ライバルを超えるために幻想入り   作:破壊王子

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この小説はドラゴンボールと東方projectの二次創作です。

瞬間移動を覚えたい今日この頃。


【2章】師弟
【第9話】紫の思惑


 

 

 

 

先ほどの事にまだイライラしながら飛んでいると大きな紅い館が見えてきた。

 

「ほう、あそこにするか」

 

大きな気がいくつかあるため、ベジータはそこに向かうことにした。

 

途中でチルノがベジータに喧嘩をふっかけてきたが、先ほどのことを八つ当たりされて一瞬でチルノは吹っ飛ばされた。そして館の門の前まで来た。

 

「…あいつは門番か。ならまずはあいつからだな」

 

「……」

 

ベジータは門番のところに歩み寄って行く。そして気づいた。

 

「………」

 

「(こいつ…寝てやがる…一体何のためにこいつはここにいやがるんだ…)」

 

呆れた顔をしてベジータは門番の顔を見ていた。このまま素通りしてもよかったのだが、それでは戦うことができないので起こすことにした。

 

「…おい、起きろ」

 

「………」

 

「おい!」

 

「………」

 

「………」

 

ベジータは大きく息を吸った。

 

 

 

 

 

 

「起きやがれぇぇぇ!!!!!」

 

 

 

 

 

「ひゃうん!!??」

 

門番はベジータの大声にビックリして飛び起きた。

 

「さ、咲夜さんすいません!!!いや、ただ寝てたんじゃないんです!こうすることによって精神統一を…っと?」

 

門番は目の前のベジータに気づいた。

 

「えっ? あれっ? 咲夜さん…じゃない…」

 

「手間かけさせやがって!何度起こしたと思ってる!」

 

「それは失礼を…で、あなたは?」

 

冷静さを取り戻した門番が尋ねる。

 

「俺はベジータ。ここの館にいるやつらと戦いにきた」

 

 

『戦い』という言葉を発した途端、門番の顔つきが変わった。

 

 

「ではあなたはこの紅魔館への侵入者…ということでよろしいですか?」

 

「知ってどうする?そうだとしてもキサマではオレに勝つことはできん」

 

「…自己紹介がまだでしたね」

 

「私は名前は紅 美鈴。紅魔館の門番です。 例え誰であろうが…侵入者は倒します!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

「………」

 

「紫様…」

 

「その…なぜあのような言い方をなさったのですか?」

 

「貴方が私に意見するなんて珍しいわね」

 

「いえっ!そういうわけでは…」

 

慌てて藍は言い繕う。

 

「これが必要だったからよ」

 

紫は藍に向かって指をさしだす。

 

「…指輪ですか?いつの間にそのようなものを」

 

「ええ、さっき作ったんだもの」

 

「えっ?」

 

「…これが必要だったから私はベジータの前に出向いたのよ」

 

「あの…私には何が何だか…」

 

藍の頭の中は謎で広がっていた。

 

「あなたには話しておきましょうか。…ベジータの力の封印をしたのはまずこの指輪にベジータの気を蓄えるためよ」

 

「もちろん、ベジータの力が大きすぎて幻想郷が危険ということもあるけどそれは建前ね。力の差があっても恐らくベジータは相手を消し飛ばしたりはしないわ」

 

「そう言い切れるのですか?」

 

「ええ、あっちの世界の強者たちは気という力をうまくコントロールできる。だから相手によっては力をうまくセーブして戦うことができるのよ」

 

その通りである。Z戦士達はみな大きな力をもっているが、その分その力をコントロールできるので力の暴走などが起きることはほぼ無い。 コントロールをして力を抑えても普通の人間よりは力があることには違いないのだが。

 

「そして、こっちが本音ね」

 

「この指輪に蓄えたベジータの力を利用して、強大な結界を作ろうと考えているからよ」

 

「け、結界…ですか? しかし既にもう…」

 

「ええ、確かにあるわね。でも外の世界の敵には今ある結界なんて容易く破れる力を持つ者もいる…。だからベジータの力を使い、今のうちにさらなる強大な結界をはる必要があるのよ」

 

「…まるでこれからそのような敵が幻想郷にやってくるかのような言い方ですね…」

 

静寂が2人を包む。

 

「………まだ可能性の話だけどね。 だからそのためにベジータに接触し、力をもらう必要があったのよ」

 

「ではなぜこの真実を彼に伝えなかったのですか? こう伝えていれば怒らせる必要はなかったのでは?」

 

「ダメよ…こういったら彼は《結界なんて必要無い。このオレが敵とやらをぶっ殺せばいいだけの話だ》なんて事を言うに違いない…」

 

「…相手はそんなに強いのですか?彼が勝てないくらいに?」

 

ベジータでも勝てそうにない相手のことを想像すると藍はゾッとした。

 

「勝てる勝てないの話じゃないのよ。その敵とベジータが本気で戦えば、その影響で幻想郷が大変なことになるかもしれないってこと」

 

「な、なるほど…では最後に…なぜその扱いにくそうな彼に頼んだのですか?他の強者でもよかったのですよね?」

 

「……」

 

しばらくして口を開いた。

 

「そうね…本当はベジータではなく他の人に頼むつもりだったの」

 

「 …でも、彼が異空間で修行をしている姿をみて…ライバルに大差をつけられて嘆いている姿をみて…なにか力になりたかった」

 

「……」

 

「だからベジータに決めたの。こちらの利だけで異世界に呼び込むなんて都合のいい真似はしたくなかったから。せめてベジータにもこの世界で修行して強くなって欲しかった」

 

「……紫様」

 

「でも結局はこうして結界を作ることができる。道順は違ってもこうなればしばらくは大丈夫のはず…!」

 

「これからまだまだやることはあるから…藍!しっかりサポートして頂戴!」

 

いつもの笑顔をみせながら紫はそう言った。

 

「…はい!」

 

その笑顔に応えるように藍も笑顔で返事をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館

 

「(この気の大きさ…タダ者ではない!気をぬくとすぐにやられる!)」

 

美鈴は相手が格上だということはわかっていた。しかし、逃げるわけにはいかない。紅魔館の門番として。

 

「では…いきます!」

 

「…こいッ!」

 

紅 美鈴との死闘がはじまった。

 

 

 

 

 




はい、第9話でした。

ブウ編でのパンチマシンの数値で、悟空が1番コントロールできていたのをみてやっぱり強い者はそれだけ力のコントロールもうまいっていう解釈ができると思い、このような話にしました。
(この物語の主人公はマシンを破壊しましたが… あそこは笑いました。)

とても長くなったのでここらで終わりにします。お疲れ様でした。

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