イコセニ   作:中原 千

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スマホで執筆している作者ですが、近日ノートパソコンが復帰します。
これは執筆が捗るとワクワクが止まりません。


第3話

「…よーし。今日のホームルーム始めるぞー。

お前ら、席に着けー。」

 

 

担任のキョーコちゃんが入って来てホームルームが始まる。

 

だがしかし!私っじゃなくて僕にはやらなければならないことがある。

そのために僕は、

 

「すみません!体調が優れないので保健室に行って来ますッ!」

 

 

強行突破することにした。

この時キョーコちゃんとの距離を詰め、顔を近付けるのがコツだ。

そうするとキョーコちゃんは、

 

 

「おおおう。分かった。気を付けて行ってこーい。」

 

 

と狼狽えながら顔を赤くして了承した。

計画通り

と心の中で新世界の神のような表情を作りながら言ってみるが、よく考えたら普通に頼んでもキョーコちゃんならのほほんと了承した気がする。

全く無駄なことをしてしまったが仕方がない。

なぜなら今僕はテンションが非常に高いのだ。

長年求めていたものが手に入りそうなのである。

久しく自分の中に封印していたモノが出てきそうなほどに動揺している。

 

 

最寄りのトイレに駆け込み、逸る気持ちを抑えて震える手でスマートフォンを立ち上げ検索アプリを開く。

 

 

 

 

しばらく調べものをした僕は口角が上がるのを抑えられなかった。

笑顔が攻撃的な表情だと言う話は全く本当だったらしい。

今の僕はこれまでで最高にイケイケだ。

 

調べた結果見つかった記事には

「20代女性 男子校生に猥褻行為をして逮捕」

「男子の出生率 今年も低下」

「一夫多妻制 可決の方向へ」etc.

 

と、その筋の人なら一瞬で気付くであろうワードがゴロゴロ出てきた。

因みに、エロ画像は開かなかった。

分かりやすい地雷は回避する主義である。

これからはコンビニのコーナーに気を付けよう。

 

何はともあれこれで確信が持てた。

過去最高にイケイケの僕は早速攻勢に出る所存である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく歩いて向かった先はキョーコちゃんへの宣言通り保健室である。

 

ドアを開けて透かさずに養護教諭の先生にするのは、

 

 

 

「すみません!体調が優れないので休ませて下さい!」

 

 

「恥ずかしいので、覗かないで下さいね」テレッ

 

 

と、接近作戦その2である。

今回は恥じらい顔も添えてある。

すると、やはり先生は顔を赤くして頷くその様は宛ら赤ベコである。

今日のお土産に家にお持ち帰り(意味深)しても良いかもしれない。

それにしても、接近作戦は強力である。

上姉様の宝具よりも強いかもしれない。

 

そして、そのままスムーズな動きで向かうのは

「先客がいる」ベッドである。

ついでに手も握っておこうと悪い顔をしながら布団に入る。

 

隣のベッドに入ったように偽装したのでスタンから回復した先生にばれる事もないだろう。

この世界で男子の寝顔を覗くなんてセクハラで訴えられても仕方のない行為だ。

さらに我が家はヤクザ者だ。

誰でも自分の経歴と内臓は大事だろう。

何よりもこれからトイレに長時間籠ることになるだろう。

 

…そこはかとなく先生はトイレの中で経歴と内臓へのリスクを負っている気もするが、それはそれである。

 

 

 

意識を切り替えて隣の小野寺さんの寝顔を堪能している僕は、

我が叡智に惚れ惚れしながら再び心の中で新世界の神のような表情をして、小野寺さんの手の温もりと柔らかさを感じつつ目を瞑るのだった。




遂に本格的に動き始めたオリ主です。

次回は小野寺さんの魅力を引き出せるように頑張ります。
文字数も増やして読みごたえも出していきたいです。

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