イコセニ   作:中原 千

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投稿時間を少し早める事が出来ました。

目指せ、脱ギリギリです。







第32話

「え?転校生?」

 

 

「らしーよ。なんか突然決まったらしくてさ、生徒にゃ通知が遅れたんだと。」

 

 

集が話す。

 

……にしても、

 

 

「何をニヤニヤしてるんだよ、気持ち悪い……」

 

 

そう聞くと集は一層ニヤケ顔を鬱陶しくさせて言う。

 

 

「で、その転校生、"男"なんだとよ。しかも、噂によれば"美男子"!!

これは、流石の白さんもクラスのアイドルの地位が脅かされる大ピンチなんじゃあないですかね!」

 

 

おいやめろ!その顔マジでウザイ!

 

 

「……ああ、なるほど、そういうことね。」

 

 

「およ?あんまり焦ってない感じ?」

 

 

「まあね。誰が来たところで僕自身が何か変わるわけじゃないしね。」

 

 

「おーおー、流石現アイドル様は余裕っすね。

弄り甲斐がない……」

 

 

残念だったな集よ。

桐崎さんとキスをし、小野寺さんに告白(寝言)をされた僕はその程度では動じない。

 

 

「まあ、それでも……

僕の女に手を出したら我が剣の錆にする……

なんてね!」

 

 

桐崎さんに小野寺さん。それと、宮本さん。

この三人に手を出されると僕は修羅になる。

 

 

「怖ーよ!お前がそういう事言うと、シャレになんねーんだよ!」

 

 

「冗談に決まってんじゃん。

……大事な刀を錆び付かせるなんてとんでもない、ちゃんと手入れするよ。」

 

 

心外である。

 

 

「いや、そっちかよ!斬る方は否定しないのかよ?!」

 

 

 

「…………」ニコニコ

 

 

 

「何、その意味深な笑顔、怖っ!お前ってそんなデンジャラスなヤツだったっけ……?」

 

 

 

「よーしお前ら、突然だが今日は転校生を紹介するぞー。入って、鶫さん。」

 

 

「はい。」

 

 

キョーコちゃんが転校生を呼ぶ。

 

 

「初めまして、鶫 誠士郎と申します。どうぞよろしく。」

 

 

 

「キャー!!どうしようすっごいイケメン~!!」

 

 

「モデルさん?!」

 

 

「顔ちっちゃ~い!」

 

 

「うぐっ!私は一条君一筋、私は一条君一筋……」

 

 

沸き立つクラス。何か葛藤している佐藤さん。

 

 

……この人……

 

 

ガタッ「……!!つぐみ……?!」

 

 

驚いたように立ち上がる桐崎さん。

どうやら、知り合いらしい。

 

「お嬢……!お久しぶりです、お嬢ーーー!」

 

 

転校生は桐崎さんに抱きついた。

 

「おお~~~?!なんだあ?!」

 

 

「転校生が桐崎さんに抱きついた~~!!」

 

 

クラスのボルテージが上がる。

 

「バッ……バカ……!!何やってんのよ……!」

 

 

桐崎さんも素らしきものが出ている。

 

 

 

 

「何、何?どういう展開?」

 

 

「まさか一条君にライバル登場?!」

 

 

「修羅場?!修羅場なの?!」

 

 

「……どっちが勝つか全然分かんない!」

 

 

「うん。一条君は可愛い系だし、鶫さんはクール系だし!」

 

 

クラスは混乱をさらに極める。

 

 

 

 

 

 

 

「……しっかし、なんであいつあんなカッコしてんだろーなぁ……って、おいっ!なんて顔してんだよ白?!」

 

 

……ム、顔に出てたか。

 

 

「お前……本当に斬りつけたりしないよな……?」

 

 

「うーん、どうだろうね。相手の出方次第かな。

……あの人、動きが素人じゃないし、硝煙の臭いがする。それに、銃をいくつか携帯してる。」

 

 

「いや、白、何言ってんだよ……今ごろ中二病か?」

 

 

……コイツは……

 

 

 

 

「ちょ……ちょっと……!」

 

 

集と話していると、桐崎さんに呼ばれた。

 

 

「彼!この人が私の恋人……!」

 

 

「初めまして!」

 

 

とりあえず挨拶しておく。

 

 

「おお……!お噂はかねがね聞いておりましたが、こうして直にお会いするとなんとも可愛らしい方ではありませんか……!

素晴らしい!!これでビーハイブも安泰ですね……!!」

 

 

「アハハハ、ありがとうございます。」

 

 

……胡散臭い。

 

 

その後、転校生は桐崎さんと昼食を取ったり、紅茶を淹れたりしていた。

 

 

……ふむ、転校生はとりあえずは安全と見てよさそうか?

