私事ですが、先日にやっと車の免許を取ることができました。去年の9月からだったのでホントにやっと、という気持ちでした。
諏訪子の提案から1週間後に早苗と美鈴が闘う事になり、そのためにベジータと美鈴はここに留まり、修行をする事になった。
修行1日目。
「さぁ、始めるぞ。時間はわずかしかないからな」
朝早く起き、守矢神社から少し離れたところで2人は修行する事になった。
「師匠、本当に私は早苗さんに勝てるのでしょうか…」
美鈴は暗い顔をしている。目の下にクマができ、あまり眠れていないようだった。
「勝てるのか、ではない。勝つんだ!誰であろうとな」
「それはわかっているのですが…相手は早苗さんと神様お二人です。少し分が悪いと思うのですが…」
「だからなんだ。相手が複数だろうが1人で倒す!仲間の助けなど求めようとするな。…大体キサマが戦いたいと言い出したんだろうが」
「そ、それは…」
美鈴は『戦いたい』とは言ったが、『勝てる』とは言っていない。ベジータはどんな戦いであろうが勝つことが絶対なので美鈴は勝つことを強いられてしまった。
「わかりました…はじめましょう」
「……」
「くっ…次いきます!」
「…やめだ」
「えっ?」
「午前の修行はこれで終わりだ。何か食って午後の修行に備えておけ」
まだ1時間も経ってなく、まだまだ昼というのには早すぎる段階でベジータは午前の修行は終わりだと言った。
「そんな、まだ早いですよ?もう少し…」
「2度も言わせるな。終わりだ。神社に戻れ」
「しかし…」
「戻れと言っている!さっさと消えろッ!」
「!!!」
「…はい。」
小声で返事をしながら美鈴は守矢神社に戻った。
神社の前では早苗が箒をもっていた。早苗たちは特に修行などをこの1週間にするつもりはないみたいである。
「ふんふんふーん♪…アレ?」
鼻歌を歌いながら掃除をしていた早苗はこちらにトボトボ戻ってきた美鈴を見つけた。
「美鈴さん、午前の修行は終わったんですか?」
「………」
「? どうかしたんですか?具合でも…」
早苗が心配そうに顔を覗き込んでくる。
「…いえっ!お腹が減ったので帰ってきたんです!腹が減っては戦はできぬって言いますからね!」
美鈴はあえて元気そうに振る舞った。早苗に無駄な心配をかけたくなかったからだ。
「なんだそうだったんですか!待っててください、今から何か作りますんで!」
「あ、いや…」
「おっと、ここにいたのかい2人共!」
タイミングよく諏訪子が現れた。
「諏訪子様?どうされたのですか?」
「いやね、2人に買い物に行ってきてほしいんだ。ほら、ベジータっていっぱい食べるでしょ?」
「買い物なら私1人で大丈夫ですよ?」
「いやいや、2人で行ってくれ。量も多いだろうし…美鈴、いいね?」
「…わかりました」
諏訪子は何か意図があって言ってるんだろうと美鈴は感じ取った。
「そうですか…じゃあ美鈴さん!お昼までにパパッと済ませちゃいましょう!」
しかし早苗はなにも怪しいと思っていない。とても素直な子である。
こうして諏訪子は早苗と美鈴を買い物に行かせた。
「やっと行ったか。…いささか頼み方が強引ではなかったか?もっとやり方があっただろう?」
早苗達が見えなくなった後、神奈子は諏訪子の前にでてきた。
「ちょっと強引くらいでいいんだよ。それより私たちも早く行こう」
「ああ、そうだな」
そう行った後、2人は山の頂上付近へ向かった。
「………」
美鈴と別れた後、ベジータは山をさらに進み、大きな崖の前まで来た。あと一本踏み出せば落ちてしまうというくらいの距離である。
「………」
目を瞑り、ただひたすら立っている。
「……何の用だ、キサマら」
目を開けた後に言った。
「あらら、バレちゃった」
「流石、というべきか」
岩の陰から神奈子と諏訪子が出てきた。
「邪魔だ。ここから消えろ」
「〈神奈子、こう言ってるけど…どうする?〉」
「〈去るわけにはいかん。…それにしても物凄いほどの集中力だ。これは一朝一夕でできるものではないな〉」
