ライバルを超えるために幻想入り   作:破壊王子

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この小説はドラゴンボールと東方Projectの二次創作です。

アニオリだったか原作にもあったのかは覚えてないですけど、スーパーサイヤ人の悟天の蹴りを食らって平気だったチチってやっぱり凄い…



【第33話】悟天の実力

 

「アリス!!!」

 

急に大声が聞こえた。ベジータはこの声に聞き覚えがあった。

 

「キサマは…博麗の巫女」

 

やってきたのは霊夢だった。

 

「はぁ…そういえば自己紹介してなかったわね。私は博麗霊夢よ」

 

以前あった時に魔理沙とは自己紹介したのだが、霊夢とはしていなかったのだ。しかしベジータからすれば名前などどうでもいい。

 

「何の用だ」

 

「そうよ、何の用かしら」

 

ベジータも少女も霊夢に対しピリピリしているようだった。

 

「ア、アンタ達こそ何するつもりよ。ピリピリしちゃって」

 

 

「この女がオレに文句があるようだ」

 

くいっとアゴを少女に向ける。

 

「だから文句なんて無いって言ってるでしょ!アンタが無意味に妖怪を消し飛ばしたりするから…!」

 

「ふぅ〜ん…」

 

霊夢はなんとなく状況を理解した。

 

「ベジータ、それって自分を襲ってきた妖怪を消し飛ばしただけでアンタからは何もしてないんでしょ?」

 

「えっ?」

 

「当たり前だ。あんな雑魚共に構っている暇はないからな」

 

「……」

 

少女は勘違いしていた事に気付き、顔を真っ赤にしていた。

 

「で、でも!そんな格好でそんな好戦的だったら勘違いしても仕方ないでしょ!」

 

確かに返り血まみれのベジータは、はたから見たら『やばい奴』である。

 

「…なぜそんなに顔を赤くしているんだキサマは」

 

「赤くなんてしてないわよ!う、生まれつきよ!」

 

少女の声はどんどん大きくなる。

 

「はいはい、そのへんにして頂戴。とりあえず喉が渇いたわ。アリスの家まで行きましょ」

 

「はぁ…はぁ…そうね」

 

少女は声を出しすぎて息切れしていた。

 

「待て、オレも行く」

 

「なんでアンタもくるのよ!」

 

「体を洗うためだ。 キサマ…さっきあんな勘違いをしたんだ。シャワーくらいは貸せ」

 

ぐぬぬ…と少女はしばらく迷ったが、腹を決めた。

 

「まぁ…いいわ。そんな格好で森をウロウロされても困るし。それと!」

 

「なんだ?」

 

「アリス・マーガトロイドよ!キサマはやめてもらえるかしら!」

 

そう言って早足で先に歩いて行った。

 

「随分偉そうな奴だな」

 

「(アンタが言うな)ほら、私たちも行くわよ」

 

 

アリスに続いてベジータと霊夢も歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美鈴は紫のスキマで、森のような場所へ飛ばされていた。見覚えはまったく無く、確かに異世界に来たという雰囲気は感じていた。

そんな美鈴の元に1人の少年が現れた。美鈴はその少年を見た瞬間にこう思った。

 

 

〝そんな馬鹿な〟

 

 

なぜそう思ったのかというと、その少年の〝気〟が信じられないほど大きかったからだ。

 

「あれぇ?おねえちゃんこんなとこで何やってるの?」

 

 

「…貴方は?」

 

 

「ぼく?ぼくは…」

 

 

「孫悟天だよ!」

 

 

 

少年はそう名乗った。今の所敵意などは感じられない。

 

 

 

「孫…悟天さんですか」

 

「うん!おねえちゃんは?」

 

悟天が名前を聞いてくる。悟天自身も美鈴を警戒してる気配はない。

 

「私は紅美鈴と言います。悟天さん、ここがどこだかわかりますか?」

 

訊きたいことは山ほどあるのだが、まずは状況を確認するのが先決だと思った美鈴はそう悟天に言った。

 

「ここ?ここはパオズ山だよ?」

 

「パオズ山? なるほど…悟天さんはなぜここに?」

 

「色んな食べ物がいっぱいとれるからだよ!」

 

 

案の定聞いたことない場所だった。やはり此処は美鈴がいた世界とは別の所のようだ。悟天はよく此処に来るのだろうか。

 

 

 

「おねえちゃんはどこから来たの?」

 

「え?」

 

なんとも答えづらい。いきなり異世界から来たと言っても信じる者など普通はいないからである。

 

「私は…その…今よりもっと強くなりたくて!遠い遠い国からきたんです!」

 

「へぇーそうなんだ」

 

「そうなんです。ハ、ハハハ…」

 

