もしも投影品がランクダウンしなかったら   作:プラチナ05

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今回はまじ早い


士郎VSランサー

「その心臓

貰い受ける」

相手は決まり文句のようにその言葉を口にした。

「──体は剣で出来ている──」

 

こっちは精神を落ち着かせるために自分を表す言葉を口にする。

「行くぜ、小僧」

 

「─────フッ」

 

キィィィン、キィィィンとさっきのサーヴァントと今戦っているサーヴァントが戦ったような音が聞こえる。

さっきのサーヴァントが使っていた双剣の事を思い出す。

あの双剣は干将・莫耶だった。だが干将・莫耶に使い手はいなかった筈。それにあれは複製品だった。

「─────うぁ!?」

「おいおい、小僧考えごとかよ。いくら今の俺が弱ってるからって俺相手に集中しないとはな。舐めてんのかよ」

 

「いや別に舐めてる訳じゃない。そうだなお前ら相手に集中しないのは死につがるな」

 

そう言って俺は相手に突っ込んだ。

「───はぁ!」

 

「いいぜ来いよ。少し面白そうじゃねぇか」

 

俺は少しずつギアを上げて行く。

だが今の相手はそんなんじゃ叶わない、人外だ。なら俺は俺の戦いをするまで!

 

「───シッ!」

 

俺はこのままでは確実に逃げきれずに死に至るだろう。だがそんなんじゃ終わらせない。

終わらせる訳ない!

 

「はぁぁぁぁ」

 

「ん?なんだ?なんかするのかよ。でもな、俺がそんなの見逃すわけねぇだろ」

 

そんなこと分かっている。ただあの剣を作るしかもう方法は少ないだろう。

思い浮かべろ!!あの時見た"剣の丘の記憶"を!!

 

「投影・開始!!!!」

 

バチバチッと手の中で音が鳴る。イメージしろ!!最強の自分を!!!!

 

「はぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!」

 

「!?おいおい何の冗談だよ。その剣は」

 

「こいつでお前を倒す!!!」

 

「けっ、やってみろよぉぉ!!」

 

さっきよりも音が大きくなり火花が出る。サーヴァントのスピードは早くなっていく。

早すぎて目で追いきれない。奇跡でギリギリとっているようなものだ。

強すぎる。もうやられるのはここら辺で頃合だろう。

仕方ない。ここは学校の中で撃ちたくはないが。

 

「行くぞ、アイルランドの大英雄!」

 

「けっ!よく言った!!ならばこの必殺の一撃、受けてみろ!」

 

思い浮かべるは"最強の自分"!!あの夢で見た、最強の"サーヴァント"としての自分を!!!

『永久に遥か黄金の剣(エクスカリバー・イマージュ)!!!!!!!!』

 

『刺し穿つ死棘の槍(ゲイボルク)!!!!!!!』

 

お互いの技でぶつけ合う。負けてたまるか。こんなところで、死んでしまったら。死んでしまったら!!

 

「うぉおぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!!!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

体焼き切れるように痛い。だがこんな痛みどうってことない。あの夢が叶わない、それに比べたら!どうでもいい!!!!

 

「ぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!」

 

「くっ!!ぐぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」

 

「勝ったぜ、クー・フーリン」

 

「....おう、負けたか。でもな、もうお前は動けない」

 

「ああそうだよ。あんなの使ったからもう体は使い物にならない」

 

「じゃあな小僧。案外楽しかったぜ」

 

俺は....ここで死ぬのか。あぁ、なりたかったな。正義の味方に。誰もが望むヒーローに。

そこで俺は槍を刺されて死んだ。

 

 

 

遠坂side

 

「ハァハァ、何なのよこれ...」

 

「さぁな、こんなことがありうるのだろうか」

 

今、私は言葉を失っていた。目の前の光景に。ランサーと戦っている時、まだ生徒がいてそこにランサーが殺しに行ってしまった。

その時はうっかりがまた、とか考えていたがとにかく追いかけなきゃと思い、探しに向かった。校舎の中に入るといきなり爆発音が聞こえた。

そしてその音の元に行くと、なんと廊下が消えていて、天井まで消えていた。大変開放的になっていた。

 

「おい、凛。そこに生徒が倒れているぞ?」

 

「え?あぁ。やられちゃったのか。そうだよね。顔くらいは看取ってあげ───!?」

 

そこには心臓が貫かれた、私の好きな人がいた。

 

「───なんで!?何であなたなの!?あの子にどんな顔してあったらいいか分からないじゃない!!あ、そうだ。でもこれはお父さまの遺した宝石...。でも仕方ない、使おう」

 

「良いのか?凛。そんな小僧に使ってしまって」

 

「えぇもういいわよ。使ってやるわ!使ってあげるから絶対目、覚ましなさいよ!」

 

躊躇無くもう使ってやった。あーあこれで勝率がグンッと下がっちゃった。心の贅肉だなぁー。

 

「─────ん?」

 

「え?」

 

「ここは、学校、か?」

 

「え、えーとそのーこ、ここは校舎の中よ」

 

私は今、とにかく混乱してた。心臓を貫かれたのにあんな2分も立たずに起き上がるなんて....。

 

「えーと何でここに、!?思い出した!!そうだ。ランサーと戦ったあとに動けなくなって....!」

 

「えーと衛宮君?」

 

「え?なんだ?って!遠坂じゃないか!!」

 

え?何で?なんでそんなに早く?ていうかランサーってなんで分かるの?なんでそんな言葉知ってるの?

 

士郎side

 

死んだはずの俺が目を覚ました。それだけでありえない事だった。隣にいた人を見ると遠坂だった。なんか混乱しているみたいだが。

そうだ!俺はなんで生きて?ランサーに殺されたはずでは?

 

「なぁ、遠坂」

 

「なんで、早すぎでしょ。いくらなんでも。人外?おかしいでしょ」

 

「おい遠坂」

 

「それにランサーって今言ったわよね。なんで知ってんのよ....」

 

「おい!遠坂!」

 

「ひゃう!?あ、え、衛宮くん?な、なに?」

 

「なんで俺生きてるんだ?」

 

「え、えーとそれは夢よきっと」

 

はぁ、そういうことか。

 

「じゃあ遠坂。俺を魔術で直したのは遠坂か?」

 

「───衛宮くん、あなた魔術師?」

 




もとはボブみやは認められなかったが、(見た目)話を聞いて好きになってしまった。

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