ライバルを超えるために幻想入り   作:破壊王子

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この小説はドラゴンボールと東方projectの二次創作です。

ドラゴンボール超の新章始まりましたね。 悟空の「やだね…」ってセリフがかっこよすぎでした。


【第7話】力の封印

 

 

 

 

「きさまは…!」

 

 

聞き覚えがある声だった。あの空間の中の女である。

その女のことを一言で表すならば

〝不気味〟 其れでいて〝妖しい〟というのが第一印象だった。

 

 

「紫?何の用よ」

 

 

「今日は貴方達じゃなくてこっちの人に用があるのよ」

 

 

紫はゆっくりとベジータに近づく。無論、紫側も若干ベジータを警戒しているようだ。

 

 

「はじめまして…いや直接はあってないけど2回目だったわね。私の名前は八雲紫。よろしくねベジータ」

 

 

ベジータは感じ取っていた。この女の秘めている巨大な〝気〟を。

ベジータは紫の眼をジッと見る。そしてすぐに口を開いた。

 

 

「…いい度胸だ。あんな舐めた真似をした後、すぐにオレ様の前に現れるとはな!」

 

 

「こうでもしないと私が無理やり引きずり出されたかもしれないじゃない。正当防衛ってやつよ」

 

 

「嘘をつくな。恐らくきさまは自分の空間にオレがどれ程対応できるのか見ていたのだろう。 癪に触る女だぜ!」

 

 

「(へぇ…やっぱり気づいていたのね。 さすがだわ。)」

 

 

実力だけではなく頭もそこそこ回ることに、紫は嬉しそうに笑っていた。凄く妖しい。

 

 

「…それで、なぜきさまはオレのことを知っている?」

 

 

「少し前、あなたたちの世界を覗き見したからよ」

 

 

「なぜキサマがオレたちの世界を見る必要があったんだ」

 

 

確かに異世界の様子など見る必要はない。ベジータの言い方は完全に紫を疑っていた。

 

 

「魔人ブウが復活した……と聞いてね」

 

『魔人ブウ』

 

その名を聞いたベジータは表情を変える。

 

 

 

「なぜきさまが魔人ブウを…」

 

「こうみえて私ってみんなより少しだけ長生きなのよ。だから過去に貴方達の世界で魔人ブウが暴れていたことも知っているの」

 

 

「少しだけ…ねぇ…」

 

 

霊夢と魔理沙が声を揃えてそう言った。すると紫は2人をギロッと睨む。女性にはデリケートな問題らしい。

 

 

「魔人ブウは異世界に入り込む力をも持っていると考えたら…背筋がゾッとしたわ。

まぁあの時は界王神様が封印してくれたから事なきを得たけどね」

 

 

ベジータは紫に対して、どれだけ永く生きているのかと思ったが口には出さなかった。話が逸れるのが面倒くさいからだ。

 

 

「しかし魔人ブウは復活した。どういう経緯で復活できたのかは知らないけど…この世の終わりかと思ったわ」

 

「……」

 

 

経緯は違うにしても、魔人ブウが復活するまでのエネルギーの一部を集めてしまったのは他でもない自分と悟空だ。それに対してはベジータもほんと少しの罪悪感はある。

 

 

「訊いてる?」

 

「ああ…続きを話せ」

 

 

 

「…? それで私は魔人ブウが復活した事を知り、貴方達の世界を見に行ったの。

 

その時貴方達は界王神界で闘っていたわ。

…貴方ははボロボロになりながら時間稼ぎをしていた」

 

 

恐らく、悟空の〝気〟が溜まるまで時間稼ぎをしていた時のことだろう。

 

 

「チッ…見ていたのなら少しは協力しやがれ」

 

「ごめんなさいね。私が協力したところでなんの力にもなれないと思ったのよ」

 

 

紫は強い。この幻想郷でもトップクラスに。

しかしあの場で役に立てたかというと、答えるならばNOだ。

紫と魔人ブウではあまりにも次元が違いすぎる。

 

 

「その後孫悟空の元気玉によって魔人ブウは完全消滅した。

 

…で合ってるわよね?」

 

 

「ああ…で、なぜきさまは俺をこの世界に呼んだんだ?」

 

「それはもちろんお礼よ。貴方達が魔人ブウを倒さなかったらこの幻想郷にまで被害が及んでいた可能性もあるしね。

 

 

それにあそこで1人で修行するより、幻想郷の強者たちと戦った方がいい経験になるでしょ?」

 

 

 

 

「…それだけか?」

 

「もちろん♪ これは善意よ♪」

 

 

 

「(胡散臭い…)」

 

 

 

3人は疑ったが面倒なのでこれ以上突っ込まないことにした。

 

 

「フンッ それならいい。 ところで次はきさまだ」

 

 

ベジータは霊夢を指差して言った。

手当たり次第マシな奴と闘う。そう決めたのだろう。

 

 

「まさか闘う気?嫌よめんどくさい」

 

 

「逃げる気か?

 

「挑発しても無駄よ。めんどくさいからやらない。ただそれだけ。 強い奴ならいくらでもいるから他を当たってちょうだい」

 

 

 

霊夢は完全に戦う気がないようだ。

それも当然だ。霊夢からすると何もメリットがないからだ。

 

 

「(ここまでやる気がないやつを闘わせても意味がないか…)

 

 

「ちっ! いつか戦わせてやるから覚えておきやがれ!」

 

「はいはい」

 

 

霊夢は興味なさそうに手をフリフリ振る。

その動作に対しベジータが「チッ!」と舌打ちした。

 

 

「それでこれからどうするんだ?」

 

魔理沙がベジータに訊く。

どうやら少し興味があるみたいだ。

 

 

「どうするもこうもない。強いやつを探して闘うまでだ」

 

 

 

 

 

「そのことなんだけど…」

 

紫が話に入ってくる。

 

 

「たしかに幻想郷は強者がたくさんいるわ。それに能力ももっていて貴方とは違うベクトルでの強さを持っている。

 

でも…それでも貴方は強すぎる…手を抜いて闘っていても大した修行にはならないでしょ?」

 

 

遠回しな言い方で、話の趣旨がまるで伝わってこない。

 

 

 

「…なにが言いたい」

 

 

 

「それでね…貴方に『力の封印』をさせてほしいの」

 




はい、第7話でした。

東方龍球伝ではありがちの弱体化が次の話からはじまります。東方の世界のキャラと互角に渡り合えるようにするためにこのような形にしました。

紫はもう少し後に出すつもりだったんですが、力の封印をするために早めに出すことにしました。(ホントは紫が好きだからとかそんなことではないです。ホントです。ホントですよ?)

では第8話でお会いしましょう。お疲れ様でした。

追記
力の差について考えるとか言ってたのに結局弱体化とか頭おかしいんじゃないかと自分で更新した後におもいました。

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