 

僕がイケボマーの監視を妨害したから、そのかわりに派遣された刺客だろうと当たりをつけていたが、平和的にくるならもう少し友好的に接してみてもいいかもしれない。

まあ、暫く警戒は続けるが。

 

 

 

「おーおー大丈夫か?一条君。ライバルは強敵のようだな。」

 

 

「そうだね、手を見るに銃の練度も高そうだから、生半可な剣技だと射殺されて終わりだ。やり合うなら全力じゃないと厳しそうだね……」

 

 

「……いや、そっちの話じゃないけど!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……少しして、桐崎さんがトイレにいくと、

 

 

「……一条さん、少し聞いてもよろしいですか……?」

 

 

転校生に屋上に呼び出された。

 

保険をかけておくか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は鶫誠士郎、ビーハイブ所属のヒットマンです。

 

私はクロード様よりお嬢を護衛する任務を授かり、凡矢理高校に本日付で編入する事が決定しました。

 

……久しぶりにお嬢に会える。

 

その事が非常に楽しみです。

 

 

しかし、護衛するに当たって懸念が一つ、現在、お嬢と交際関係にある男、一条白です。

 

 

……お嬢と交際

 

ゆ……許せん……!

私は十年前のお嬢と約束した日から、お嬢をこの手で守れるようになろうと決心し、あらゆる訓練を乗り越え、日々精進し、強くなった……!!

血の滲むような努力で……!!

 

……てゆうかぶっちゃけ絶対私の方が私の事を愛してるのにッ!

 

許せん!一条白、許せん!!!

 

 

 

……ふう、取り乱しました。

 

 

かてて加えて、クロード様によると、その一条白という男はお嬢を利用されているとか……

 

 

……そのような行い、断じて見過ごす訳にはいかない!

 

 

……お嬢、待っていて下さい……

 

そして、今度こそ果たしに行きます。

あの十年前の約束を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転校初日、

 

 

先生に呼ばれ、教室に入る。

 

 

「初めまして、鶫 誠士郎と申します。どうぞよろしく。」

 

 

自己紹介すると、周囲が騒がしくなった。

だが、そんな事はどうでもいい。

 

 

「……!!つぐみ……?!」

 

 

「お嬢……!お久しぶりです、お嬢ーーー!」

 

 

私は感極まってお嬢に抱きついた。

 

 

「バッ……バカ……!!何やってんのよ……!」

 

 

「ああ、お嬢……!!お会いしとうございました……!!」

 

 

ああ、嬉しすぎて涙まで出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……突然申し訳ありません。」

 

 

お嬢に事情を伝える。

 

 

「クロード様の命で、お嬢の側について、見聞を広めよと……」

 

 

多少、事実と違い、お嬢を騙すようで心苦しいが任務のためだから、割りきらなくてはならない。

 

 

「……それより、なんでそのカッコなの?」

 

 

お嬢に聞かれる。

 

 

「いえ、これは……この学校指定の制服がどうしてもみつからなくて仕方なく……」

 

 

 

 

 

……お嬢とお話ししたい事は尽きないが、そろそろ本題に入らなくてはならない。

 

 

「……ところで、お嬢には最近とても素敵な恋人が出来たとか。

よろしければ、私にも紹介して頂けませんか?」

 

 

 

「あっ……えーと………ちょ……ちょっと……!」

 

 

そうして、お嬢が呼んだ人物を観察する。

 

 

 

……なるほど、 確かにクロード様のいう通り、この男は危険だ。

 

 

隙がなく、何よりも体運びが巧すぎる。

その事から、そうとうな手練れである事が伺える。

 

それに、笑顔を浮かべてはいるが私を警戒している。

よって、頭も回ると判断できる。

 

 

……厄介だ。

 

油断していたつもりはないが、どうやら評価を数段上げなければならないようだ。

 

 

 

「彼!この人が私の恋人……!」

 

 

「初めまして!」

 

 

一条白に挨拶をされた。

仮にもお嬢の恋人だ。一応、褒めておこう。

 

「おお……!お噂はかねがね聞いておりましたが、こうして直にお会いするとなんとも可愛らしい方ではありませんか……!

素晴らしい!!これでビーハイブも安泰ですね……!!」

 

 

「アハハハ、ありがとうございます。」

 

 

……チッ、胡散臭いヤツだ。

 

 

その後、しばらく、お嬢と楽しい時間を過ごしていたが、お嬢がトイレに行ったのを機に踏み込んでみる。

 

 

「……一条さん、少し聞いてもよろしいですか……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一条白を屋上に呼び出した。

 

 

……少し意外だ。ヤツは私を警戒しているようだったから、てっきり乗ってこないかと思っていたが案外あっさりと着いてきた。

 

……ヤツがなにを考えているか分からない。

 

 

……まあいい、見極めさせてもらうとしよう。

 

 

 

 

 

 




次回は、戦闘描写が有るわけですが、作者は果たしてマトモに書けるのでしょうか?!

誠心誠意頑張ります!

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