「ベジータ、我らがここにきたのは見たいものがあるからだ」
「後にしろ、今は修行中だ」
「いやにピリピリしてるねぇ…美鈴のことかい?」
「キサマらには関係のないことだ」
キッパリと言う。話している間も神奈子や諏訪子とは目を合わせずに前だけを見ている。
「精神的なムラを無くす修行なんだろうけど…そんなにピリピリしながらしててもなにも変わらないんじゃないかな?」
「なん……」
言い返そうとしたがベジータはとどまった。そして、ふぅ〜と息を吐いた。
「用とはなんだ?」
「お、いい感じに肩の力が抜けたな。その調子で修行を積めばムラは無くなるだろう」
「フン、今は戦闘中ではないからだ。それより早く話せ」
「そうか、我らがここにきた理由は…」
「
神奈子と諏訪子がそう言った。
「なるほど…オレの力を測りにきたということか。しかし戦うのは美鈴だ。今更オレの力などどうでもいいだろう。」
「いやこれは単なる好奇心だよ。ベジータの
諏訪子の言葉は建前で、本当はいざという時にベジータを自分たちで止めることができるかを試しにきたのである。
映像とは違い、生で見ることで力をより正確に測りにきたのだ。
「フン…まぁいいだろう。じゃあいくぞ!」
「ああ」
「いつでも!」
「(闘争本能は出したまま気を高める…しかし心は鎮める)」
「(こうかっ!)」
「はあぁぁぁぁぁぁ!!!」
「「!!」」
「……」
ベジータは
「…これが
力を封印した…か。あやつもよく言ったものだ。これでは封印してもしてなくても変わらないではないかと、神奈子はベジータには聞こえないように呟く。
正直神奈子は力の封印をした後のベジータであれば幻想郷の強者数人程度で止められると踏んでいた。しかし予想を大幅に上回ったあげく、さらに上の力があるとわかっているので結論的にベジータを止めるのは無理だと確信した。
「すごい…!」
諏訪子の感想はシンプルだった。映像では見たのだが実物で見るのではまるで違う。底なしとも思わせる力がミシミシと伝わってきた。そして神奈子と同様自分たちでは絶対に敵わないと感じた。
「
「…もう戻るぞ」
ベジータは元の状態に戻った。
「格下と戦ってもベジータなら何も感じずに倒しちゃうだろうしね」
「チッ!じゃあどうすればいい!ここで実力が近いやつと戦えばいいってことか…!?」
「焦るな、こういう事は焦ってはダメだ。…地道にいくしかないかもしれんな」
「……」
ベジータは奥歯を噛みしめて黙り込んだ。何一つ前進できてないことに苛立ちを隠せずにいた。
「…カカロットは何年もかけてやっとできたと言っていたな…オレは絶対に1年以内に習得してやる…!」
ブツブツと呟いていた。苛立ってはいるものの悲観しているわけではないようで2人は安心した。
「それより美鈴と喧嘩したみたいだね。何があったの?」
「喧嘩だと?オレは気合が入ってないやつが何をしようと無駄と思っただけだ。だから午前は早く切り上げて気持ちを切り替えさせようとしただけだ」
「…その時なんといったのだ?」
「…そんな言い方したら傷つくに決まっているだろう。まったく、美鈴は暗い顔をしていた訳がわかったよ」
「美鈴だって女の子なんだよ!もっと優しくしてあげなきゃ!」
「うるさい!これがオレのやり方だ!嫌なら弟子を辞めればいい、それだけだ!」
神奈子も諏訪子も頭を抱える。
するといきなりベジータの腹が鳴った。
「オレは腹が減った。昼飯を食いに戻るぞ」
「あの2人は買い物に出かけたからまだ帰らないよ?」
「じゃあ神社にある食べ物を何か食うとしよう」
そう言ったらすぐに飛んでいった。
「…ホントに自由奔放というかなんというか」
「幻想郷がベジータ中心に回っているみたいだね…」
2人は困った顔を見合わせてそう言った。
そして早苗と美鈴は買い物をするべく人里へ向かっていた。
はい、第21話。
ベジータは自己中心的だと思いますけど家族とかある一部に対してだけ優しい心をみせるのがやっぱりいいなと思います。
鳥山先生いいキャラ作るなぁホントに…
ではここで終わります。お疲れ様でした。