イコセニ 作:中原 千
また、何かの機会にやりたいです!
僕は今、小野寺さんにお礼をしよう、という決意を胸に抱きながら登校している。
何をしたら喜んでくれるだろうか?
こういう時は、自分に置き換えて考えてみよう。
前までの僕なら、女子へのお礼なんて考えてもマトモな物が思い付くハズもなかったが、ここはあべこべ世界である。
要するに、男子が女子にされたら嬉しいお礼を考えればいいのである。
……改めて考えるあまり思い浮かばない。
というか、それがお礼である時点でどういう形であっても大概嬉しい気がする。
ヤバイ、全然絞り込めない。
どうしようかなぁ………
結局、考えがまとまらないまま学校に着いてしまった。
僕って割りと作戦立案能力無いかもしれない。
仕方ないのでぶっつけ本番である。
なんだか僕には一番これが性に合う気がする。
……脳筋キャラになるのは嫌だなぁ。
気持ちを切り替えて小野寺さんを探す。
せっかくお礼をするのだ。
後ろ向きな気持ちでやってしまったら、相手に失礼である。
楽しい気持ちで臨むとしよう。
ム、小野寺さん発見!
小野寺さんって、割りと良いタイミングで現れるよね。
それでは、一条白、抜錨します!
「おはよう、小野寺さん!」
「あっ、一条君!
おはよう、昨日は大丈夫だった?」
「うんっ!
小野寺さんのお陰で元気だよ!
昨日はありがとうね、重くなかった?」
「いやっ!むしろ、軽かったよ!」
流石小野寺さん、淑女である。
「フフッ、ありがとう小野寺さん、嬉しいよ。
……それでねっ、小野寺さんにお礼がしたくて色々考えたんだけどね。」
「えっ?!いいよ、気にしなくても!」
「ううん、しないと僕の気が済まないんだ。
それでね、考えたけど時間が無くて何も用意出来なくて……」
「だからね!僕が何でも一つだけ小野寺さんのお願いを聞いてあげる!!!」
「……え?」
「あっ、一応僕が物理的に出来る範囲にしてね。
それなら何でもするから!!!」
「ええっ?!」
「さあ、何がしたい?
僕は結構何でも出来るよ!」ニコニコ
「あう………えーっと、えーっと………」
「……まあ、そうだよね。
いきなりこんな事言われても困るよね。
ごめんね、変な事言って……
今すぐじゃなくても大丈夫だから決まったら教えてね!」
そう言って、小野寺さんのもとを去る。
小野寺さんはどんなお願いをするだろう。
真面目な小野寺さんだから、僕に気を使ってしまいそうだが、その時はその時で何か考えよう。
……それにしても、何か忘れている気がする。
何だっただろうか?
割りと大事な事だった気がするが……
仕方ない、全く思い出せないので一時保留にしよう。
……またタスクが溜まってしまった。
後で何かにまとめて整理しなくては……
次回から二巻該当内容にはいります。
二巻では、ついにあのヒロインが登場しますね。