「言峰!!」
殺す。アイツは人類に仇なすものだ。
「フッ、良い殺気だ」
そう言って、言峰は構えをとる。
あの構えは確か、八極拳だったはず。面倒なものを覚えていやがる!
「投影・開始」
投影するのは自分が一番使いこなせる剣。
両方の手には白と黒の夫婦剣。
ここは狭い為、あまりリーチの長いものでは戦いにならない。
「うおぉぉぉ!!」
突進。突き進む。この身は剣だ、相手を切り裂く剣だ。
「愚直にも突進か。私は得物を持っていないというのにか」
言峰は笑う。
もう目の前、俺は斬り掛かる。
「───ガッ!!」
「剣筋の才能は無い、か」
「─ハァ──うるせぇ。そんなん無くても俺は!
正義の味方として
お前を倒す!!!」
言峰は一瞬驚いた顔をして、フッと口を歪ませた。
「フッはははははっははは!!面白い、面白いぞ!!衛宮士郎!!!」
「何がおかしい!!」
何を笑っていやがる。
「いやはや、まさか父親と同じ思想を持っているとは。だが衛宮切嗣とは違う」
「なッ────」
「お前のそれは呪いのようなものだ」
言峰は嗤う。俺を嘲笑うかの如く。
「違う!!」
「気づいているだろう?お前は空っぽだ」
「あ────」
思考が止まる。否定使用とするが口が動かない。頭が働かない。
その言葉は深く刺さった。
「...ああ、そうだ。俺は空っぽだ。あの十年前の大火災で俺は全てを失った。心に穴が空いた。だが、そんな空っぽな俺に切嗣は中身をくれた!それを呪いとか、言うんじゃねぇぇぇぇ!!!」
勢いで俺は斬り掛かる。体制など整っていない、ぐっちゃぐちゃのまま。
「そこまで落ちぶれるか」
言峰は俺に失望の眼差しを送る。そのままスっと拳を俺に向ける。
避けられない───
「シロウ!!」
───頭がクリアになる。避けられないなら、叩き落とせばいい!
「ハァァ!」
サクッと浅く音が鳴る。それと同時に俺は右にずれる。
何とか回避したが腕を切りつけたというのにそこまでいいダメージにはならなかった。
「余所見して余裕かよ!セイバー!!」
「くっ!?ランサーァァ!!」
「お?いいねぇ!そのやる気!!滾るぜ!!」
あっちも中々苦戦している、流石にクー・フーリンというだけあって強い。
なら、とにかく早く倒すしかないな。
ドゴン!!と外から凄い音がする。
「おっと。お客さんが来たようだ」
「お客さん.....?」
『グルガァァァァァ』
「な!?」
「けっ、来ちまったか」
来てしまった、あの化け物が。
さっきの音は入口を開けた音だったようだ。
「やっほーお兄ちゃん。遊びに来ちゃった」
『ガァァァァァァ!!!』
雪の少女は無邪気に笑う。それに応えるかの如く、岩の様な巨人は叫ぶ。
「壊しちゃえーバーサーカー!」
『ガァァァァァァ!!』
ドゴン!!ドゴン!!どんどん壊されていく。
「さてどうするか....?」
目の前には悪。反対には化け物。
ただ、俺に出来ることはただ1つ。
「
ただ創るだけだ。
ということで久々の投稿でした。
忘れてしまった人も多いんだろうし、見てくれないかもしれませんが、見てくれたら嬉しいです。