イコセニ 作：中原 千
「……だからさぁ、ずっと付いて来ないでってば……」
「そういうわけには参りません。あらゆる時間にあらゆる脅威からお嬢をお守りするのが私の務め……！」
それにやっとお嬢の側にいられるのですし…………
「あっ！おはようダーリン！」
「おはよう、桐崎さん！それと、鶫さ「ドッセイ！」ｶﾞﾝｯ」
「うわぁ………痛そう。頭から入ったよね、大丈夫？」
一条白がかけよって顔を覗き込んでくる。
近い近い近い近い近い近い近い近い近いッうわぁーー！
「……私に寄るな触れるな話しかけるな！！」
「辛辣っ？！なにその非白三原則？！」
一旦この場を離れよう……
「いきましょうかお嬢。荷物お持ちします。」
立ち去ろうとすると、
「あっ、肩に糸屑が」ﾁｮﾝ
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー！！！
休憩時感にお嬢に相談してみる。
「……で、相談ってどうしたの？」
「大したことではないのですが………実は最近、体の調子がおかしいのです。」
「ふーん、どんなの？」
「それが……特定の人物の前では動悸が激しくなって、胸も苦しくなり、顔が熱くなり、会話もまともに出来ない有り様でして……」
「…………え、それって…………何かしらね！まったく分からないわ！」ﾌﾞﾝｯ
「…………お嬢、何故顔をそらすのですか？」
あんなに勢いよく首を動かしては痛めたりしないのでしょうか？
「……なんでもないわよ！」ﾋｭｰﾋｭｰ
「……お嬢、口笛の音でてないです。」
お嬢の様子がおかしい。
体調を崩されたのでしょうか？
……他の人にも聞いてみましょう。
クラスメイト
「えっ？！それってあれじゃない？！」
「やっぱりアレ？！キャー！！！」
先生
「あっはっはっはっ、いやー青春だねぇ！！」
舞子集
「……へ？ そりゃあもちろん……てゆか、それってもしかして白のこと？」
「ぶおっ！なぜ分かる……？！」
「ブッ！プクススス……プス……プククク……」
「おい貴様何がおかしい！！笑うな！！」
……疲れただけで何も収穫がなかった。
なぜみんな言葉をにごすのだろうか？
……あそこにいらっしゃるのは！
「「……へ？」」
「それって……」
「ねぇ……？」
「お心当たりがあるのですか小野寺様！！」
やはり小野寺様に相談して正解でした。
「小野寺様って……
ｺﾎﾝ えーと……おそらく……鶫さんは"恋"をされているのではないでしょうか」
………え？
「なっ……それは絶対に違います！！！」
……あの男だけは……あの男だけは……
「ありえません……！それだけは絶対に……！あのような男など……」
「……いや、その人のことは知らないけど……一般的にもそれは恋だと思うよ？」
「小咲もそれの真っ只中だしね。」
！
「小野寺様は今恋をされているのですか！お相手はどのような方で？」
「えと……そr「ほら、あいつよ、い……」ﾊﾞｼｯ」
？！
今、小野寺様が歴戦のヒットマンのような動きを……
「……痛いんだけど」
「今のはるりちゃんが悪いよ！」
恋……恋か……私があんな男に……？
バカな……そもそもヤツはお嬢の恋人だぞ……そんな事になったら…………
禁断の恋的なものを想像する
「のぉぉぉぉぉぉぉぉおーーーーーーーー！
バカバカバカバカバカバカバカバカバカ！！」
なにを考えてるんだ！私の不埒者！！
「死ね私！ｺﾞｽﾝ 死ね私！ｺﾞｽﾝ 死ね私！ｺﾞｽﾝ」
私が柱に頭を打ち付けていると、
「何やってるの鶫さん？！額が裂けて血がドバドバ出てるよッ！！！」
いつの間にか一条白がいる。
…………
「違うんだァァァァ！」
ﾊﾟｼｯ「危なっ！いきなり殴ったりして！僕じゃなかったら大怪我だよ！…………様子がおかしい。鶫さん！保健室に…………」
「違うんだァァァァァァァァーーーーーーーー！！！」
全速力で逃げる。
「…………速っ？！
今の鶫さん、僕との決闘の時より余裕で速いんだけど…………」
……こんな状態ではお嬢をお守りすることができない……どうすればいいんだ私は……
「あっ、いた！つぐみどう～？何か分かった？」
「お嬢……！
それが、恋だと言われました……」
「こっ、こっ、こっ、こっ、こ……恋？！
……そうなのね？やっぱり恋なのね……ﾎﾞｿｯ」
「お嬢……ご教授願えませんか？」
「わっ私？！経験少ないけど……」
「何をおっしゃっいるのですか、お嬢には今、恋人が……それに、あの十年前の初恋もあるじゃないですか。」
「……へ？」
「……やはりお忘れでしたか。無理もないですが……」
「…………あーーーーーーー！！」
どうやら思い出されたようです。
「フフ、懐かしいですね。あの頃のお嬢は毎日のように家を抜け出してその子に会いに行って、私もよく困らされたものです。」
「……顔と名前が思い出せない……」
「私もそこまでは覚えていません。ですが、とても素敵な恋のようでしたよ。あんなに一途に誰かを思えるなんて素敵だなと思ってました。」
「やめてよ恥ずかしい…………って！今はそれよりつぐみのことよ！」
「そうでしたね。……しかし、恋は違うとしてこの症状はいったいなんなんでしょう？
まず、その特定の人物の前d「鶫さん！！やっと見つけた！！」」
この声は……？！
「もうっ！治療もせずに逃げないでよ！バイ菌が入って化膿したら大変だよ？保健室から救急箱借りてきたから今度は逃げないでね！桐崎さん！ちょっと鶫さんを押さえてて！」
「分かった！」
一条白？！
逃げねば……ってお嬢？！
「お嬢！放してください！」
「ダメよ！」
「よしよし桐崎さんいい感じだよ～。ほーら鶫さん、ちょっと染みるけどガマンしてね～」
一条白がどんどん近付いてきて……あぁ……あぁ……
「殺☆菌っと」
……って！
「痛ッたァァァァァァァァァァァァァァァァ…………………………」
アンケートの途中経過ですが、エウリュアレ様（宮本さん）圧倒的ですね！
やっぱり宮本さんは女神様やったんや……！
難易度は高そうですが頑張ります！
まだアンケートは続いています。
宮本さんがこれまで以上に差を広げるのか、こっからの誰かの逆転が起きるのか、結果はまだわかりません！