ライバルを超えるために幻想入り   作:破壊王子

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この小説はドラゴンボールの東方projectの二次創作です。

急いで書いたので誤字があるかもしれません。


【第20話】神と賢者

 

 

 

「よっこらせっと…まぁ座ってくれ」

 

神社の中に入った神奈子とベジータ、そして美鈴。

 

「さっきも言ったが、何故キサマがそこまで色々と知っているのかは聞かん…どうせあの女から言われたんだろう?」

 

「…ご察しの通りだ」

 

あれはベジータが幻想郷についてから間もなくの頃。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔今日もいい天気だね〜カエルの私からしたら川で水遊びでもしたい気分だよ〕

 

〔最近は快晴が続いているな…どれ、たまには雨にでもしてみるか?〕

 

神奈子とこの守矢神社の神の1人である諏訪子が話をしていると急に空間からスキマが現れた。

 

〔おやおや…これは珍しいお客さんだね〕

 

〔御機嫌よう、神様たち〕

 

〔幻想郷の賢者様が何の用だ?またなにか問題を起こすつもりなんじゃないだろうな〕

 

〔あ、あなた達に言われたくないわよ…〕

 

 

〔でも用はあるわ。まずはこれを見て頂戴。〕

 

 

 

 

紫が手を差し出した先には大きなスキマが生まれ、何かが写し出されている。簡単に言うとTVのようなものになっているのだ。

 

〔へぇ〜、あなたの力ってやっぱり便利だねぇ〕

 

しばらく待っていたら映像が動き出した。

 

〔こ、これは…!〕

 

〔なんという…!〕

 

諏訪子も神奈子もそれをみて驚愕していた。2人がみていたものというのは界王神界で孫 悟空と魔人ブウが戦っているところだった。

 

〔違う世界で少し前まであっていた戦いよ。少し長いけど最後までみて頂戴〕

 

 

 

 

 

少女鑑賞中…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人は孫 悟空とみんなの元気によって作られた元気玉によって魔人ブウが倒されるところまでみた。

 

 

〔…こんなに驚いたのは長いこと生きてきた中でも初めてかもしれないね〕

 

〔うむ…強さ、これほど純粋で濁りの無い強さがあるとはな。正直口が塞がらないな〕

 

終わった後も2人はまだ驚きを隠せていないようだった。

 

〔それで、これを我らにみせてどうするつもりだ?まさかこの者たちと戦えと?〕

 

〔いえ違うわ。貴女たちにお願いしたいのは…〕

 

〔彼…ベジータを強くしてやって欲しいの〕

 

スキマの中の映像に映ったベジータを指差しながら紫はそう言った。

 

〔どういうこと?まさか彼はいま…〕

 

諏訪子は何かを察したように言った。

 

〔ええ、今この幻想郷にいるわ。私が連れてきたの〕

 

〔…正気か?無いとは思うがもしこやつが暴れたら我らではどうすることもできんぞ〕

 

〔大丈夫よ。さっき彼の力を制限させてもらったし、恐らく彼は暴れたりしないわ〕

 

〔…〝恐らく〟ではいかん。それにこやつのこともまだほとんど知らない中でとる行動ではない。八雲紫…いささか軽率すぎるぞ。幻想郷の賢者たるものがそれで本当にいいのか?〕

 

〔そうだね…八雲紫、あなたの目的は何?〕

 

〔…軽率なのは承知。できることなら私だけでやりたかったけど…それは無理みたいだから貴女たちに頼んでるの〕

 

紫は無言で頭を下げている。しばらく経ったあと、はぁ〜と溜息を吐きながら神奈子が口を開く。

 

〔わかった。彼を強くしてやればいいんだな?〕

 

〔神奈子?〕

 

神奈子は了承した。理由こそは言わないものの、ここまで真剣に八雲紫が頼むということは只事ではないと思ったからだ。

 

〔…感謝するわ〕

 

〔だが肝心なのはこやつの強さだ。元々があれほどの強さならばこれ以上の伸びしろはあまりないように見えるが〕

 

