イコセニ   作:中原 千

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再び誤字報告をいただいてしまいました。

誤字対策を強化し、よりよい作品に出来るよう努めます。


第26話

「今日はありがとう、一条君。」

 

 

水着姿のエウリュアレ様(宮本さん)がやって来た。

 

ハアハア、貴い!スク水の宮本さん貴い!

prprしたい!!!

 

 

「気にしないで!僕も楽しみだし!」

 

 

内心は表に出さない。

女神様にドン引きされたら、僕はショックで立ち直れない。

 

 

「……ほら、桐崎さん。隠れてないで……」

 

 

ムム!小野寺さんもスク水だ!

ええですのお。可愛えですのお。

 

 

「ほら、速く……」

 

 

 

 

小野寺さんに引っ張られて桐崎さんも来た!

しかも、着ているのはビキニタイプの水着だ。

眼福である。

恥ずかしがって小野寺さんの後ろに隠れる姿も初々しくて非常に良い。

 

……あんなに恥ずかしがるなら普通のにすればいいのに……

 

 

これはアレだな。

組の人にごり押しされたな。

僕も結構覚えがある。あの感じは断れないよね。

 

桐崎さん、強く生きて……

 

 

 

 

……それにしても、あべこべ世界の何が素晴らしいかって、女子の水着姿をジロジロ見ても照れられる事はあっても、通報はされないことだよね。

 

……え?前世で?通報されたこと?ソンナノアルワケナイジャナイデスカー(棒)

 

 

……さて、嫌なことを思い出しそうになったが、切り替えよう。

荒んだ心は眼前の絶景が癒してくれる。

 

逆に僕へと注がれる視線も気にならない。

特定の場所に視線が度々来る気もするが気にならないったら気にならない。

 

……むしろ、これはこれで……いや、やめておこう。

この先は深淵な気がする。

 

 

 

 

「小野寺さん!今日はよろしくね!」

 

「う……うん!一条君!こちらこそよろしくお願いします。

それにしても一条君!水着、似合ってるね!」

 

 

因みに、僕の水着はプールの監視員が着るようなパーカーである。

物凄く泳ぎづらい。

海パンが恋しいがこの世界では履くことは許されない。

 

まあ、それはともかく今を楽しもう。

 

 

「ありがとう、小野寺さん!とっても嬉しいよ!

しかし、息をするように褒めるとは、小野寺さんってもしかして手慣れてる?」

 

 

ブゥッ「そんなっ!手慣れてるなんてっ!」

 

 

アワアワする小野寺さんにあわせて揺さぶられる胸部。

これはいいものだ。

 

 

「アハハハ、ゴメンね、小野寺さん。冗談だよ。

そんなに慌てちゃって、小野寺さん可愛いー!」

 

 

前の世界の女子高生をトレースして、小野寺さんに抱きついて、髪をワシワシする。

ムフッ、肌がッ!体温がッ!

なんてお得な立ち位置なんだッ!

ビバッ、あべこべ世界!

 

フリーズする小野寺さん。

 

……暫くして、小野寺さんもそろそろヤバそうになってきたので解放する。

 

 

 

「ふぅー、堪能した。満足、満足。」

 

 

 

「ぁぅぇ、いっ、一条君!からかわないでよ 、もー……」

 

 

赤くなってむくれる小野寺さん。

そんな姿も可愛いです。

 

 

「……じゃあ、練習始めよっか。」

 

 

 

と、練習を始めようとすると、

 

 

 

 

「……ところで、」

 

 

 

「?どうしたの宮本さん?」

 

 

 

「二人はあの蔵で何をやってたの?

あんな"暗がり"の"密室"で"二人きり"で"あんな体勢"で……」

 

 

ブフー

 

バタッ

 

 

油断していた所に思わぬ痛撃をくらい、倒れる僕と桐崎さん。

 

……ちゃうんすよ……誤解なんすよ……

 

 

瀕死の体にムチ打って何とか弁解する事暫し、

 

 

 

 

「……事故なのね。」

 

 

何とか誤解を解くことが出来た。

 

 

「そうだったんだぁ。」

 

 

同時に小野寺さんにも説明出来た。

結果的に僕を助けてくれた!

流石、僕の女神様だぜ!

 

 

「……本当はいかがわしい事してたんじゃ?」

 

 

「違うよ!」

 

……お願いですから信じて下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、練習始めよっか。

まずはお手本を……クイッ

桐崎さん、やってくれるの?」

 

 

おぉ、意気込む桐崎さんから並々ならぬ決意を感じる。

 

 

「じゃあ、お願いするね。」

 

 

飛び込みの用意をする桐崎さん。

今日の桐崎さんは一味違う。

 

勢いよく水に飛び込んで……

 

 

 

 

ズバッシャァア!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………え?

 

 

何アレ?前世で見たオリンピックのトッププレイヤーより余裕で速いんだけど……

 

え?なに?この世界ではコレが普通なの?!

 

……あっ、違うみたい。隣の小野寺さんが固まってる。

 

やりきった顔で桐崎さんが戻ってきたが、正直反応に困る。

 

 

「うん……凄かったよ!凄かったけど凄すぎるよ!

今回は泳げるようになるための練習だからね……」

 

 

桐崎さんがシュンとしてしまった。

落ち込まないでくれ、君がいれば練習試合も安泰だって分かったから。

本番で頑張ろう。

 

慰める意味でナデナデする。

 

ナイスガッツ、桐崎さん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、基本のバタ足からやろうか。」

 

 

小野寺さんは僕の手に掴まってバタ足を始める。

 

この役ってスゴイッスね!

いろいろ見放題であります!

 

「……ぜっ、絶対離さないでね?」

 

 

クハァ、か……可愛い!

 

……ヤバい、この表情は物凄く嗜虐心をくすぐる。

手を離したくなる衝動に駆られる……

静まれ、僕の腕よ……

 

 

と、アホな事をしている間に小野寺さんのバタ足も大部安定してきた。

 

 

「良くなってきたね。じゃあ、僕が引っ張るから前に進む感覚を覚えてね。」

 

そのまま、プール一往復分くらい移動する。

小野寺さんのバタ足はますます良くなってきている。

 

 

「うん、バタ足練習はこれくらいでいいね。

次は、ビート板で練習だけど……休憩する?」

 

 

「……ううん、もうちょっと頑張る!」

 

 

「分かった。後少しで一時間になるから、それまで練習を続けようか。」

 

 

「うん!」

 

 

小野寺さんは練習を頑張り、休憩時間にはゆっくりとだが、ビート板有りでなら25メートル泳ぎきれるまでに上達した。

 

……早くね?!

 

 

「おめでとう!小野寺さん!じゃあ、休憩にしようか。スポーツドリンク買ってくるよ……」

 

……縮地で移動し、最適化された動きでスポドリを買い、縮地で戻る。

所要時間は18秒。

 

 

「買って来たよ。」

 

 

「もう?!」

 

 

「はいどうぞ、小野寺さん。」

 

 

「……う、うん。ありがとう、一条君。」

 

 

スポーツドリンクを飲む小野寺さんを眺めながら、なんとしても完走させてあげようと決意を新たにした。

 

 

 

 




集が混ぜにくい……

自然に展開に組み込んでいけるようにしたいです。

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