ライバルを超えるために幻想入り   作:破壊王子

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この小説はドラゴンボールと東方Projectの二次創作です。

相変わらずの内容カルピス。


【第34話】洗礼

 

「本気でこい…!孫悟天ッ!!!」

 

美鈴は、悟天は今の自分より数段上の実力だという事に気付いた。だがベジータの弟子としてここで諦めるわけにはいかない。全身全霊をかけて臨むつもりだ。

 

 

「おねえちゃんの気が…ドンドン上がっていく」

 

「いきますッ!」

 

 

今度は美鈴から悟天に攻撃を仕掛けた。パンチ、キックを繰り出し、組手が続く。

 

 

 

「うっ…」

 

美鈴の激しい気迫と手数により、悟天が若干押されてきた。

 

「たああッ!」

 

組手の中に悟天の一瞬の隙を見つけ、すぐさまそこに蹴りをいれる。悟天はなんとか左腕で防いだが、後方に吹っ飛ばされた。

 

「むう…」

 

「よく防ぎましたね!だけど…」

 

手をスッと前に出す。

 

「え?」

 

「『ビッグ・バン・アタック』!!!」

 

「!?」

 

美鈴の手から高密度の気弾が放たれた。悟天もさすがに受けきるのは無理と判断し、ギリギリでかわした。

 

 

ズドーーン!!!

 

 

気弾は悟天の後方にあった岩崖にぶつかった。

 

 

「くっ…よくかわしましたね!」

 

「……」

 

悟天は驚いていた。それは気は自分よりだいぶ劣っているが、技を繰り出す時だけは自分と同等以上の力を発揮しているからだ。

 

「おねえちゃん…すごいね」

 

「…すごい?私がですか?」

 

悟天は自分より強いのに何故か美鈴は嫌味的なものを感じなかった。悟天の目をみたら本気で言っていることがわかる。

 

 

「うん。なんて言えばいいのかな…わかんないや!」

 

笑顔で言った。美鈴は悟天のことを素直な子なんだなと感じた。

 

「じゃあ…ぼくも本気でいくよ!」

 

「望むところです!」

 

 

「ふぅ…はああああああッ!!!!!」

 

先ほどよりもさらに集中して気を高める。

 

「さすがですね悟天さん。まだ若いのにここまで… 」

 

「こ、ここまで…?」

 

「え…? ま、まだ上がる…!!?」

 

 

 

 

 

 

 

「これがぼくの本気だよ!おねえちゃん!」

 

 

「………」

 

美鈴は開いた口が塞がらなかった。それもそのはずである。

 

「? おねえちゃんどうしたの?」

 

「な…なんで…」

 

「え?」

 

「なぜ貴方がスーパーサイヤ人に!?」

 

美鈴は2つの事に驚いていた。まず1つ目は悟天がスーパーサイヤ人になった事だ。

 

「なんでって言われても…わかんないや」

 

「わかんないって…まぁそれは一旦置いといて…特に気になるのが!」

 

 

「貴方…本当に何者ですか?正直に言いますけど…」

 

「私が出会った者の中で、間違いなく〝1番強いです〟」

 

 

隠さずにちゃんと言った。そしてそれは真実である。メイド長の咲夜より、紅魔館の主のレミリアより、前戦った早苗より…そして

 

 

「悔しいですけど…私の師匠よりも…貴方の方が強いです」

 

 

認めたくなかったが、〝美鈴の知るベジータ〟よりも悟天の方が強い事は戦わなくてもわかった。

 

「なんか照れるなぁ…」

 

悟天は恥ずかしそうに頭をかく。

 

「だからこそ…私は貴方を倒したい!!!」

 

グッと構え直す。先ほどのように頭に血が上っている状態ではなく、今の美鈴は心身ともに充実していた。

 

「ぼくもおねえちゃんを倒したい!いくよ!」

 

 

「(勝てるのかではない…勝つんだ!)」

 

ベジータに言われた事をここで思い出し、自分に言い聞かせる。

 

