ライバルを超えるために幻想入り   作:破壊王子

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この小説はドラゴンボールと東方projectの二次創作です。

至らぬ点も多いかと思いますが温かい目で見てもらえるとありがたいです。


【第4話】幻想郷

 

 

 

 

 

 

ーーー寺子屋ーーー

 

 

 

 

ベジータが慧音に連れてこられたのは、寺子屋と呼ばれる子供たちに学問を教えるための施設であった。

 

 

 

「ここが寺子屋か…学校のようなものだな」

 

慧音がお茶を持ってくるまでの間ベジータは自分たちの世界にあった学校のことを思い出していた。

もっともベジータは学校には通っていなかったのだが。

 

「すまない、待たせたな」

 

慧音がお茶を持ってきた。そして出されたお茶を一口飲んでからベジータは口を開いた。

 

「キサマにいくつか聞きたいことというのは…この世界についてだ」

 

「この世界? …という事はやはりベジータは外来人なのか」

 

 

『外来人』

 

 

慧音はそう言った。言葉自体ベジータは聞いたことがない。

 

 

 

「外来人だと?それにやはりとはどういうことだ」

 

 

べジータは謎がどんどん増えていっていることに対して少し苛立ちはじめた。

無理もない。此処へ来てからわからないことだらけなのだから。

 

「まぁ落ち着いてくれ。外来人とはいうのは簡単にいうと外の世界から来た人間って事だな」

 

「たまにいるんだ。違う世界から来た人間が。どういう経緯があって幻想郷に迷い込むのかは色々だけどな」

 

 

慧音は分かりやすく説明する。

ということはあの謎の空間はベジータが思っていた通り、異世界へ通じる空間だったということだ。

 

 

「幻想郷…それがこの世界の名か。それと先程のやはりというのはどういう事だ?」

 

べジータが慧音に問い詰める。もしかしたらべジータがこの幻想郷にくることの経緯となった空間の女と関わりがあるのではないかと考えたからである。

 

 

「ああ、それか………なんかうまくは言えないんだが…この世界の人間ではないっていう気がしたからかな」

 

「妖怪共をあっさり片付けたからか?」

 

「まぁそれもあるかな。べジータのような強い人間はこの幻想郷にはあまりいないからな」

 

 

ベジータも純粋な人間とは言い切れないが、まぁ人間と言っていいだろう。

そんな人間が明らかに強そうな妖怪を倒すというのは、確かに珍しい事である。

 

「(あまり…か) 俺はタダの人間ではない。誇り高きサイヤ人だ」

 

「サイヤ人?」

 

聞いたことも見たこともない『サイヤ人』について慧音が聞き返した。

 

「ああ。戦いに関してのエキスパート…戦闘民族のことだ」

 

 

先程の慧音の答えのようにわかりやすくべジータは説明した。

 

 

〝戦闘民族〟

 

 

これほどベジータの自己紹介として分かりやすい言葉もない。

 

 

「戦闘民族か…どうりで強いわけだ。それにしても普通の人間と見た目はほとんど変わらないんだな」

 

「それはお前も同じことだろう?」

 

「ーー!!」

 

 

慧音は目を見開いて驚いた。

ハクタク化してない今はどう見ても人間である。しかしべジータは自分が半獣であることに気づいたからだ。

 

「お前…なぜ私のことを…」

 

 

ベジータの能力なのだろうかと考えつつ、慧音はベジータになぜ気づいたか聞いた。

 

「気だ。キサマの気は他の奴とは微妙に違う。だがオレにもその微妙な違いが完全に分かるわけではない…だからキサマ自身に聞いたまでだ」

 

ニヤリと笑いながらベジータが答えた。

 

ベジータは慧音に対する違和感を会った時から覚えていた。人間なのか妖怪なのかどちらだ、と。

だからベジータは〝あえて〟わかっているような口ぶりをした。それで慧音が否定しなかったら慧音は〝クロ〟であるとわかるからだ。

 

 

「……カマをかけてたってわけか。納得したよ」

 

 

やれやれと溜息を吐く慧音。

まさか気づかれるとは思わなかったのだろう。

それもこんなにすぐに。

 

 

「キサマは妖怪なのか?」

 

 

「正確には半獣だな」

 

「満月をみると〝それ〟になるんだ。だからなってくれと言われてもなれないぞ?」

 

 

冷静に聞いていたベジータが先程の慧音のようにカッと目を見開いた。

 

「なんだとッ!?大猿にか!?」

 

急に大声を出されたので慧音は少し驚いた。

冗談のような言葉だが、言い方はとても冗談とは思えなかったので慧音は真面目に答えることにした。

 

 

「お、大猿?いや違うよ。 獣人に変身するんだ」

 

「…なんで大猿なんだ?」

 

 

 

「い、いや違うならいい。気にするな」

 

「?」

 

 

ベジータが何を考えているかわからなかったが、まあ自分には関係ないことと思った慧音はそれ以上追求しないことにした。

 

「まぁ私のことは置いておこう。それよりべジータはどうやってこの世界に来たんだ?」

 

 

話の本筋に戻る。

 

 

「精神と時の部屋でオレは修行をしていた。すると途中に変な空間が現れやがったんだ」

 

「その中で強い〝気〟を感じたからその空間に入ったんだ。それでこの幻想郷に辿り着いた」

 

 

変な空間にいた女の話はしなかった。慧音に話してもわからないと思い時間の無駄と判断したからだ。

 

 

 

「(さっきから言っている〝気〟とは?) 」

 

 

〝気〟とは体のエネルギーか何かか?と思いつつもそこでは問い詰めなかった。話がまた逸れてしまうからだ。

 

 

「なるほど…ではベジータが行くべき場所は決まったな」

 

 

慧音はベジータに行く場所を指定しようとする。

恐らくは親切心からなのだろう。

 

「なに…?それはどこだ」

 

 

 

 

「ベジータがこれから行くべき場所は…博麗神社だ」

 

 




はい、第4話でした。

満月をみると変身するっていう設定は普通の人なら狼男が真っ先に出てくると思うのですが、ドラゴンボールのファンの私は真っ先にサイヤ人の大猿を思い出しました。

こんな感じで今回は終わりです。
第5話でお会いしましょう。ありがとうございました。

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