イコセニ   作:中原 千

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今日で初投稿から一週間目です。

とても感慨深いです。


第10話

襲撃者は保健室に届けた。

脈拍、瞳孔に異常はなかったので大丈夫だろう。

今日も人を担いで来たのかと養護教諭の先生に言われた。

これからも担ぎ入れそうな予感がある。

 

 

 

教室に戻っても空気が変わらなかった。

 

ボッチ化回避である。

 

その後、数学と英語があったが二度目の高校生活をしている僕の敵ではない。

 

 

三時間目は総学である。

担任のキョーコちゃんが入ってきた。

 

 

「……よーし、今日は転校生を紹介するぞ!

なんか気絶してて保健室に行ってたとかでこんな微妙な時間になった。

お前ら最近保健室多くないか、体大切にしろよ!

入って、桐崎さん。」

 

 

「はい。」

 

金髪の女子が入ってくる。

 

 

「初めまして!

アメリカから転校してきた、桐崎千棘です。」

 

 

自己紹介しているのは今朝の人じゃないですか!

これはこれは……

 

 

「……日本語はこの通りバッチリなので、

皆さん気さくに接して下さいね!」

 

 

ムフフフ、お許しが出た。

これは気さくに接せざるを得ない(黒笑)

取り敢えずニコニコしながら手を振りますか!

 

 

 

「……じゃー、ひとまずテキトーに後ろの空いてる席に座れー。」

 

 

「ん?」

 

 

あっ、僕に気付いた。

ヤッホーボクダヨオボエテルー?

 

 

「あーーーーーーー!!!」

 

 

 

「また会ったね。さっきの襲撃者さん。」ニコニコ

 

 

襲撃者?と、周りは穏やかじゃない言葉にざわついている。

 

 

「ひいっ」

 

 

 

何故か怯える桐崎さん。

酷いなぁ。先に手を出したのはそっちじゃないか。

 

硝煙の臭いが染み付くような人物なんだからまともな道歩いてる訳じゃあないだろう。

 

朝にたった殺気を向けられたぐらいでそんな表情、美少年に向けるもんじゃァないぜェ。

 

 

そんなワルイ子にはオシオキしなくては、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガオー!食べちゃうぞー!!!」

 

 

「ひえぇ」

 

 

 

 

フッフッフ、完璧だ。

言葉の合間に人にバレないように殺気を混ぜている。

 

これで逆転前風に言うと、

可愛い女の子のお巫山戯に本気でビビる、クソダサイ男子状態になるがいい!!!

 

もう一丁、

 

 

「ほーら、ギロッ

まてまて~ギロッ」

 

 

「ギャー!!!」

 

 

僕から逃げて教室を走り回る桐崎さん。

我が教室に弄り甲斐がある素晴らしい人材が加わったものである。

 

 

 

 

「なんか桐崎さんって……」

 

 

 

おっ、キタキタ。

 

 

 

「面白いね!!!」

 

 

 

……へっ?

 

 

 

「うんっ!なんかノリいいね!」

 

「育ち良さそうだし、外国風の美形だし、もっと近寄り難いかと思ってた!」

 

「尊いっ!はしゃぐ一条君尊いっ!!!」

 

 

 

……おっふ、うちのクラスの人の良さを甘く見ていたでござる。

そして佐藤さん、君は本当にブレないね……

 

 

しかし、よく考えるとこの人の良さに僕は今朝助けられた訳だからお互い様である。

 

 

僕のエウリュアレ様(宮本さん) を見習って行動するとしよう。

 

 

 

「ゴメンね、桐崎さん。ちょっとふざけ過ぎちゃったみたい。こんなことしちゃったけどこれからよろしくね。」ニコッ

 

 

 

「……うん。」

 

 

「おーなんか知らんけどいい話だなっ!

それならちょうど良かった。」

 

 

「お前ら、隣同士な。」

 

 

「えっ?!」

 

 

 

……ん?何?何?今の桐崎さんの露骨に嫌そうな感じ?!

 

……チラッ

 

 

プイッ

 

 

おおう……目を合わせたら顔を背けられちゃったぜ。

 

どうやらまだ怯えられてるようだぜ……

 

奥深くに刻み込まれたトラウマって簡単に癒えないのね……

ショボーン (´・ω・`)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業が終わった後、帰ろうとすると……

 

 

「そうだ、一つ言い忘れてたよ、一条。」

 

 

キョーコちゃんに話しかけられた。

 

 

「桐崎に学校の事色々教えてやってほしいからさ、

桐崎をお前と同じ飼育係にしたからよろしく!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

な……

 

 

 

僕って、飼育係だったの?!

 

 

 

 

何はともあれ飼育小屋に着いた。

飼育係は、僕のせいで希望者が殺到し最終的に僕に配慮した結果、僕、宮本さん、小野寺さん、後は集の4人らしい。

 

今日は宮本さんと集は用事があって先に帰った。

宮本さんには龍達をこっそり護衛に着けている。

僕の女神様に何かあるといけないからね。

 

それにしても、此処は動物が数も種類も多い。

何故、ワニがいるんだ……

 

「ワニ、居るんだ……」

 

 

「マルガリータ・ド・佐藤のこと?」

 

 

「長ッ!!!」

 

 

えっ?何でワニにマルガリータ?

何でミドルネーム着いてんの?

っていうか佐藤って、佐藤さんの顔チラつくんだけど!

着けたの誰だよッ?!

 

 

「ふふっ、一条君が着けたんでしょ。」

 

 

 

 

 

……僕かよッ!!!

何なんだよ逆転前の僕は、どういうセンスしてんの?!

ワニも困ってんじゃん!

 

……山修行中に僕は動物会話(低ランク)を手に入れたからある程度動物の言いたいことが分かるのだ。

 

 

 

「改名しよう。君は今日から緑青だ。」

 

 

因みに他のはどうだろう

 

 

「この亀は?」

 

 

「ロドリゲス4世だよ。」

 

 

1から3はッ?!

 

 

「玄武に改名ッ!

この鶏は?」

 

 

 

「クラッシャー加藤だよ。」

 

 

 

何で鶏がクラッシャーッ?!

どっちかって言うとワニでしょ!

 

 

「翼に改名ッ!

この兎は?」

 

 

「市川塩浜定吉だよ。」

 

 

 

 

……ふぁっ?!

今まで片仮名+日本名のパターンだったじゃん。

ルール守れよッ!

何でこいつだけフル日本名?!

だとしても塩浜要らねーよ!!!

 

 

「ベルに改名ッ!」

 

 

……まだまだ一杯居やがる。

ええい、数が多いッ!残りは保留だッ!

 

 

「クスクス。」

 

 

およっ?

桐崎さんが笑った。

怒濤の変な名前に毒気を抜かれたのか。

やはり、動物には癒し効果があるようだ。伊達にアニマルセラピーとか言ってない。

 

 

さあ、餌をあげますかってドッセイ!!!

 

 

 

ギロッ「何故魚の餌を袋ごと与えるんだッ!!!」

 

 

 

ふう、なんとか阻止できた。

桐崎さんは殺気を浴びせると動きが止まるから制御が楽である。

 

この技術を殺気キャンセルと名付けよう。

 

餌の過剰供給見てから 殺気余裕でした。

 

 

……うん、自覚はしてる。

こんな事してるからいつまでも怯えられてるんだって……




はい、この人はいったい誰でしょうか。

少なくても千棘じゃないことは確かですね。

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