随分と曖昧な答えであったが、悟天がこれ以上追求してこなかったので事なきを得た。しかし強くなりたくて来た、というのは本当のことである。

 

「悟天さんはこの近くに住んでいるのですか?」

 

「そうだよ!あっちから来たんだ!」

 

悟天は自分が来た方向を指差して言う。こちらもなんとも曖昧な答えだ。

 

「そうですか…ではもう1つ、悟天さんは武術か何かをやってらっしゃるのですか?」

 

訊きたかった質問をした。なぜこう訊いたのかというと、まず悟天が道着を着ていたからである。なにもやってないのならこんな格好はしないだろう。

 

そしてもう1つは、悟天の〝気〟の大きさが尋常ではないからである。タダの子供がこれ程まで研ぎ覚まされた〝気〟を持つことはあり得ないからだ。

 

「うん!やってるよ!」

 

「やはりですか…では最後に1ついいですか?」

 

「えーまだあるの?」

 

最後にもう1つだけ訊こうとすると、悟天は明らかに嫌そうな顔をした。

 

「なにかご都合でも?」

 

「ボク、おかあさんに魚とキノコを採ってくるように頼まれてるんだー。早くしないと怒られちゃうよ」

 

悟天は悟天の母、つまりチチに晩御飯に使う魚とキノコを採ってくるように頼まれていたのだ。最初はちゃんと真面目に魚とキノコを採ろうとしていたのだが、パオズ山にいるトカゲなどを見つけてついつい遊んでしまっていたので、時間が無くなっていたのだ。

 

「なるほど、そうでしたか…じゃあこうしましょう!」

 

「え?」

 

「私と悟天さんが戦い、悟天さんが私に勝つ事ができれば私も魚やキノコを採ることに協力しましょう」

 

「ほんと!?やったぁー!!」

 

悟天は飛び上がって喜ぶ。

 

「ただし! …私が勝てば最後の質問に答えてもらいます!」

 

美鈴はそう条件を出した。正直なにが今1番気になっているかと言うと、それは悟天の実力である。

自分と互角…もしかしたらそれ以上の力を持っているかもしれないと感じたからである。

 

「わかったよおねえちゃん!」

 

「理解が早くて助かります。 …では始めましょうか!」

 

 

2人は一度距離を取る。

 

 

「じゃあ…かかってきなさい!」

 

そして美鈴の掛け声で勝負は始まった。

 

 

「いっく…」

 

悟天は開始そうそう右足に体重を乗せた。そして

 

 

「よーーーーー!!!!!!」

 

 

「なッ!!?」

 

凄まじいほどのスピードである。悟天のパンチを間一髪で交わした美鈴はバランスを崩した。

 

 

「よっ!」

 

「ぐっ…!」

 

悟天はよろけた美鈴の横腹に躊躇なく蹴りを入れる。その威力は軽いものではなく、美鈴は10メートル程吹っ飛ばされた。

 

 

「がっ…げほっげほっ!」

 

数秒間息ができなくなるほどのダメージだった。とても小柄な少年の攻撃とは思えない。

 

「(ゼッ…0の状態から…100のスピードに持っていくまでが速すぎるッ…それにこの蹴り…)」

 

 

「おねえちゃん大丈夫?」

 

「!? くっ!!」

 

「わっ!」

 

悟天は驚きながらも美鈴のアッパーを軽々と躱した。

 

「(い、いつの間に…!)」

 

美鈴は戦いでは常に集中力を最大限にまで高めている。今の蹴りを食らった後も、常に悟天の動きには細心の注意を払っていた。しかし

 

「まったく反応…できなかったッ!」

 

悟天がいつの間に自分の目の前に来ていたことにまったく気づかなかった。それが悔しくてドンッと地面を思いっきり殴る。その右手からは血が出ていた。

 

「お、おねえちゃん?ホントに大丈夫?」

 

悟天は様子が変わった美鈴を心配している。だがその余裕が美鈴は気に入らない。美鈴は、悟天は自分より格段に強いことに気づいてしまったからだ。

 

 

「孫悟天ッ!!!」

 

急に名前を呼ばれたので悟天は一瞬ビクッとした。

 

 

「本気でこい…!私も本気でいくッ!!!」

 

明らかにさっきまでの美鈴と今の美鈴は違う。

なんで急に美鈴が変わったのかまったくわからなかったが、悟天に出来ることは1つしかなかった。

 

 

「…わかった。 じゃあ思いっきりいくからね、おねえちゃん!」

 

 

 

そういって悟天も気を高め始めた。

 

 

 

 




はい、第33話でした。

悟天が悟空と同じくらい貪欲に修行に励んでいたらどんな風になったんでしょうね。

ではここで終わります、お疲れ様でした。

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