個人的にお気に入りですw
「それじゃあ翔君お願いね!」
「ああ、行ってくる」
今日は光の誕生日。
岬と遥の時同様、今回も俺が主役を連れ回すことになったのだが…
「…なんでまた成長してんの?」
「ふふーん!だってデートでしょ?だからしょうちゃんの年齢に合わせてみましたー!」
輝と栞のお使いの話の時と同じように16歳に成長した光が俺の腕を組んみながら笑った。
「いや、確かにデートでもいくかーとは言ったけど、普段通りのお出掛けのつもりだったんだけど?」
「なに言ってるのしょうちゃん!デートとお出掛けは違うんだよ!」
「…そうですか。それは失礼いたしました。けど、そのまま帰ったらまた輝が騒ぐぞ?」
「ふっ、それなら心配ご無用!昨日の内に能力使っておいたから、夜までには戻るはずだよ!」
「用意周到なことで。それはわかったけど、この腕は離してはーー「だめ!」ですよね。デートですもんねー」
そして光の提案で水族館へと来ていた。
「わー色んな魚がいるんだねー!ボルも連れてきてあげたいな!」
「…それはやめといたほうがいい。確実に迷惑だ」
まあ、王族の特権とか言ってしまえば可能だろうけど…というのは言わないでおこう、やりかねん。
「あ、この子すぐ隠れるから茜ちゃんみたい!」
「ほんとだなー!」
ぷ、よりによってチンアナゴか。
クマノミとかならまだ可愛かったのにな。
「しょうちゃん見て見て!イルカだよー!」
「へー凄いかしこいな!」
イルカショーを見て一通り見て回った。
その後、二人で開拓した行きつけの店に行き軽くお茶をしたり、バッティングセンターへ行ってみたいと言う光の要望でバッティングセンターへ行ったり、ゲームセンターへ行ってプリクラを撮ったり、エアホッケーで遊んだりと、1日を満喫した。
さすが、見た目は16歳でも中身は小学生、元気が有り余っているな。
そして、
「ねえ!しょうちゃん!最後に行きたいところあるんだけどーー」
「きたー!海だー!!」
「季節外れだけどな。いま10月だぞ!」
夕焼けの海。
季節も季節なので肌寒い風が吹き付ける。
「綺麗だね!」
「ああ。」
「やっぱりデートと言ったら海でしょ!」
「そういうもんか?」
海沿いを歩く。
「今日はみんなの時間稼ぎの為に誘ってくれたんだよね?」
「なんだ、気づいてたのか?」
「そりゃあ、毎年兄弟全員にしてるんだもん」
「まあ、言われてみればそうだな」
「それでも今日1日すっごく楽しかったよ!ありがとうしょうちゃん!」
「そうか?それはよかった!どういたしまして」
「次はしょうちゃんと葵ちゃんの番だから楽しみにしててね!」
「ああ、そうするよ。けどそれ本人に宣言しちゃ意味ないだろ」
「ーー!?しまった!!」
「まったく…。」
「えへへ…くしゅん!」
「ほら…これでも羽織りなさい」
そう言ってくしゃみをした光に、自分の着ていた上着をかける。
「誕生日当日に主役に風邪引かれちゃ困るからな」
「ありがとう!」
無邪気に笑う光。
「それと、みんなより先に…」
誕生日プレゼントにと買っておいたネックレスを光の首にかける。
「光に似合うかなと思って買っておいたんだ!俺からの誕生日プレゼントな!」
そして光の頭を撫でる。
「!?可愛い!ありがとう!大切にするね!」
そう言って光は前に出て振り返り、
「どう?似合ってる?」
「ああ。やっぱりそれ選んで正解だったわ!」
二人で笑い合う。
その時、
「!?あれ?戻っちゃった!」
光は能力の効果が切れて元の身長に戻ってしまった。
「まったく。相変わらず光は肝心なとこ抜けてるなー」
光な頭を撫でて抱き上げる。
「なんかしょうちゃん王子様みたい!」
「いや、これでも本物だからね。それを言ったら光はシンデレラみたいだなー。魔法の時間切れ、みたいな?」
「じゃあ王子様はしょうちゃんだね!?」
「いや、王子様の目の前で魔法解けちゃだめだろー。さしずめ俺はカボチャの馬車ってとこかな」
そう言って光を下ろしながら二人で笑い合う。
「さ、日も沈んで魔法も解けちゃったし、そろそろ帰りますかお姫様」
光に背を向けてしゃがむ。
「その服じゃ歩けないだろ?」
「あ、そっか!」
光が着てた服じゃ元の身長に合わないからぶかぶかだ。
帰り道
光をおんぶしながら歩いていると、
「ねぇ、しょうちゃん…」
「んー?」
「今度はみんなで来ようね!」
「ああ、そうだな!」
無邪気に笑う光。
奏が言っていた通りかもな…。
俺は一番光に甘い。
やっぱりこの笑顔より勝るものはなさそうだ。
「しょうちゃんだーいすき!!」
「ありがとう。俺もだよーー」
俺の可愛い
次回は月曜日となります!