「いきますッ!はあああ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美鈴が気合を入れて悟天に攻撃を仕掛けようとした。しかしその瞬間にドスンという鈍い音がし、それと共に意識が遠のいていく。

 

 

「……え…?」

 

先ほど前10メートルほど離れていた悟天が、いつの間に目の前にきていた。

 

何もされてないはずなのに体が動かない。美鈴は立っていられなくなり、膝から崩れ落ちた。

 

 

 

 

「ぼくの勝ちだね!おねえちゃん!」

 

 

 

悟天のそんな言葉を聞いた後、美鈴は意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方そのころベジータは、返り血でまみれた体を洗うためにアリスの家にきていた。

 

 

シャワーを浴びたのはいいが、血まみれだった服をもう一度着るわけにはいかずベジータは困っていた。

 

 

「おい女」

 

とりあえず脱衣所の外にいるアリスを呼んだ。なんとかさせようと思っているのだ。

 

「うるさいわよ!あと女って呼ばないで!さっきちゃんと名乗ったでしょ!」

 

「なんでもいいから服を用意しろ」

 

「聞きなさいよ! …まぁいいわ、そこのタンスを開けてみなさい」

 

「タンス…ここか」

 

ベジータは言われた通りにタンスを開けてみた。そしてその中にはベジータが先ほどまで着ていたのと同じ服が入っていた。

 

「キサマ…何故これを」

 

「後で話すわ。とりあえずさっさと着替えなさい」

 

よくわからなかったベジータだったが、とりあえず着替える事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方コーヒー飲めるの?」

 

「ああ」

 

着替えた後リビングにきた。そこにはアリスと霊夢が座っており、ティータイムを楽しんでいた。

 

「何故キサマがこの服を持っていた?」

 

「アンタがシャワー浴びている間に作ったのよ!感謝しなさい!」

 

「フンッ…一応礼を言ってやる」

 

「一応ってなによ一応って!」

 

アリスは怒るがベジータはまったく聞いていない。

 

「霊夢といったな、何のためにこんなところまできたんだ?」

 

「こんなところって何よ…」

 

アリスがベジータに突っ込む。

 

「んー?別にー?アリスがいつも暇そうにしてるから遊びに来てやっただけよ」

 

お菓子をボリボリ食べながら霊夢は答える。

 

「アンタ達本当に上から目線ね…霊夢に至ってはご飯を食べに来てるだけでしょ」

 

「ん?メシがあるのか」

 

ピクっとベジータは反応した。

 

「な、なによ。まさかアンタも霊夢みたいに集るつもり?」

 

「集るって言うな」

 

守矢神社に出る前に随分食べて来たのだが、少し動いてしまったせいでまた小腹が空いてしまったのだ。

 

「フンッ、仕方ないから晩飯まで残ってやるか」

 

「そうね、私も仕方なく残ってあげるわ」

 

2人ともすごく上から言った。アリスは2人にイライラが止まらない。

 

「(こいつら…!)まぁいいわ。じゃあその代わり2人で魚とか薪とか

持って来て頂戴」

 

晩御飯まで時間があったため、アリスはベジータと霊夢にそう頼んだ。

 

「えー…お客さんは労わりなさいよ〜」

 

ぐで〜っとしたまま霊夢は言う。

 

「文句言わないで!さぁ!早く行きなさい!」

 

「チッ…仕方ない、行くとするか」

 

コーヒーを飲み終わった後、ベジータは立ち上がった。そのベジータをみて霊夢も溜息を吐きつつ立ち上がった。

 

「よしよし、それでいいのよ。いっぱい食べたいならいっぱい魚釣って来てね」

 

「フン、嫌というほど持って来てやる。行くぞ霊夢!」

 

「はいはい」

 

 

 

ベジータはあまりやる気のない霊夢を連れて外へ出ていった。




はい、第34話でした。

2つの場面をかくのってほんと難しいです。
では終わります、お疲れ様でした。

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