〔スーパーサイヤ人3〕

 

〔む?〕

 

〔先ほど魔人ブウと戦っていた孫 悟空という者がなっていた姿よ。彼らはサイヤ人という種族で強さを自在に変えることができるの。…そしてスーパーサイヤ人3とはその最終段階。ベジータはそこまで辿り着いてないわ〕

 

〔なるほど…つまりこやつをスーパーサイヤ人3にしろ…と〕

 

とっさに理解した神奈子はそう答えた。

 

〔理解が早くて助かるわ〕

 

〔むぅ…肉体的な強さの限界に近い。後は…精神的な強さってことかな?〕

 

〔私もそう思ったのよ。だから貴女たちの所へきたの〕

 

〔精神的…か。それなら命蓮寺とかの方がいいのではないか?〕

 

〔ダメよ…明らかな修行みたいなものになったら彼は絶対言うことを聞かないわ。ましてや自分より力が下の者からなんてね〕

 

 

〔修行という形ではなくアドバイスのような事をしろというわけか。中々難しそうだな〕

 

〔彼は天才だから少しのキッカケでもあれば絶対に変わるはずよ〕

 

そう言った紫はスキマを開いた。

 

〔私もまだやることがあるから行くわ。……お願いね、2人共〕

 

 

 

〔いっちゃったね。これから何が起きるんだか…〕

 

〔…うむ〕

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

などというやりとりがあったのだ。その時守矢神社にいたのは神奈子と諏訪子だけで早苗はこの事をもちろん知らない。ただ、強い人がくる、ということだけを神奈子から聞いていた。

 

 

「さて、本題に入ろうかベジータ。スーパーサイヤ人3の事だが…今のお前ではなる事は厳しいだろうな」

 

「それはなぜだ」

 

「断言は出来ない。だが、1つの可能性としてありえるのは…お前の精神的な弱さだ」

 

「精神的な弱さだと?くだらん、そんなわけあるか」

 

ベジータはこれはありえないと思った。むしろ精神的な強さだけなら悟空を凌いでいるつもりでさえいた。

 

「待て待て、最後まで聞け。別にお前が心の中では敵を怖がってるとかそういう話じゃないんだ」

 

「当たり前だ。敵はどんな奴だろうが徹底的に潰す。怖がってる暇などない」

 

「…そこだよ」

 

「何…?」

 

「お前は常に全力だ。それは悪いことではない…だが、スーパーサイヤ人3になるときはその全力さが仇になっていると思うのだ」

 

「…詳しく話せ」

 

あまり理解できていないベジータが説明を求めた。

 

「スーパーサイヤ人3というのはエネルギー効率が物凄く悪い。戦わなくても変身しただけでどんどん力をもっていかれるだろう」

 

「あの孫 悟空という者は戦いながらどこか心にゆとりを持って戦っている。だからあのスーパーサイヤ人3を持続させることができている。……そのゆとりというのがミソだな。あそこまで強い相手と戦いながら心にゆとりを持つなどという事は簡単ではない」

 

「…それほどスーパーサイヤ人3というのは凄まじいものなのだ。……今話した話は全て私の推測だ。実際に直接みたわけでもないから確実に正しいわけではないが…大まかなところは合っているだろう」

 

「…なるほどな」

 

ベジータは妙に納得していた。確かに今までの悟空の戦い方を見れば自分よりゆとりを持っているようにみえた。だからこそ戦いを楽しむことができていたのかもしれない。

 

「だからベジータ、お前は精神的な弱さ…いや、精神的なムラを無くせば今よりもっとつよ」

 

 

 

 

急に勢いよく襖を開いた男がした。そこから現れたのはエプロン姿の早苗だ。

 

 

「夕食が出来ましたよ!お二人共!」

 

 

「……これ以上は夕飯の後だな」

 

「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この夕食時に神奈子は知ることになる。ベジータの弱点が精神的なムラだけではないということを。




はい、第20話でした。

次の話で神奈子はベジータの胃袋が大きすぎることに気づくでしょうね…

では次の話で。お疲れ様でした。

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