよう

やっぱり私が重くて疲れちゃったのかなー?!

 

って、そんなこと考えてる場合じゃないよぉ。

今の状況を誰かに見られたり、一条君が起きたりしちゃったら私逮捕されちゃうよ。

 

どうしよう どうしよう

 

 

ふあぁ。

それにしても、一条君の寝顔可愛いなぁ。

うん。

これで、一条君も見納めかもしれないしもっとよくみよう。

 

 

 

あぁー。

一条君はやっぱり可愛いなぁ。キレイだなぁ。

吸い込まれそうだよぉ。

 

 

 

そして、私と一条君の顔が

近付いて 近付いて 近付いて 近付いて 近付いて

 

 

 

 

 

ガタッ

 

 

 

 

 

はっ!

今私何しようとしてたの?!

これじゃあ本当に逮捕されちゃうよぉ。

 

ブンブンと周りを見て誰も居ないことを確認する。

 

よし、オーケイ。

 

それじゃあ、

ごめんね、一条君 と心の中で謝って急いで逃げる。

 

 

ふう、なんとか出てこれたよぉ。

一条君にはいっぱい迷惑かけちゃったし、

後で謝って、お礼も言おう。

 

安心したらトイレに行きたくなってきちゃった。

近くにあったから入ろう。

ドアを開けると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタウゥガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

 

 

 

 

 

 

 

ギャー!

なっ何かいるよぉ。

うめき声も聞こえるし、あれかなぁ一条君に手を出しそうになったから守護霊みたいな人に祟られちゃったのかなぁ。

 

うぅ うぅ

 

 

「ごっ、ごめんなさぁーーーーーーーーい!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

養護教諭「ふう、スッキリした。

あれ?今、誰か居たかしら?」




信じられますか。
この養護教諭、ネームドキャラじゃないんですよ。
何故か気に入ってオチ要員にしてしまいました。
これからの出番は分かりません。


作者は小咲ちゃんの魅力を引き出せたでしょうか。
これが今の作者の精一杯です。
精進します。


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